異世界転生は『逃げ』だ
今日はとても辛いことがあった。
私が「逃げ」を選択したせいで。
自分に自信がない。
日常生活ではいつも日陰者。
自分がくだらない人間だということも分かっていて、やらなきゃいけないことがあるのを分かっていても、それが出来ない。
いつも逃げてきた。嫌なことや辛いことから逃げ続けた結果、メンタルがひじきの歪な人間が出来上がった。
俺は何なんだ?
辛い
死にたい。
恥ずかしい。
怖い。
異世界に転生させてくれ。
逃げたら負けだよ、なんて、そんな前向きな言葉に励まされるわけがないじゃないか。
どこかの誰かのお偉い様の偉人様の哲学者様の名言ひとつで俺の心が前向きになれるなら、こんなに苦悩はしてないんだ。
俺は、きっと一生逃げ続ける。
この辛い社会から、この醜悪な自分の心の姿から。
後ろから自分の影がついてくる。前から自分の影がついてくる。
…地面に影を落とすことすらおこがましかった。
現実世界に、俺の居場所は、無い。
だから早く、俺を異世界に連れて行ってくれ。逃げでもいい。もし、これで本当に俺が異世界に行ったら、きっと無敵の快感に喜びを感じながらも、ここで偉ぶってる自分を情けなく感じるだろう。
どこか自分の心にしこりを残したまま、異世界で、きっと俺はびっくりするくらいの扱いを受けて暮らしていくんだ。
理性の一部が欠如したキャラクターたちと、現実世界では真面目系クズだったこの俺が織りなす協奏曲。
一体、どんな、醜悪な見せ物だろうか。
でも俺はそれでもいい。
とことんクズのまま、自堕落な生活を送ってやる。
だから早く、異世界よ、来い。
つらい。つらい。人生が辛い。
前向きになりたい。楽しく生きたい。