プロローグ1
他の方の作品を読んでいたら書いてみたくなりました。処女作&習作です。感想、ご指摘等よろしくお願いします。
ウェイルーン……ヒューマン、エルフ、ドワーフ、龍人、獣人と多種多様な種族が存在し、様々な事象を引き起こす力【魔術】が誰でも当たり前に使える世界。その世界の大国のひとつ『ルーフェリア魔導国』はヒューマン至上主義、魔術至上主義を掲げた大国である。その王都ルーファリスで今、世界を揺るがす一人の男子が生まれた。しかしまだ誰もそのことに気づいてはいない……
その男子はルーフェリア魔導国の四大貴族のひとつ、グランドール家の長男として産まれた。その髪の色は銀髪で、親族一同歓喜した。魔術至上主義であるルーフェリア魔導国においては魔力=その人物の価値とされ、高い魔力を持つこと自体に重要な意味がある。そして、その後の努力等で例外は多々出てくるが、一般に金や銀といった明るい色の髪を持つ者は高い魔力(魔素保持量)を持つとされるからである。実際にアインスレイと名付けられたその男子は成長するにつれ、比類なき魔力を持つようになった。しかし同時にある重大な欠陥があることが判明する。彼は世界でただ一人魔術が使えなかったのだ。
ここで魔術について説明する。世界には魔素と呼ばれる一般的には不可視のエネルギーに満ち溢れ、有機物、無機物問わず全てのものは魔素を内包している。魔術とは人が内包している魔素の一部を放出して大気中、つまり世界の魔素と混ぜ合わせ、自身の望む事象を引き起こすことを言う。この時放出する魔素が魔術の威力に関係しており、大きな事象を起こしたければその分魔素を放出しなくてはならない。しかし全ての生物は魔素が枯渇すれば生きることができないため放出できる魔素には限りがある。だからこそ放出できる魔素が多い高魔力の持ち主は重用されるのである。
また、魔術には地、水、火、風、光、闇の6属性が存在し大気中の魔素との混ぜ方によってどの属性になるかが決まる。人によって得意な混ぜ方が変わり、得意な混ぜ方以外を行うのは至難のため大抵は2属性しか使うことができない。
アインスレイは高い魔力を持つ。しかし彼は魔素を放出することができない特異体質の持ち主だった………
補足:魔力=MPだと思ってください。