俺の人生の転機。3ページ
「…………は?」
俺は思わず白羽に問いかけていた。茶髪の、さっき絡まれていた子と、紺色の髪の、さっき暴れていた子が、同一人物?
「信じてない……よね」
信じれる訳無いだろ。まず姿形が全然違う。実は双子です。とか、そう言う方がまだ信じれる。第一、何で俺にそんな事話すんだ?俺はさっきまで、白羽とは面識なかったはずだが。
「とりあえず、その優香さんって人は、二つの姿があると考えればいいんだろう。今はお前の話を全部聞くよ。信じる信じないは、そのあとだ」
俺はそう言った。白羽は、その言葉を聞くと、途端に安心した口調で話し始めた。
「ありがとう。それで、その子のことはとりあえず、二重人格みたいに考えて欲しいの。あの子はね…恐怖や怒りって言う、いわゆる『負の感情』が、抑えられない程膨らんじゃうと、あんな風に豹変して、周りの物を破壊しちゃうんだ」
「感情が、抑えられなくなる?」
「うーん、感情の暴走って言った方がいいかな?とにかく、暴走すると大変で、今まであの子が倒れるまで放置するしか無かったの」
白羽はそこまで言って口をつぐむ。一方、俺は白羽が言ったことを理解しようと、必死に頭を働かせていた。
同一人物を二重人格と置き換える。うん。ここは無問題、ノープロブレムだ。
次、負の感情が抑えられなくなる。…これは一体どう言うことだ?感情ってのは物事や他人に対しての、嬉しいとか悲しいとかの事だよな。その感情が抑えられなくなって、暴走する……………これはあれか?グロテスクなシーンやショッキングなシーンを立て続けに見て気絶してしまうとか、嫉妬とかに呑まれて発狂してしまう。と言うもののように考えるべきか?だとしたら何となく分かる。
つまり、恐怖や怒り、嫉妬や焦りなどが、本人の精神限界を越えてしまうと、もう一人の人格が現れて、周囲の物をあの怪力で破壊していく。と。
で、最後。その、紺色の髪の子になっている状態。これはいわゆる『暴走状態』。で、今まではこの暴走状態になると、本人が倒れるまで放置するしか無かったと。……ここはまだ分からないや。
分からない時は、人に聞くのが一番だ。
「なぁ。最後の、暴走すると大変ってくだり、詳しく説明してくれ」
何時の間にかベッドの側にある丸椅子に腰掛けている白羽に、俺は続きを促した。
「うん。でも。詳しく言いようがないんだけれど。
あの子が暴走状態になると、何でもかんでも壊しちゃうでしょ。それで、暴走を何とか止めようとする人達もいたんだけど」
…あの怪力に近づこうとするのか…命がけだな。
「まずあの子に近づこうとしても、近づけなかったの。近づく物は反射で壊してるみたいだし。」
近づけばあの拳で黄泉送り。ね。
俺がそんな事を考えていると、白羽は椅子に座り直し、顔の前で手を合わせ、器用に片目をつむりながら、俺に向かってこう言った。
「それで、ここからが本題なんだけど、えーっと、朝道君。優香のお守りをやってくれない?」




