俺の人生の転機。2ページ
目が覚めると、そこは保健室だった。
…あれ?俺いつ保健室に来たっけ?白い天井を見つめながら、俺はさっきまでの事を思い出そうとした。
そう、確か俺は、藤田と建にジャンケンで負けて、購買で買い物をしたんだ。で、戻ってくる途中でーーーー
「あっ、起きたの?ゴメンね、起こしちゃって」
俺が記憶を辿っていると、カーテンが開いて女の子の声がした。誰だろうか、俺は腕に力を込めて、上半身を起き上がらせようとした。
「っ!」
その時、左腕に激痛が走った。見てみると、ギプスの様なもので固定されている。
「あっ、無理しない方がいいよ。先生の話だと、折れてるみたいだし」
そうやって顔を上げると、目の前にいたのは、俺と面識なんてない人物だった。
「しろ…はね…?」
白羽 愛香。
俺の学校で、入学式の時から人気の女子。
真っ黒のショートヘアー。目は一重なのに見惚れてしまう整った目立。スラリとした体型の、美人さん。でもおかしい。ファンクラブの存在があるらしいとか言われていて、クラスの奴の話だと、野生の雀に懐かれてただとか、声をかけるのも躊躇う程清らかなオーラを身に纏っているとか囁かれている白羽が、なんでここにいるんだ?
「よかったぁ、起きてくれて」
そう言いながら白羽は、カーテンを閉めて、俺が乗っているベッドの傍に近づいた。
「ちょちょちょっと待った!なんなんだこれは?」
「質問になってないよ。ちゃんと質問には答えるから、落ち着いて」
ベッドに腰かけ、ゆっくりと俺に話して聞かせる白羽。
…その後少しして、俺はゆっくりと口を開いた。
「なんでお前が保健室にいて、俺の目の前に居るんだ?」
「それは後で。ハイ次の質問」
「どうして俺の腕が折れている?」
「あの子が『叩いた』から。ハイ次の質問」
「どうして俺は保健室にいるんだ?」
「破壊された踊り場に倒れていたから。ハイ次の質問……ってより、私が色々と説明したほうが早いか」
白羽はそう言って立ち上がる。つか、お前が説明するならさっき質問させていたのはなんなんだ。そんな俺の考えなど知らず、白羽は俺に、
「ところで、一年三組の橘 優香って、知ってる?」
質問してきた。
「いや…知らないが」
俺がそう答えると、白羽は「そっか~」と頭を掻いた。その後、「そうかそれは予想外だった」とか呟きながら携帯をいじりだした。そしてその後、携帯の画面を俺に向けて
「この子なんだけど……知らない?」
と、少し心配そうに聞いてきた。
えっと、白羽って、こんな性格なのか?噂と全然違う気がする……。
そう思いながら俺は画面をみた。
そこには、茶色のボブカットで、可愛い顔をした女の子が写っていた。ってこの子は
「さっき階段のとこで絡まれてた……」
白羽は俺の反応を確認して、再び携帯をいじりだした。その時何故か悔しそうな顔をしていたが、気のせいだろう。気にする事じゃない。
「で、次は、この子。後ろ姿でわかりずらいけど…」
俺はもう一度携帯の画面をみた。後ろ姿だし、遠いし、本当にわかりずらいが、腰を超える程の紺色の髪を見て、俺は写っているのが誰だか分かった。
「さっきまで、踊り場にいた……」
あのコンクリに穴を開けていた女子だ。何で白羽は、こんな写真(写メだが)を持っているんだ?そして何で俺に見せたんだ?
「この子の名前も橘 優香。とにかく信じて欲しいんだけど、さっき見せた茶髪の子と、この藍色の髪の子は、同じ人間、同一人物なの」
まっすぐに、俺を見ながら、白羽は言った。




