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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
第2章 観光都市ランブル編 憎悪を超える愛の歌
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第41話 新たな旅立ち

 事件から1週間経ち……フォルティナは退院して病院からモルトと共に外に出て来た。


「んー!! 久々の外は気持ち良いわね! お金も入ったしこれからどうしよう……」

「やっと街からも出られるな! 今回の事件でお前ランク上がったんだろ?」


 背筋を伸ばしていたフォルティナはR.O.Dを操作しモルトに画面に表示されたEランクの文字を見せつけてくる。


「ほら!ほらほら! Eランクよ! 凄いでしょ〜?この調子ならあっという間にアンタを超えちゃうかもね〜……ププッ!」


 そんなフォルティナの態度にモルトは頭の血管をピクピクさせながら


「力は俺様を超えてても考える脳みそが微生物並だと一生俺に追いつけねぇよ!! このガキンチョが!!」

「なっ!なんですってぇー!!」


 2人は顔を近づけ睨み合う! 短い息を吐いたモルトが先に顔を離しフォルティナに背を向けポケットから取り出した櫛でショートリーゼントを整え始める。


「ふぅ……まぁこれでお前とも最後だし許してやる! 全くやっとお前から離れられると思うと嬉しくて泣けてくるぜ!」


 ほっぺを膨らましながらプイッとそっぽを向くフォルティナ。


「えぇ!ほんと! ようやくアンタみたいな子供頭の嫌味な馬鹿と離れる事が出来ると思うとせいせいするわ!」


 お互い若干の寂しさを感じていた、それを隠す為に2人は嫌味を言い合うだけで顔を合わせない……そんな時……


「おーい!! モルトさ〜ん!」


 1人の男性が走って近づいてくる、フォルティナはドレッドベアー討伐の時に立っていたバルジと一緒に居た保安官だと思い出した。


「あら?アナタは!」

「あぁ! お嬢さんには名前言ってなかったでしたね? 私はヤンバル……ヤンバル・バーンって言います! 先の事件ではお世話になりました!」

「これはご丁寧にどうも……アタシはフォルティナ・ロックス……お世話になったって……アタシは戦ってただけだからなんにも……」


 ヤンバルの感謝にフォルティナは戸惑う、バルジとは一緒に戦ったがヤンバルとはあまり接点がない為、褒められたことは嬉しいがどう返したら良いか分からなかった。

 やって来たヤンバルにモルトが手を上げながら近づき声を掛ける。


「お〜ヤンバルじゃねぇか? どうしたよ? まだ平日だぜ? 仕事は? 休みか?」


 相当走って来たのだろうまだ息を切らしながらモルトに答える。


「いえ! 保安局はクビになりました最後にあなた方に挨拶しようと入院中のバルジから本日退院と聞いたので走って来まして……間に合って良かったです!」

「そっかすまねぇな〜わざわざ来てもらっ……て!?クビ!!?」


 モルトはヤンバルがサラッと流した前半の言葉に目玉を飛び出すぐらいの衝撃を受けた!フォルティナもクビという言葉を聞いて目を見開き驚いている!


「お……おいおいまさか……あの一件とかあの一件が原因じゃねぇよな……?」


 モルトは事件で一緒に行動した時のエイラケーテンを無断で持ち出した事、無免許で危険運転をした事を思い出しながら恐る恐る聞く。


「恥ずかしながら……はい……」

「ちょっと!!アンタ何したのよ!!!」


 心当たりがあったモルトの反応と質問にヤンバルの返答を聞いたフォルティナは絶対モルトも一枚二枚噛んでるであろうと考えモルトに詰め寄った!


「い……いや……あれは……緊急……事態だったし? こいつが大丈夫って言ったからぁぁぁ!」


 モルトは汗をダラダラと流しながら必死に弁明している、ヤンバルも怒るフォルティナをまぁまぁと諌める。


「お嬢さんそんなにモルトさんを責めないでください あの時はああするしかなかったんです……」


 そうフォルティナを諌めるが下を向きながら悲しみに暮れているヤンバルを見てフォルティナはジト目になり肘で隣のモルトを小突き小声で何があったのか聞いてみた。


「ほら! 何があったのか言ってみなさいよ!」

「あー……この前あの夫婦が来ただろ? あの車で行きは奥さんが運転して帰りはこいつに運転してもらったんだが……運転免許……つまり運転する資格がないのに運転してしまってだな……あとはお前も世話になった槍? あれを資料館からこいつが大丈夫ですって言って俺たちは勝手に持ち出したんだよ……」

 

 モルトの説明を聞いたフォルティナは鬼の形相でモルトに吠える!

 

「やっぱ! アンタも噛んでるじゃない!!」

「ひぃ!!」


 モルトはフォルティナの初めて見る形相と剣幕に情けない声を出す。

 そんな2人をよそにヤンバルは開き直った笑顔で話を続ける。


「本当に気にしないで下さい! 元々私は保安官に向いてなかったんでいつかは辞めようと思ってたんです……最後に愛するこの街を皆さんと一緒に守れて本望って思ってるぐらいなんですから!」

「でもお前さんよ? これからどうすんだ? アテでもあんのか?」


 自分の責任でもある為モルトは心配しながらヤンバルに今後どうするか尋ねた。

 するとヤンバルは目を輝かせながら語り出す。


「この間の事件で初めて運転したんですけど……あれが凄く楽しくてですね〜 調べたら帝国に車を使ったレースがあるらしいのですよ! 私は帝国に行って免許を取ってレースに参加しようと思ってます! まぁどこかで働きながら試験代にレースの参加代を稼がないといけませんが……」


 後半、顔が暗くなりながら話すヤンバルを見たモルトはある決心をしてヤンバルに語り掛ける。


「おいヤンバル……R.O.Dを出しな?」

「えっ? あぁ? 連絡先の交換ですか?」


 モルトとヤンバルはR.O.D出しあうがモルトは連絡登録の画面を開かず別の画面を開いていた。

 それはR.O.D内のゴールド画面だった、ヤンバルがR.O.Dをモルトに向けるとその上からR.O.Dをかざす……


 ――ピコーン――


 そんな音と共にモルトの今回の依頼で得た多額の報酬を全額送金し、フォルティナとヤンバルを置いて歩き出す……


「えっ!? ちょっとモルトさん! そんな困りますよ!」


 慌てたヤンバルが振り返りモルトにお金が欲しかったわけじゃない事を説明しようとするが……歩き出したままモルトは振り返らず手を振りながらヤンバルに告げる。


「あの事件はお前がいなきゃ絶対解決出来なかった! お前はその報酬を受け取れるだけの価値ある行動をした真の英雄だよ? なのに報われないのはおかしいだろ? それは取っとけ また会った時にでも一杯奢って返してくりゃ良いからよ? じゃあまたな? 連絡先もついでに送っておいたから……」

「モルトざん……ありがどうございまず……!」


 ヤンバルは泣きながらR.O.Dを握って感謝していた……その光景を見たフォルティナも小さく笑いながら


 ――ピコーン――


 ヤンバルのR.O.Dに報酬の全額を送金しモルトを追いかける!


「お嬢さんまでそんな!!」

「良いの! あの槍がなかったらみんな死んじゃってたのは本当だもん! あなたこそ英雄よ! レース頑張ってね!」

「ありがとうございます!!」


 涙を流すヤンバルを置いて2人は歩き出す……モルトがフォルティナに呆れた表情で聞く。


「良いのか?お前また0ゴールドなんじゃ……」

「良いの! あの人はこの街を愛して守った英雄の1人なのに全てを失うなんておかしいわよ! 折角ならさ!みんな揃ってハッピーエンドがいいじゃない! アタシは冒険者だし……また稼げば良いだけよ!」


 ふんふんと鼻歌を歌いながら隣を歩くフォルティナにモルトは笑いながら話す。


「はは!良いねぇ!! 金より愛ってか!! ところでよ……お前お金が無いんだったら良い場所知ってるんだが一緒に行くか?」

「どこ?」


 モルトはフォルティナに顔を近づけ指を立てながら行き先を告げる……それはここからさほど離れていない場所だった。


「中立都市フロンタイタス! 力自慢が集う闘争競技の盛んな街だよ! そこで俺様達2人で稼ごうじゃないか! ちなみに安心しろ? ちゃんと合法だ〜」

「力自慢!! 闘争競技!? お金稼ぎが合法! 行く行く〜」


 モルトの話した内容全てに興味が湧いたフォルティナは目を輝かせながら喜びついていく事を決めた。


「よ〜し! なら俺様に着いてこ〜い!」

「お〜!」


 2人は腕を高らかに振りながらフロンタイタスを目指す。

 愛はお金じゃ買えないが生きる為にはお金が必要なのだ! 特に冒険者には。


 そして今回の騒動は数年後新たな劇として公開されることになる……【憎悪を超えた愛の歌】として……

ここまで読んで頂きありがとうございます!

もし面白いと思って頂けたら

評価とブックマークをよろしくお願いします!


ここで2章が終わりです!ここまで見てくれてありがとうございました!次回から3章!闘争競技編に入ります!あれです!闘技大会のスポーツ版みたいな話だと思って下さい!

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