彼女の豹変への対策。14ページ
「お前っ!なんでいきなり……!」
茂みからいきなり出てきた健。こいつ、何時からいたんだよ⁈
「なんだよ木陰。今日も白羽さんと橘さんに呼ばれてるからついて来てみれば、今度の土曜に二人と遊ぶ約束をするだなんてよぉぅ!」
「何ついて来てんだよっ!」
バシバシと陽気に肩を叩いてくる健。だが俺は内心焦ってしまう。盗み聞きされていたと言う事は、橘さんの事も……聞かれた?
「なぁ、木陰」
俺がいろんな事を思案していると、健は俺の肩に手を掛けて、どんな人でもイラっと来るドヤ顔でこう言った。
「お前、二人と遊ぶ約束をしていたが、どこで遊ぶのかは決めているのか?」
無意識の内に健の顔面に叩き込もうとしていた拳が、空中で静止した。
しまった。勢いで遊ぶ約束をしたはいいが、どこで遊ぶかなんてこれっぽっちも考えていなかった!
俺が反応を示さないでいると、健はやれやれと言う様に首を振る。そしてその後、安心しろ。とでも言いたげに俺の肩にポンっと手を乗せた。
「大丈夫だ木陰、少し南の方になるが、保灯駅の北口の近くに、そこそこの大きさのボーリング場があるんだ。ボーリング場の中にはゲームセンターもあるし、その隣には喫茶店もある。遊びに行くのなら、ここなんかどうだ」
再びイラっと来るドヤ顔で、健はそう言って来た。だが俺は今回も殴らない。さっき振りかぶった時、左腕がいたんだ事もあるが、健の提示した場所は、確かに良い所だったからだ。
「……健、お前なんで」
「そりゃ、俺も参加するからなっ!」
「はぁ⁈」
今度は満面の笑みで、健は言った。
「お前だけ両手に花で遊びに出掛けるとか、理不尽過ぎんだよ。だから俺も付いて行って、美人二人と街を歩くのさ」
底なしの欲求をぶつけられても正直困る。第一、お前とあの二人の接点なんて、昨日の屋上くらいのはずだ。おもわず溜息がでてしまう。
「あのなぁ、両手に花って言うけどな」
「なんだよ、白羽さんと橘さんと遊びに行くんだろ?それとも何か?両手じゃ収まらないほどの美女を連れ歩くつもりか?」
「そんな訳ねぇよバッキャロロォイ!」
そうだとしたら俺はただの垂らしじゃねぇか!
……でもまぁ、あれだ。言われて気付いた。確かに、両手に花と言えなくない状況だ。
そうと分かった瞬間、俺は妙に気恥ずかしくなり、これは健を連れてった方が良いのでは?と考えた。だが……
「それに、場所を提供したのは俺だし、大人数の方が楽しくなるし、俺は二人と面識あるしな。ついて行っても問題ねぇだろ」
「……本音は?」
「お前が凄く羨ましい。俺も美女と街を歩きたいし、あわよくばお付き合いを……と考えている。だから俺を連れてってくれ」
健の意思がこれでは、一人で行った方が良いのでは?と思ってしまう。




