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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
第3章 夢と浪漫の闘争競技 マイナーリーグ編
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第12話 武器製造

 風呂から出て来た3人は工房で試作武器を眺めるモルトと合流した。


「お待たせ! 今戻ったわよ!」

「なげぇよ……まぁ俺様もじっくりここの見学をしてたんだがな」

「女の子のお風呂は長いものよ? で?マロン、イデア?今から何するの?」


 振り返り作業着を着た姉妹は……


「データも戦い方も聞いたからいよいよ製造に入るで? ティナ姉ちゃんの身体能力ならウチら姉妹の浪漫全部乗せても大丈夫なはずやからな!」

「はい!既に完成図は出来ます!」

「えっ? 完成図!見せて見せて?」


 マロンがニヤニヤしながら殴り書きしていたイラストをフォルティナとモルトに見せる。


「これや!」


 そこには棒と刃が別々に描かれていた、明らか未完成の斧であった。


「これ……くっついてないけど……」

「いいえ……これが完成系です……ですが完成はしていません」

「どう言う事だ?」


 モルトもイラストからでは理解できなかったようだ。


「この斧は分解と合体が前提の武器って事や! 格闘術を使う為に刃は盾に柄は縮めて腕に填めて両手を使えるようにする!」

「そして……柄を伸ばして棒に、盾と合体させて斧にもなります……それ以外にも【伸縮魔法】を組み合わせると選択肢は増えますね……」


 2人の説明を聞きモルトは1つの不安を話す。


「そんな武器を馬鹿のこいつが使いこなせるとは思えねぇんだが……」


 そんな事を言われたフォルティナはモルトを睨みつけ威嚇する。


「何ですって〜! もっぺん言ってみなさいよ!」

「馬鹿は事実だろうが! ばーかばーか!」

「よく言ったわね! その頭の髪の先端を開いて汚い花を咲かせてやる!」

「まぁまぁ! 落ち着いて〜な!2人とも……あとそこも大丈夫や」


 モルトに殴り掛かろうとするフォルティナをマロンが手を前に出しながら場を収め説明に戻る。


「まずモルト兄ちゃん?ティナ姉ちゃんは馬鹿やないで?」

「いやいや馬鹿だぜ? 観光地でオススメを注文してカモられるぐらい馬鹿だぜ?」

「まだ言う? ほんとそう言うとこ直した方が良いわよ!」

「まぁ落ち着きティナ姉ちゃん 頭が良い理由やけど……まず戦闘IQが高い これは【伸縮魔法】を使うタイミングを相手の行動に合わせて使ってる話を聞いて瞬間的な判断力が高いって考えた……次に発想力や! ティナ姉ちゃん自身がなんにも知らんからこその発想力……【伸縮魔法】みたいな収納系魔法を攻撃魔法に置き換えて考えるとこがそれや……この2つから戦いに関してなら天才の域にあるとウチらは思うで?」


 モルトは顎を揉みながら、ランブルでのフォルティナの戦い方に状況判断力を思い出し……マロンの説明に納得したような顔を浮かべていた。


「なるほどな……だからこその未完成の武器か……」

「ティナさんの1番の強さはその身体能力の高さですが次いで状況判断力の高さは絶対に武器になります……今までは斧に縛られた動きしかできなかったのでは?」


 フォルティナは腕を組みながら目を閉じて険しい顔で下を向いたり上を向いたりして記憶を辿った。


「確かに……斧を握ると格闘術が使えないから小回りに困る場面もあったわね……後は格闘術を使ってると瞬間的に斧を構えられないから【断崖絶壁】も使えないし……」


 それを聞いたイデアは考えが確信に変わり自信を持った顔で告げる。


「だからこその未完成の斧が良いはずです……」

「そう言うこっちゃ! ほな早速作っていくで!」


 ガンテツ姉妹がゴーグルを装着し作業に取り掛かり始める……マロンはキーボードに情報を入力し必要パーツを作成……イデアは出て来たパーツの性能チェックを行いはじめた。


「アタシ達は何すれば……?」

「せやな〜ご飯でも作っとってもらえるか?」

「飯だと?俺様は苦手だ お前作れるか?」


 モルトは即答しフォルティナに任せようとした……だがこちらは田舎育ち故に……


「当たり前でしょ? 作れるに決まってるじゃない! 何アンタ? 作れないの? だっさ」


 愉悦感に浸りながらモルトに煽ると


「は? 苦手とは言ったが作れねぇなんて言ってねぇし!」

「なら勝負ね? どっちの料理がマロンとイデアを唸らせる事ができるか勝負よ!」


 モルトがスカジャンの腕をまくりながら腕を回して答える。


「良いぜ? ならこの家から出たらスタートだ……」

「良いわ? 実力の差を思い知らせてあげる」


 そう2人は家を出て買い物に向かった。


――――――――――――――――――――――


「イデアこっちのパーツ調整頼むわ!」

「分かった……あとお姉ちゃん……こっちのパーツ……安全装置忘れてるよ……」

「あ! まあええやろ……いらんいらん」


 2人が買い物に出掛けている間、マロンとイデアは未完成の斧を製造していた。

 マロンがパーツの形を出し、イデアが細かく整え2人で組み立てていた。


「刃は円形やなくて先端だけ切先を伸ばしとくか……何かに使えるやろ?」

「パワーに耐えれるだけの……強度にしてね……」

「大丈夫や! 親父の持っとったよう分からん硬い鉱石を素材にパーツ作ったから! あとは柄と刃は両腕にくっつけるようにせなな?」

「そうなると防具は邪魔だね? ティナさんなら防具なしの方が動きを阻害しなさそうだし……」

「せやな……なら刃にちょっとしたギミックを仕込むか……」


 時折安全性を無視した言葉が飛び交っていたが魔具をフルに稼働させながら作業をし続け2時間で斧?が完成した!


「「「「出来た!」」」」


 マロンとイデアの声以外にもキッチンからフォルティナとモルトも料理が同時に完成したようだった。

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