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人類よ、そこのけそこのけ、龍神通る。  作者: 初雪
第一章  勇者召喚編
4/18

『龍の神たる所以』

本当に申し訳ありません。

遅れました。

その上今回はほとんど設定集です。

ごめんなさい。


いきなりとは思うが聞いてほしい。

突然目の前に見知らぬ少女が現れて、『私実はあなたのことを追っかけまわしてた犬なんです』なんて言われてどう思うだろうか?

俺だったら当然唖然とするね。うん。

今まさにその事態に陥ってるんです。

目の前には裸の少女。

この状態を俺にどう対処せよと?

脳内がそんなカオスな思考で埋め尽くされかけていた龍斗に、少女―ギステルス―は話しかける。

「ねえねえ、ご主人様。そんな難しい顔して何考えてるの?」

(え~、なにその、修学旅行で『次どこ行く~?』みたいなノリは。)

考え事してる原因は君だよ!?90%君だよ?

そんな内心が全く穏やかでないながらも、何とか平静を保とうとする龍人は極力穏やかに、『なんでもないよ?』とだけ言っておく。

にしても、神様(最高神)のところでステータス見たとき有った全知ってやつ何の役にも立って無いなぁ―そんな無体なことを考えた時だった。

「ガッ!!」

唐突に、龍斗を強烈な頭痛が襲う。

ギステルスとの戦闘中に得た知識が、あまりにも膨大な情報量だったために、龍斗の脳が悲鳴を上げる。

閉じている瞳の裏には、まるで早送りの動画のようなものが映っては消えていく。

「ちょっ?!ご主人様?急にどうしたのよ!?」

ギステルスが困惑した声を上げるがそれすらも耳に届かない。

自分が自分で無くなっていくような感覚。

マンガやアニメなどではありがちな表現を今、龍人は体験していた。


(くそっ、なんだよこれシャレになんねえ。)


拷問のような責め苦を味わっている頭ではまともな思考すらうかばない。

しかし、不意にその苦痛は終わりを見せる。

溶かした鉛を流し込まれたようになっていた頭は次第に落ち着いていき、思考もやがてクリアになっていく。

その過程で、龍人は一つのことに気付いていた。

自分の中の『記憶』におかしなことがあった。

(俺は、こんな体験はしていない・・・)

自分のものであるはずの記憶の中に、明らかに自分のものではない()()()が混ざっていた。

()()は誰かと共に戦っていた。

誰かと共に笑っていた。

誰かと共に泣いていた。

誰かと共に怒っていた。

誰かと共に哀しんでいた。

その誰かが誰なのかもわからない。

この記憶にある()()もきっと俺ではない。

そんなおかしな事ばかりなのに、確信がある。

()()は、自分()のものだと。

「ご主人、なんか変わった?」

と、ギステルスが恐る恐る聞いてくる。

その問いに、「ああ」と軽く答える。

なるほどね、そういう訳か。と、ギステルスにも聞こえない声量で独り言つ(ひとりごつ)

(いうなれば、魂と神格の融合って感じだな。()()()()から考えるに。)

そう、『魂と神格の融合』である。

そのことを、今、理解した。


この世界で神が誕生するとき、いくつかのタイプがあるらしく。

しかしその中でも今回の俺の例は珍しいっぽい。

俺のタイプを簡潔に表すとすれば、それは神格の継承。

そもそも、神々はあまり人界には干渉してはいけないらしい。

故に、人が神に成り上がるなどまずありえない事態だった。

話は戻るんだが。今回俺の身に起こった『魂と神格の融合』、これは書いて字の通り、龍神と言う神格と如月龍人と言う異世界人の魂が混ざり合い、一つとなることを意味している。

それすなわち、ついさっきの悶絶で、俺は完全に『龍神』の神格を我が物にしたということだ。

どうやら先ほどの頭痛の時、さらに多くの情報が得られたらしい。

そしてすべてを理解した。

自分がどういった立場にあるのか。

なぜ先ほどまで()()な魔物であったはずのギステルスが、人の形をとっているのか。

そして、今自分がいるのはどんな場所かを。

「ご、ご主人様?」

そういって、困惑したような表情を浮かべるギステルスに俺はどうこたえていいか迷う。

「どうしたよ、えーと、ギステルスって呼んでいいのかな?」

と、出来るだけ気軽に話しかけてみる。

「え、別にいいけど。でもほんとにご主人様どうしたの?さっきまでとなんか雰囲気違う・・・」

あまりにも的確な指摘に『たはは』と頭をかきながら笑ってしまう。

「う~ん、変わったっていうより、こっちが俺の素なんだよね。色々あってちょっと余裕がなかったって言うか、そんなわけで焦ってた?のかな。」

龍神の神格を完全に自分のモノにしてからは、今何が起こっているのかをほぼ理解できている、だからギステルスとも普通に接することができるようになった。

「ふーん。それより、さっき私にはなってきたのってブレスよね?それも龍属性の。ご主人様って人化した龍王か何かなの?」

(おお、ギステルスのなんと鋭い事か。これはどこかの幼馴染に教わってほしいくらいだね。)

と、付き合う際に彼女―美奈ちゃん―の方から告白させた奴の顔を思い浮かべながらそんなことを考える龍人。

(そうだねぇ、ギステルスだったら言っても大丈夫だよね、何の確信もないけども。)

ぶっちゃけて龍神だと周りに知覚されることはさほど問題ではない。

何より今いるのは危険度EXレートの「絶望の森」と言うシンプルにこの森のヤバさを伝えるような場所だ、まず人間どころか半端な魔物すら生きていくのは難しい。

「あー、ちょっと違うかな。俺はあれだよ、龍神ってやつだよ。」

「へえー、龍神ねえ、すごいじゃ・・・・・・」

あまりにもあっさりかつ重大すぎる発言にギステルスの声は尻すぼみに小さくなっていく。

「え、え?ちょ、ご主人様、え?龍神?」

まあ普通そうなるよね。

いきなり初対面の奴に私は神だ、なんて言われたらどこのエ〇ルだよって突っ込みいれるよ?俺だったら。

が、しかし。

今回はあくまで他人事。

故に―

「まあまあ、落ち着いて落ち着いて。」

こんな気の抜けた事しか言えないのが如月龍人と言う男である。

「えっ?なんで、ここって慌てるとこじゃないの?今まで普通に接してきた人が神様とかおかしいでしょ?え、何、私がおかしいの?」

変なスイッチに入ってしまったギステルスは置いておくとして。ここで、なんでギステルスが人化したかを説明しておこうと思う。


その前にはまずこの世界の『属性』と呼ばれてるものから説明してこうかね。

俺たちが召喚されたこの世界には『火・水・土・風』からなる四大属性って呼ばれてるものと『光』と『闇』の相対する二つの属性からなる対極属性、さらにはそれらのどれにも属さない『無』や『龍』やその他幾つかの系統外属性ってよばれるものが存在している。

それを踏まえた上で、属性ってのがどういうものかってーとだ。

単純に言うと、『フィルターに通した魔力』。

この世界の住人は必ずしも体内に魔力を有し、さっき例に上げた属性のどれかを、そのフィルターのようなものとしてもって生まれる。

それは一種類かもしれないし、二種類かもしれない。

もしかすれば、全種類もって生まれるかも知れない。

何を基準にそれが決まるかは知らないけどね。ま、それは置いといて。



話を戻すけど。

そうだな・・・属性を絵の具、魔力を水とすれば、話が少しは分かりやすいかな?

例えば、赤色の絵の具を染み込ませたフィルターに水を垂らすと、勿論フィルターを通った水は赤色の水になる。

つまりはそういうことだ。



それでなんで俺がこの説明をしたかっていうと、二つの属性、無属性と龍属性が今回は関係してるわけね。

まず龍属性の説明から。

この属性が他の属性と大きく違っているのは他属性との高い親和性、さらには属性変換率の良さにあるんだよね。

今回関係あるのは前者だけど。



この世界においてマンガとかラノベとかでありがちな複合魔法とか、そういう複数の属性を掛け合わせたような魔法は相当高度な技術とされているらしく、失敗すると何かしらの反動があるんだとか。

まあそれは置いといて。

ともかくこの世界で複数の属性を合成するのはとても難しいことらしい。

そこで出てくるのがファンタジーではお決まりの龍種(ドラゴン)なんだよ。

こいつらはもう生まれた時から扱える属性が龍属性とあともう一種、ほかの属性だけって決まってるみたいなんだよね。

そんでもってその属性で、火属性なら火龍。

水属性なら水龍みたいな感じで呼ばれるらしい。


んで、昔の偉ーい学者さん方がなんで二種類の属性をすべての龍種は扱うことができるのかって調べたところさっき説明した龍属性の特徴が分かったんだと。


で、それと今回の話なんの関係があるのかっていうと、ここに()()無属性が大きく関わってくるのね。

この世界の無属性っていうのはラノベとかでのテンプレ通りに無能を意味するのが一般的なんだけど、俺が神の知識で得た情報では違う。


無属性の『無』の字が表すのは限り無き可能性の『無』。

何色にも染まらない、何色にでも染まることのできる色。

それすなわち無限の可能性を表している。らしい。

それで俺の場合はややこしくなる。

俺はこの世界に来てからまだ一か月と少しだ。

その間も修行だったりこの世界の常識を学んだりと、いろいろ忙しくてそれ以外をする余裕はなかった。

まあぶっちゃけて行ってしまうと俺にはまだ覚悟ができてない。

ありがちな『命を奪う覚悟』ってやつね。

で、そこん所に俺の無属性が反応して無属性は変化、『不殺属性』っていうなんかすっごいかっこいいのに変化した。

不殺属性になった無属性の特徴が面白いのね、これがまた。

この世界では基本魔物はサーチ・アンド・デストロイ。

よっぽど利用価値がない限りは殺すのが普通。

そこで殺さなくてもいいようにするにはどうすればいいか、ほかにもやりようはあったように感じるけど、俺の中では『じゃあ魔物から人間に作り替えればいいんじゃね?』っつー結論に至ったみたいなんだよね。

まあそんなわけでついさっきまでEX+の『魔物』だったギステルスは異常に強い()()の女の子になった訳なのさ。以上、説明終わり。


「まあギステルスの気持ちもわからなくはないけどさ、とりあえずね、その、まずは今一番大切な問題を解決したいと思うんだよ。俺は。」

俺は冷静ぶってるけど心の中は荒ぶってるよ。

だってささっきからずぅ~~~っと、目の前に裸の少女(ギステルス)がいるんだもの、仕方ない。





今回はほとんど設定集でしたがどうだったでしょうか。

え?これおかしくね?なんてのがありましたらどうかご指摘お願いします。

ぶっちゃけコメント貰えるかもらえないかでモチベーションが全然違います。

厚かましいとは思いますが少しでも気になったり、おかしかったりすればコメントしてください。

褒められたりなんかすればもうわたくし発狂して凄い事になります。(そんなことになった作品書けねえだろボケっ)

それでですね、今回からあとがきに茶番を入れていきたいと思ってます。

これ前からほかの作者さんのを見ててやってみたかったんです。

どうか生ぬるい目で見守ってやってください。

ではどうぞ。


ギステルス

「ヤッホーい、みんなのヒロインギステルスだよ!」


龍人

「おい、はしゃぎすぎだろお前」


ギ「えー、いいじゃーん。」

龍「ダメなもんはダメなの。」

ギ「チェ、ご主人様のケチ。」

龍「お、お前なぁ」

作「ちょ、ちょい待て前ら、折角このあとがきのコーナー使って茶番やらさしてもらってんだ、もし読んでくださってる読者さんがいたらしつれーだろーが。」

龍「そうだぞギステルス。ちょっとはおとなしくしてろ。」

ギ「ふん、ご主人の言うことは効くけどアホの作者の言うことなんて誰も聞かないもんね。」

作「お、お前なぁ~」

ギ「バーカバーカ。作者のバーカ。」

作「上等だよ、ケッ。これだけは言うつもりじゃなかったけどな、そっちがそのつもりならこっちにも策がある。」

ギ「な、何よ…」

作「お前、龍人に何かと熱心らしいなあ?」

ギ「それが何よ!」

作「ふふ、聞いて驚け!何と如月龍人のモデルは俺!つまりこの作者様なのだあ~へっへ、どうだ、参ったかって・・・あれ?なんでそんな踏みつぶしちゃったアリンコを見るような目で俺を見るの?ねえねえなんで?なんでそんな哀れな生き物を見るような目で俺を見るの?!」

ギ・龍「「だって、ねえ・・・」」

作「な、なんだよ、お前ら。いいとくけどな、これガチだかんな!茶番だからって言ってるんじゃないからな!」

ギ「それは良いんだけど。あんた、この前の定期テスト何点だった?」

作「ギクッ!」

ギ「2月14日、チョコもらった?」

作「・・・・・・・・・・」

ギ「最後に女子と会話したのいつ?」

作「・」

龍「そういやこの前俺に嬉々として女子と一緒に帰ったって言ってたな二年前に、家から200mくらい離れたとこまで。」

作「シクシク」

龍「ああそういやその後好きな子がいるって―」

作「すいませんでしたああ。もう許してくださいイイい、何でもしますからあアア。」

ギ・龍「「ほお。『なんでも』ねえ」」二ヤリ

作「え?・・・・・」

その後、作者がどうなったか、知る者はいない。



P.S.

4/1属性についての修正をしました。

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