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Episode1 主人公、悩む。




「うわぁ…どうしよ、マジで……」



 ディアナは今、転生して手に入れた第二の人生の最初の難関に迫っていた!!



(この世界が物語の中の世界なのか、物語の中のゲームの世界なのか分からないじゃん、全くと言っていいほど!)




✳✳✳✳




 説明しよう!


 本作の主人公、月雲巳奈改めディアナ・アステリアちゃんは、前回前世の記憶を取り戻す。


 そして自身が、主人公が乙女ゲームの悪役令嬢に転生し、破滅フラグやら死亡フラグやらを回避していくのだが、それをよく思わない乙女ゲームの方の主人公が悪役令嬢に転生した主人公をはめ処刑するが、その悪役令嬢に転生した主人公はなぜか過去に戻っていて、自分をはめた乙女ゲームの方の主人公を断罪という名の復讐をするために駆け回るという『私は世界を取り戻す』という物語のなかの乙女ゲームの主人公の方に転生したことに気づいたのだ!


 そう、今彼女が知っておきたいことは、ここはその物語の中の世界なのか、それともその物語の中の乙女ゲームの世界なのか、といういうことなのだ!


 自分が今いる世界が分かれば、自分の身の振り方も分かる。自身の死も回避しやすくなるかもしれない。一方で、その情報がない状態で迂闊に動いてしまうと危険だ。最悪の場合、自身が破滅する。



 頑張れ、ディアナちゃん! 作者は君を応援している!




✳✳✳✳




(といっても、今すぐこの世界がどっちか解明できるすべはないんだよな…)



 今、最も手に入れるべき情報とは、ここがどこの世界かという情報だ。それがなければ、むやみに動くわけにはいかない。



(いや、待てよ? そういえば主人公のニアって、14歳の誕生日に転生して、人生2週目でも同じ日に転生していなかったっけ? 物語の描写では転生した当時の反応がだいぶ違っていた。だったら、ニアの誕生日までにそこにいって反応を見ればいいのでは…?)



 いや、確か主人公の家ってだいぶ位が高い貴族の家だった気が…。平民の私がお貴族様の家行って、「ここで働かせてください」といってもきっと、いや、絶対門前払いだ。


 じゃあ一体どうすればいいんだろう。平民がだめなら…。



(あ、そっか、()()じゃなければいいんだ!)






◇◇◇◇






 主人公ニアの今の年齢は12歳。私、ディアナは彼女と同じ年という設定だったからすぐに分かる。


 タイムリミットは2年。2年後のニアの誕生日までにそこにいって反応を見れば、情報を手に入れることができる。またそれまでは、「ニア」物語は始まらないはず。


 それまでに私が何をするか、それは……。




 ドン、とそびえ立つ大きな扉。

 ゴクリと唾を飲み込み、力いっぱい両手で押し開ける。

 その瞬間、辺りに騒がしい声が響く。酒場も隣接しているためか、食事をしている冒険者が多い。打ち上げだろうか。昼間から飲んでいる酔っぱらいがいるが、もう半分以上は眠り始めている。



「いらっしゃいませー! って、あら? 子供? どうしたの、こんなところで」



 受付嬢のキレイなお姉さんが話しかけてきた。



「こんにちは、冒険者登録をしに来ました」


「……あなたいくつ?」


「12です」


「……一応年齢確認できるものをもらってもいいかしら? 」


「はい、大丈夫です」



 疑いの眼差しを向けるお姉さん。よく見ると、この人はすっぴんだ!



(私、とっくのとうに12歳なんだけどな)



 ディアナは懐から自身の分析晶、いわゆる免許証や学生証に近いものを取り出した。


 それをお姉さんに預けると、奥に引っ込んでいった。




 そう、皆さんお気づきの通り、ここはギルド。


 この国では、12歳からギルドにて冒険者登録ができる。だから、あるダンジョンにある宝を手に入れるために登録しにやってきた。


 その宝については…また後で説明しましょう。





 しばらくしてお姉さんが帰ってきた。なんだかものすごい衝撃を受けた顔をしていた。



「あなたって本当に12歳なのね…。てっきり10もいかないぐらいだと……」


「すみません、童顔なんです」



 雑談をしながらその他もろもろ、サインをしたりなんだかんだして、粗方雑多が終わった。





「はい、冒険者登録できたわ。これのどれか1つを受け取ってちょうだいね」 



 そう言って、目の前に大きめな箱を持ってきた。その中は2つの物が入っていた。


 1つは白い紐。真っ白で美しいこの紐は、ランクが上がることに色が変化する。ギルドのマークが刻まれた金属チャームもついていた。


 もう一つはバッジ。バッジは小さめでも、簡単には取れず壊れず耐久性に優れている。刻まれたギルドのマークの色が自身のランクを示している。



「じゃあ、これをいただきます」


 そういってバッジを受け取る。



「このまま任務を受注しますか?」


「はい。いくつかよい任務はありますか?」



 ダンジョンに潜るためには、ランクがCは必ずないといけない。


 さあ、お宝を手に入れよう!




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