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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
第14章 天魔大戦 滅びの未来編 2
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第23話 心の支え

 王国は解放された。

 捉えられていた市民たちや怪我をした連合軍たち、街の外の人々はサーシャ率いる帝国軍に保護されたようで、アタシは一度ノアの方舟で共和国方面へ戻る事になった。



 王国の方はサーシャが任せろって言ってくれたからね。

 それにテラフォーミュラーを使った通信形態を構築するために、技術者がここに残った方がいいって事らしい。

 戦力もあって、技術力もある。デタラメだよねほんと……。



「で、モルトたちはアタシについてくるわけだ」



 船に乗り込んで、操縦席で行き先を設定しながら背後を振り返るとモルトを始めとするアタシの仲間たちにスコープとカラジャ6人が居た。

 


「ったり前だろうが。向こうにいても俺様達に出来ることなんざないからな。どうせだったら戦力が乏しい方に向こう方がいいに決まってんだろ」


「せやせや! それに未来のノーラ姉ちゃんも見てみたいしな〜」


「ね〜。お姉ちゃん」



 この3人と来たらなんて自由な……。

 でもなんだか嬉しいな。こっちに来てから張り詰めたことが続いてたから……。なんだか安心するよ。

 


「だが、私は未来の自分と会ってもいいのだろうか……ほらタイムパラドックスとか……」



 だけどノーラは未来の自分に合うのが不安なようだ。

 タイムパラ……なんちゃらってまた本か何かで知った知識を語ってるけど……。

 


「なんや。そないな事かいな。それやったら天火大帝。あれは未来のイデアなんやろ? やったらウチらの世界でイデアは未来の自分と会ってるのに何も起こらんかったやん。大丈夫やろ」


「た、たしかに!?」



 これにはノーラもハッとしていた。

 イデアに関しては、なんだか微妙な面持ちだけどね。

 だって未来の自分がテロリストになってるんだもの。

 そんなイデアの頭に手を置いてグシャッと撫でてやる。



「や、やめてくださいよ〜」


「え〜。落ち込んでるっぽいから励ましてるんだけど〜」



 むーむー文句を言ってくるイデア。まあこれで少しは気が紛れるでしょうよ。



「にしても過去からゲストの仲間が助けに来るなんてな。これは団長に良い土産ができたな」


「ええ。間違いなく喜んでくれるでしょう。いやそれか泣いてしまわれるかも?」



 スコープもカラジャもサーシャの回復魔法ですっかり元気になっているようだ。

 この2人も王国より共和国側で動いた方が戦いやすいとのことで一緒に帰ることになった。

 まあこれまで一緒に戦ってきた仲間達の方が動きやすいわよね。

 あとエレオノーラにも報告しやすいし。



「にしてもよぉ。未来がこんなメチャクチャになってるなんてなぁ」


「ああ。たしかティナが言うには神が私たちを消そうと魔族を放ったんだったか?」


「うん……。でもそれが本当かどうかは分かんない。けど、何者かが魔族を操ってアタシ達を消そうとしていることだけは確かね。こっちの世界のイデアはそれに気付いたから神様の世界に殴り込みに行ったのかも……」



 帝国にあった時空間転送装置を奪ってまでね。



「その話ですが、なかなか面白いですよね」



 とイデアが話す。

 どこが? と皆が首を傾げたが――



「だって考えてみてくださいよ。この世界を作った神様が私たちを使って世界を整えさせるって……まるでコンピューターとか魔具とかR.O.Dに組み込まれたシステムみたいじゃないですか」

 


 システム? って確か操作したら勝手にいろんなことやってくれる機能だったわよね。



「確かにそやなぁ。魔族の言うウチらの事、汚染体やったっけ? 感情のバグやらなんやら言う取ったやんか〜。そう考えたら昔のウチら人間は感情のないロボットみたいな存在やったんちゃうか?」


「その可能性は高いな。これは王国人側からの話だが王国は伝統を重んじる国だろ? そんな国の貴族が感情を持たないことを美徳とする風習が残っていたんだから十分にあり得る」


「現に、帝国と王国は環境が整ったわけだしな。帝国は侵略という恐怖で統一、王国は感情の抑制で統一だから……。俺様達共和国は……感情に塗れてるせいで開拓が遅れてるってのもなかなか信憑性の高い話だよな」

 


 モルトの言う通り、共和国人は武人が多いって言うものね。武人が多い、つまり【絶技】を会得した者が多いってこと。【絶技】は感情の昂りで目覚めるし……。



「今のみんなの意見からしても魔族の言ってることは正しいって事よね……」



 アタシの言葉に皆が頷く。

 そうなるとアタシ達の本当の敵は魔族じゃなくて……神様ってこと?

 今のアタシも神様っぽい力はあるけど……これはあくまで偽物の力だしね。



「ここで考えても仕方ないや。神様関係だったらシスター達に聞いた方が早いよ」


「だな。だったら早い事この戦争を終わらせて帰んぞ」


「モルト、アンタこの戦争に参加するつもり?」


「当たり前だろうが、例え初めましてだとしてもこれから会う未来のノーラはノーラに違いねぇんだ。仲間だろ? 見捨ててなんかおけねえって!」



 珍しくかっこいいこと言ってるけど……みんなもそんなモルトに「よく言った!」とか言っちゃってるけど……。

 な〜んか引っかかるのよねぇ。妙にやる気というか……鼻の下伸ばしてるというか……。あ! 分かった!



「モルト……アンタ、未来のノーラに会いたいだけね?」


「ゲッ。な、なななんで、そう思うんだよ」



 この反応からして当たりね。



「だって〜? ノーラはアンタの好きなスタイル抜群の女の子だしぃ。でもアタシ達の世界のノーラはアンタからしたらまだ子供なんでしょ〜? じゃあ、大人になったノーラならアンタからしたら超絶ストライクゾーンの美人さんって事になるんじゃないかって思ったのよね〜」


「ほ〜……モルト……お前そんな目で私を見ていたのか……」


「サイテーやな」


「性欲魔族です。皆さん武器を構えてください、討伐しましょう」



 イデアの言葉に船に乗っていたみんなが武器やら拳を構えだした。

 モルトはタラタラと汗を流しているが……。



「ティ、ティナてめぇ……適当なこと言ってんじゃねぇよ……」


「知らな〜い。アンタの相棒なんだからアタシはそう感じたってだけよ。ドヘンタイ」



 な〜んてね。こういうノリが今のアタシからしたらすっごく心地いい。

 やっぱ持つべきものは友達だよね。

 そう思いながらアタシは船を共和国、ラングまで走らせた。

 ちなみにモルトは船の中でみんなから尋問され、正直にエレオノーラに会いたかったと告白してボコボコにされましたとさ。

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