【八百万】じゃがりこ
「はじめましてー、ジャガリコンテです。」
変な名前。ジャガリコンテってなに? じゃがりこでいいじゃん。
「失礼な。この素晴らしき名前の良さが理解できないのですか?」
ふーむ、このじゃがりこもどきはサラッとプライバシーの侵害をしてくるよ。訴えたら勝てるかな?
「あなたのプライバシーなんてあって無いようなものでしょう?」
こいつのほうがよっぽど失礼じゃん。熱湯かけたらふやけるか? じゃがりこなんだし。
「ふやけませんから。ましてやポテトサラダになんてなりませんよ。
だいたいじゃがりこではありません。ジャガリコンテです。」
ポテトサラダまで考えてはいなかったんだけど、もしやこいつはじゃがりこがすきなんじゃなかろうか?
「そんなことはありません。ポテトサラダは偶然です。決して私がじゃがりこから作ったポテトサラダが好きだ、などではなく。」
...、こいつ、ばか?
やっぱじゃがりこ好きなんじゃん。
否定できてないし。
「いえね、まあね、だってですよ!
素晴らしいじゃないですか! じゃがりこは偉大であると感じませんか?」
感じねーよ。そこまで暇じゃないし。
あと、否定すんのやめたのね。
「私だって暇じゃないんですよ?
じゃがりこ~地域の味シリーズ~の食べ比べなどでいそがしいのです。」
要するにバカだからどうせ仕事ももらえなくて暇なんでしょ?
「なぜそうなるのですか?
バカですか? そうですか。バカなんですか。これはなんと可哀想な人なのでしょうか。
これではお先真っ暗ですね。
こんなに同情の念が湧き出てきたのは31時間ぶりです。」
突っ込み待ち? あっそう。
こいつやっぱり熱湯かけよう。ふやけなくても火傷くらいはするでしょ。
もしかしたらちょっとは顔の形が変形するかも。中身がこんなんでイケメンとか残念すぎる。それこそお先真っ暗。可哀想すぎる。
「おやおや、もっと素直になっていいのですよ? 私のこの顔の造形ほど完璧に整ったものもないでしょう?」
しかもナルシスト。自分大好き人間。痛い。痛々しい。見てられないよ。
あ、見なければいいのかな?
「ちょっと? いきなり無視ですか?」
今日の夕飯って何食べたっけなー?
そうめんだったかなー?
「おーい? 聞いてますー? おーいー!」
他にも何か食べたような...?
何だっけな。あれかな、マカロニサラダ。
「私の存在ごと抹殺する気ですかー? ちょっとおー!!!」
それで、お茶が飲みたくなって冷蔵庫をあけたけど牛乳しかなかったんだ。
で、しょうがないから牛乳飲んだ。
「おーーい!!!!! 鈴木 し──」
「黙れない?」
首、押さえたら黙るよね?
「ちょっぅ!? おさえて、ない! しめ、てるぅ!」
こいつさっき何を口走ろうとしやがった。
やっぱり訴えたほうがいいよね。罪は償わなければなりません、ってドラマとかで言うじゃん?
「は、はなし、で!」
あ、噛んだ。ナルシが噛んだ。
「いーから、は、なし、て...!」
はいはい。めんどくさいなあ。
もう帰りたいな。
「あっ、それは言ったらおしまいなんですけど!」
いやいや、言ってないし。思っただけだし。
もう帰ろう。
「ああー! 言っちゃった!」
なんか引っ張られるー。きゃー。
「棒読みじゃないですか。少しは動揺してくださいよ。」
そう?
きゃーーーーーー。こーわーいー。早くおうちに帰りたーい。
えー? 加速しちゃうー?
頭ボサボサ。まあ、いいけどさ。
「相変わらず棒読みですけど、また遊びに来てくださいよー。」
今度来ることがあったら忘れずにお湯沸かして持ってくるよ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「じゃがりこのキリンってよく頭を支えられるよね。何故かだじゃれ好きみたい。」
じゃがりこのおともは牛乳だよね。
でもお茶買いに行こっかなあ。
じゃがりこからの連想、もとい、妄想。
なぜこんなことを考えていたんでしょう?
学業の疲れ? とか言い訳みたいなことを言ってみます。