表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

博士と私のSFショートショート

寄生虫

作者: 坂井ひいろ

「博士、今日はどんな発明ですか?」


「今回の発明は名づけて『寄生虫』だ」


「・・・。名前を聞いただけで、とてつもなく恐ろしい発明の気がします」


「?」


「寄生虫と言えば、きもい、ぶきみ、グロテスク。三拍子そろった生物ですよね。まさか、人間に寄生して羽化したら人類が滅亡する、SFムービーみたいなことにはなりませんよね」


「キミ、何か勘違いしていないか?」


「寄生虫ですよね」


「ああ、その通りだ。私はかねてから、クワガタムシとカブトムシのどちらが強いか疑問に思っていた」


「は?」


「そこで考え出したのがこの『寄生虫』だ」


「私にはコックピット型のゲーム機にしか見えませんが」


「ここにマイクロマシンを搭載したチップが二つある。このチップを世界最強と名高いスマトラオオヒラタクワガタの首元に取りつける。すると、クワガタの中枢神経をコントロールして自在に操れるのだ。そしてもう一方は昆虫界の王者、ヘラクレス大カブトムシに」


「おぉ。カッコイイですね。われわれが虫に寄生するから『寄生虫』なんですね」


「その通り。この虫たちを切り株のリングの上に乗せる。よし、準備はOKだ。男の子たちの長年の疑問を解決するのだ」


「キミ、どっちに乗る。もちろんヘラクレスです!」


「では、私はスマトラだ!」


ギー、ガシャン。


「完全密閉360度全天球型ディスプレーではないですか?カッコイイ」


「わかってくれるか。私はこういう事には手を抜かない。では、因縁の対決を始めるぞ!」


ガシガシ、ガシ。バキバキ。


「どうだ。はさみつぶしてくれるは」


ゴキゴキ、ガギ。ギシギシ。


「負けませんよ。すくい上げてやりますから」


『ハカセ、ドコダ。サッチュウザイ、カッテ、キタゾ。アッ、ニックキ、クロムシ』


「やめろ!バカロボット」


シューーーーーー!






おしまい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 博士と私の間にもう一人の存在を忘れてた! さすがブリキロボット! 博士に黒い虫を殺す意思があったことにも驚きです。
[一言] そしてこうなる……(笑) 思っていた寄生虫ではなく、少しだけホッとしました← 博士とロボット、良いコンビですね。
2018/03/28 23:58 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ