アイスは溶けるぜベイベー 3
アイスクリーム(マンゴー味)の屋敷の中庭でアイスクリーム(チョコ味)は膝を抱えて座っていた。
「やっぱりここにいたか」
アイスクリーム(ポテトサラダ味)は簡単にアイスクリーム(チョコ味)の所在を突き止めた。なぜなら二人は小さい頃からの、そうスモールサイズ時代からの付き合いである。考えはお見通しだ。
アイスクリーム(ポテトサラダ味)は馴れ馴れしくアイスクリーム(チョコ味……さくらんぼ味だったかも)の横に座った。
「私のせいであなたもお父様に怒られてしまったわね」
「聞こえていたのか?」
「ええ。だってお父様の声、まるでキングサイズのコーンのように大きいのですもの」
確かに。と二人は笑いあった。
「気にするな。所詮俺はポテトサラダ味。こういう扱いを受けるのは慣れている」
「やっぱり……あの話は本当なの?」
「……ああ」
あの話というのはアイスクリーム(ポテトサラダ味)の婚約についての話だ。相手はソフトクリーム業界の御曹子、ソフトクリーム(十勝ミルク味)。ちなみに名前でお分かりの通り十勝ミルク味はオスだ。
アイスクリーム(ポテトサラダ味)に選択の自由など無かった。なぜならポテトサラダ味だからである。彼がこの先、生き残るにはソフトクリーム(十勝ミルク味)と合体してアイスクリーム(ホモサラダ味)になるしかない。
ん?ホモサラダ味?あ、いや合ってる合ってる。
えーと、その話を聞いたアイスクリーム(さくらんぼ味)は反論した。
「そんなことないわ!ホモサラダ味だって素敵なフレーバーよ!あらゆる店舗のレギュラーフレーバーから除外されようと、貴方の味を愛してくれる人だっているわ!」
生まれて初めて自分の味を誉められアイスクリーム(ホモサラダ味)は思わず目に涙を浮かべた。
そしてアイスクリーム(ザクロ味)は……そういやザクロ味は食べたことなかったな。
アイスクリーム(ホモサラダ味)の手をとった。
「ねぇ私と一緒に逃げましょう。こんな結婚無意味よ!同盟を組んだってこの惑星はどうせ滅亡するわ!」
アイスクリーム(ホモサラダ味)は悩んだ。ここで彼女を連れて逃げれば同盟はなくなり、この惑星は滅びる。それに彼女のためとはいえ自分を拾って育ててくれたアイスクリーム(えーと……何味だっけ?)に逆らうことになってしまう。
そしてアイスクリーム(ホモサラダ味)は悩みに悩んだ挙げ句ひとつの結論を出した。
「さっきからゴチャゴチャうるせぇぞ!このアイスクリーム(ホモサラダ味)野郎!」
アイスクリーム(ホモサラダ味)が言おうとした瞬間いきなり、背後から白熊(アイスじゃないほうの白熊)のホームレスがあずきバーでアイスクリーム(ホモサラダ味)の後頭部を殴り付けた。
「二度と騒ぐんじゃねえぞハンバーグのつけあわせ野郎!」
こうしてアイスクリーム(ホモサラダ味)は凶弾に倒れた。
その後、若き日の俺はアイスの食べすぎでお腹を壊し、そのことに激昂したパパンが惑星レイトーコを滅ぼし、今は誰もいない、無アイスクリームの星になってしまった。
「めでたし、めでたし」
『いやどこもめでたくないわ!てゆうか何?え?惑星レイトーコ滅んだの?キャプテンがお腹を壊したせいで?それよりその話だとアイスクリーム(チョコミント味)さん既に死んでない?』
「は?アイスクリーム(チョコミント味)ってだれ?」
『お前が間違えたんだろ!』
だがそんなことはどうでもいい。なぜなら俺はキャプテン・コンドル。好きなアイスはやっぱりタダイマノアトハガラガラジンジンイソジン味。細かいことは気にしたら負けだ。
「あ、そうだ」
『まだなにかあるの……?』
「いや、さっきの黄色い熊のホームレス、白熊のホームレスにソックリだったな。親子かも」
『……え?……それだけ?……アイスは?』




