え?自重?知りません。
すいません、三話目からいきなり投稿遅れました。
いや~これでも一応学生なもので・・・まあ受験は終わりましたが。
ああ、受かりましたよ?今回の話とは全く関係ないですが。
後、一応注意です。
R15は保険じゃありません。
そのうちグロテスクな描写やら、エッチぃ描写も入れてきます。
あしからず。
さて、前置きが無駄に長くなりましたが、今話も楽しんでいただければ幸いです。
何もない、真っ白な空間で、俺と爺さん、もとい最高神様は語らっていた。
「なあ、最高神様。」
「ん?なんじゃい?」
「内容はともかく俺はいろんな力を神様から貰った訳なんだけど俺、これからどうすればいいの?」
これは今、最大にして最高の問題である。
「んん~、そうじゃの。とりあえず、わしの力でお主を適当なところに送るから、そこで軽く肩慣らしでもしてくればいい。」
名案だ、とでも言わんばかりの顔で饒舌に語る爺さん。
「いや、適当って言っても、具体的には?」
「うん?そうさなあ、例えば人間の言う危険度Sレートの『血みどろの森』とかどうじゃろ。」
さも当たり前のように例を挙げる爺さんに、本気で突っ込む。
「おい、ちょっと待て。なんだって?血みどろの森?あんた頭沸いてんのか?!そんなところ行ったら間違いなく俺の二度目の人生がバッドエンドを迎えるだろうが!」
どう考えてもおかしい、血みどろとかいやな予感しかしない。
ひとしきり言い終わり、肩で息をする龍人。
だが、それも無理はない。
最高神の言う、危険度レートとは人間界に在る、冒険者ギルドの設定した物で魔物やその地域の危険性を示す。
Fレートから始まり、E、D、C、B、A、S、S+、SS、SS+、SSS、SSS+、EX、EX+レートまであり、その先は測定不能の領域だ。
どれほどの強さかと言うと、同じく人間界のギルドに、冒険者ランクと言うものがあり、危険度レートと同じくFから始まりEXまであるが、実質最高はSSで、レートと同じランクの冒険者が3人で同じくらいの戦力となる。
「う~ん、お前さん、なんか勘違いしとるようじゃが、そういやお前さん、生き返ってからステータス見たんかの?」
「え?ステータス?それは見てないけど・・・」
「じゃったら見てみるといい。」
「?」
どういうことなのか全く理解できないままに、ステータスを開くと。
《如月龍人》
称号:龍神、異世界人、最高神の友
HP:∞
MP:∞
筋:EX+
知:全智
運:S
職業:龍神
種族:神族(人族)
スキル:位置交換、如月流、龍化、龍装、龍の息吹、龍圧、魔眼「森羅万象&夢想の瞳』、無限魔力、未来視、抹消偽装、創世魔法「改」、神速「電光石火ver」、アイテムボックス「自動&無制限」
「なあ、最高神様。」
「ん?なんじゃ?」
「おかしくないか。」
「何が。」
「いやさ、もうスキルのことは良いよ。割り切ったから。でもさ、なんでこんなにステータスが暴走してる訳?」
龍人がこういうのも無理はない、むしろ当たり前だ。
何しろ筋力だったら約18万アップしているからだ。
「その上何?全知って、怖いんですけどっ!?」
「いやいや、お前さんは龍神、すなわち龍族の頂点に立つ神と成ったんじゃ、これくらいは当たり前じゃろ・・・まあ予想しとったステータスよりはるかに強力になっとったのは否定せんが。」
龍人としては、後半の呟きはなかったことにしておきたいものだ。
「もういいや。で?俺はその血みどろの森とやらに行って肩慣らし的なことをしてくればいいわけだな?」
「そうじゃよ、まあこれ以上話し合っても何も変わらんし、とっとと送るぞい。」
「ああ、もう疲れた。」
後ろに暗いオーラを放ちながら呟く様に放たれた言葉に、同情の余地は十分にあるだろう。
「あいよ、じゃあ行くぞい・・・「転移発動!」・・・あっ…。」
かくして、如月龍斗は転移を果たした。
最高神と言う、この世界で最高位の存在の、不穏な『あっ…』と共に。
誰もいなくなった白の空間―神界―で最高神と呼ばれる一人の男が誰に言うでもなく、楽しげな表情で呟く。
「異世界・カストル。その世界の三強、神族、悪魔族、龍族。その中でも最も基礎能力の高いことから、最強種とも謳われる龍種の神たる存在龍神、か。」
何もない虚空を見つめながら、さらにその表情を喜色に染めてゆく。
「さて、如月龍斗君。君はこの異世界で何を見て、何を感じるのか。そしてその果てに、破壊と再生、どちらを望むのか。
先輩は楽しみだよ。」
その呟きは、真白にに吸い込まれ、消えていく…。
ここは『破邪の森』。
森には、高濃度の瘴気が常に立ち込め、常人ならよくて発狂、普通は苦しみながら死にゆく、絶望の森。
木々は、立ち込める瘴気の影響を受け禍々しい雰囲気を纏い、まるで悪夢を見ているかのような感覚を味わわせる。
だが、それだけではなく、この森の発する瘴気は、非常に強力な魔物を引き寄せる。その魔物たちの平均危険度レートSSS。
その危険性故に、ギルドはこの森を危険度EXレートに設定している。
未だかつて人類で、この森を踏破したものはいない。
そんな森の中央部で、一人の少年―如月龍斗―は、一体の魔物に追われていた。
その魔物の名は『冥王・ギステルス』数千年前に、一度だけ人里に出没し、破壊の限りを尽くしたEX+レートの魔物。(ちなみにだが、国を2ツ、村を5ツ、集落を数えきれないほど滅ぼしたのち、神様によってこの森に叩き込まれた。)
死神のようなその様装は、見る者すべてに絶望を与える。
両手に握られた鎌は、血に汚れ、おぞましい怨嗟の声が聞こえてくる。
「うおオオぉぉォ!何こいつ―!触られた瞬間にあの世逝きしそうなんですけどー!?」
くそがッ!
マジでこんなの洒落になりゃしねえじゃねか!
え?なになに、龍神になったんだから力使えって?んなことできるかバーカバーカ!
ん?触ったら?…そうだ!確か固有スキルに『龍の息吹』とかあったよな、それを使えば!
そんな考えと共に、龍人は振り向き龍の息吹、人類の言う《ドラゴンブレス》と呼ばれる固有スキルを発動させようとする、がしかし。
「使い方なんて知らねえよ畜生!」
そう叫んだ刹那。
トスッ・・・
「は?」
まるで厚紙にカッターを突き刺したかのような音。
突然胸元に生じた違和感。
「なんだ?こりゃ・・・」
胸元に視線を落とすとそこには・・・
「ゴハッ!」
血濡れの鎌が、俺の胸から生えていた。
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!)
俺の頭の中は一つの単語に占拠される。
「糞、ったれ、が・・・」
そこで俺の意識は途切れることになった。
・・・、お・・。
・・・誰か、俺を呼んでる?
オーイ、リューくーん。
・・・この呼び方は、唯子か?いやでもこの声は・・・
ちょっとぉ~リュー君ひどいよぉ~私とほかの女を間違えるなんてぇ。
誰だよ、アンタ・・・
えっ?私のこと忘れたの!ひどい、あんなことしておいて!
だから誰なんだよアンタ。普通死にそうになったら走馬灯が流れるんじゃないのかよ・・・
ほらぁ、あの時だよぉリュー君がこの世界に来たときに・・・
ああ、あの声アンタだったのか。つーか口調違い過ぎだろ。
そうだよぉ、まああの時は私もリュー君だったとは気が付いてなかったんだけどね。
?その良い方だと、前から俺のことを知ってる風だけど・・・まあいいかどうせ俺は死ぬんだし、静かにしてくれないか?
フフフ、大丈夫だよ。リュー君は死なないし、第一私が死なせない。
は?何言ってんだよ、俺はあのギステルスとか言うのに腹ぶっさされて・・・
まっさかぁ。龍神になったリュー君があの程度で死ぬはずないよ、それは私が一番よくわかってるもん。
何、言ってんだ?アンタ。だったらここはなんなんだよ。
それはさっきおなか刺されて弱くなったガードを私が無理やりこじ開けて連れてきたから。
なあ、アンタホントに誰なんだよ?
え゛!ここまで来てまだわかんないの?
全く心当たりがないな。
ひっどーい、私本気で泣いちゃうよぉ~?
そんな事言われてもな・・・
まあ、わかんないのも仕方ないか。そもそも私自身この状況が信じられないからね。
で?あんた誰なんだ?
ふっふっふ、私はねぇ、リュー君の―――――で、――だよ。
は?
あ!時間がもうないッ!あ~あ、もっと話したかったけど、仕方ないかぁ~。
お、おいっ!今のどういう意味だ!
え~?どういう意味だって言われても、そういう意味だとしか言いようがないな~
ちょ、ちょっと待て、それがもし本当だったら、俺はッ!
残念。もう時間がないから、私からのプレゼントだけでも渡しとくねぇ~
あ、クソッ!なんだこれ。おい!待て、待ってくれ!
しょうがないよ~。ここじゃあ私は愚か今のリュー君でも、いろいろ厳しいからねえ。
せめて、ここがどこかだけでも教えてくれッ!絶対に迎えに来るから!
や~ん、絶対に迎えに来るって言われちゃったぁ~私ウレピー!
ふざけてる場合じゃないだろ!
あはは、怒られちった。
ホントに・・・教えてくれよ・・・・・・
・・・ごめんね。いくらリュー君でも、ここには来ちゃダメ。
何で、なんだよ。
その言葉を最後に、俺の意識は覚醒した。
目が覚めても。場は何も変わってはいなかったが、しかし、確実に変わったものもあった。
何だ、これ・・・
体内で暴れ狂うモノ。
これがきっと魔力ってやつなんだろう。
あの人の言っていたプレゼントと言う奴だろうか。
でも、それだけじゃあない。
まだ何か、ある。
そうして思考を張り巡らせるが、再び腹部を襲う激痛にそれを遮られる。
「ゴッ!・・・ガァ!」
後ろを振り向くと、相変わらずそこにはギステルスが手に持った大鎌で俺の臓腑を抉っている。
「い、つまで人様の腹抉ってるつもりだぁ!このドグサレがぁッ!」
その言葉と共に、ギステルスに反撃する。
子供のころから体に叩き込まれてきた技を。
腹に刺さった鎌を無視するかのように、バク転の要領で回転し脳天に蹴りを叩き込む。
「グギッ!」
おそらく魔物にも痛覚はあるのだろう。
苦しげなうめきと共にどこかへ吹っ飛んでいく。
しかし、その一方で、俺は違和感を覚えていた。
(何だ?力が、漲ってくる・・・?)
確かに、これが対人戦であれば、あそこまで吹っ飛んで行ったのもうなずけるだろう。
しかし相手は魔物、それも相当上位の。
ついさっきまでは逃げる事しか出来なかったほどに格上・・・・・・だった相手。
「!なんなんだよ、これ・・・」
体中に漲る力と共に、頭の中にも知識が湧出てくる。
「これが、何なのか解んないけど・・・今は仕方ないか。」
そう言って、俺はギステルスの方へと向き直った。
「なるほど、こうやって使えばよかったのか。だったら…」
今得たばかりの知識に従って、スキルを発動させる。
イメージとしては、口の中に何かがたまっていくような感覚。
ナニカの正体とは、属性変換され、龍属性を帯びた魔力。
その純粋な魔力は圧倒的な力の権化として、冥王に襲いかかる。
『ズゴゴゴゴ!』
腹の底から響くような轟音と共に紫電を纏った極大の光線は、大地すらも飲み込んで、空のかなたに消えてゆく。
あとには大きくえぐれた大地と、ギステルスのドロップアイテムの大鎌のみが残っているように見えた。
「え、何これ?」
スキル名からして、相当強力な威力のスキルだとは思っていたが、まさかここまでの威力だとは思ってもみなかった。
「つーかなんでこんなに地面が抉れるような攻撃にさらされといてこの武器は原型とどめてんだ?」
そう思った俺は、スキル『森羅万象の瞳』のみを発動させる。
すると、右目にやさしい暖かさが広がっていく感覚があった。
アイテム『魂喰大鎌』
レア度:OR(FR)
説明
冥王ギステルスの持つ双鎌。それは見るものに等しく恐怖を与える。
この武器のためにのみ作られた鉱石『黒銀』を鍛冶の神『ヘストパイア』が加工したもの。
聖属性を持つ者に補正極大。
え?なにこれ。
突っ込みどころが多すぎて突っ込めない。
いうなれば出川哲郎とか、上島竜平とか、そんな有名なボケの人たちを100人くらい集めて一斉にボケさせたような感じ。
わけわからないよね。うん、俺もわけわからない。
そんぐらいテンパってるってことだ、察してくれ。
「・・・んぅ。」
呆然自失としている俺の耳に、人のうめき声が聞こえてきた。
その先に視線をやるが、すぐさま目をそらしてしまった。
なぜなら―
「なんでこんなとこに全裸の女の子がいるんだよォーーー!」
そう、全裸の女の子。マッパの女の子。生まれたままの姿の女の子。一糸まとわぬ女の子。
一瞬しか見なかったが、龍人の見立てでは高校生位、つまりは自分と同い年くらいの少女が、見えちゃいけないところが丸見えな状態で地面に寝そべっていた。
「おかしいよぉ~。なんかこの力手に入れてからまだ3時間しか経ってないのに、その3時間が濃厚すぎるよぉ~、ラードオンリーのスープで作られたラーメンぐらい濃いよぉ。」
もうすでに軽く涙を浮かべながら、所謂orzの姿勢で嘆く龍人。しかしラードのみのスープ、聞いただけで胸焼けしそうである。
龍人からすれば悲壮感タップリだが、第三者の視線からすれば滑稽この上ない状態だった。
ひたすら地面に向かい、嘆く少年。
抉れた地面の上に転がる少女。
ヤバげな雰囲気全開の鎌×2。
まったくもって滑稽この上ない。
この場で最初にアクションを起こしたのは、意外や意外。なんと地面に寝そべっていた少女だった。
「んん、ここは・・・。」
未だに意識ははっきりとはしていないのだろう、開き切っていない瞳を、しきりにこすっている。
少女のその声を聴き、龍人ははっとした。
この状況、大分ヤバいのでは?と。
今の状況を説明すると・・・
少女全裸→龍人orz。
大分ひねくれた解釈になるが。
少女を襲おうとしたものの、その直前で改心した男が近くで懺悔中。
そんな解釈ができなくもない。
何故なら、少女が全裸だから。
只それだけの理由で、人間は死ねる(社会的に)。
龍神の神格を手に入れた龍人が、情けなくガクブルしていると、不意に少女が口を開く。
その内容は、誰も―とはいってもこの場には龍人しかいないわけだが―想像しなかったことを。
「やぁ~~ん、ごッ主人様ぁ~~!」
これは私の心の叫びだ!とでも言わんばかりの声量で、確かに、そう言った。
そう言って、抱き着いた。
龍人に。
背後から。
裸のままで。
みっともなくガクブルしていた龍人に。
その事実を、龍人の目玉が画像として確認し、脳みそが理解するまで結構な時間を要した。
一度、龍人は少女から視線をそらし、改めて少女を見やる。
その目線の先には、確かに少女がいた。
あえて訂正するなれば、飛び切りの美少女が。
つぶらな瞳に、すっとした鼻。
これでもかと言うほどに整った形をした小さな顔。
少女から漂う甘い香り。
それに、まるで墨汁を垂らしたかのような黒髪は一瞬だが、なぜかギステルスの鎌を思い出させた。
その上、抱き着かれたときからずっと背中にあたっている胸。
驚くほど豊かなわけではなく、かといって貧相なわけでもなく、なんというか、簡単に表すならばちょうどいい大きさ。
そんな双丘が今、自分の背中で形を変えながら、押しつぶされている。
抱き着いてきたうえに、まるで愛しい恋人を相手するかのようにスリスリとすり寄ってくる。
龍人の思考は、ウイルスに侵されたPCのごとく、機能を停止させていた。理解不能の4文字と共に。
それでも、何とか言葉を絞り出す。
「え、ええと、君は誰、なのかな?」
とぎれとぎれに、そういうのが今の龍人には精いっぱいだった。
「え~?私?フフン、ご主人様は鑑定使えるでしょ、さあ、それで私のことを隅から隅までのぞいてぇ。」
俺の問いに恍惚とした表情を浮かべながらそう答える少女。その表情に戸惑いつつも、言われたように、鑑定を使う。
すると―
冥王「ギステルス」
称号:冥王、死者の王
HP:∞
MP:EX+
筋:EX+
知:全智
運:S
職業:冥王
固有スキル:一触即奪、命操、アンデッド・カーニバル
スキル:魔眼「真理の瞳」、不死
「え?ギステルスってさっきまで俺を追いかけてた・・・」
そう、その名は今さっき自分がスキルを使って消し飛ばしてしまったはずの―
「イエース、私が冥王ギステルスだよ。今日からよろしくね、ご主人様」
災厄だった。
どうだったでしょうか?
設定と言うか、属性やらスキルについては次話でどうにかして入れていこうと思っています。
そんなわけで今後もよろしくです。