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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
第13章 天魔大戦 滅びの未来編
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第22話 いざ紅龍へ

 アタシは今スコープと一緒にマインツ村周辺まで戻ってきていた。その理由は任務だ。

 エレオノーラから新たに与えられた任務は紅龍に待機しているガジェットと合流しろってものだった。



 紅龍。そう紅龍である。共和国の最東端にある筈の地域なのになぜマインツ村? そう疑問を投げかけたのはエレオノーラだった。

 村に行く事はアタシが提案した。なぜって? そりゃここには――



「あったあった。この廃教会よ。この世界にもちゃんとあって良かった〜」



 平原にある緩やかな丘を越えて、雑木林に囲まれたいかにもお化けが化けて出そうな佇まいの教会。

 ここには【偽神】専用の高速飛空艇――【ノアの方舟】があるはず。前にシスターから聞いてたからね。【偽神】の存在が居たんだもん。確実にあるはず。そう思っての提案だってわけ。



「あんな場所にお前の言う船があるって? んな夢物語が都合よくあるわけないだろ……」



 後ろからスコープが投げやりな様子で言ってきた。

 全くアタシの話を信じてないようね。まあここからアタシがしっかり活躍して全部信じさせれば良いんだけど。

 今回の任務はアタシとスコープの2人で向かうことになった。



 エレオノーラはラングの街を防衛しなきゃいけないし、キーパーは……。今は距離を置いておいた方がいいって判断だ。フェイに至っては未熟ゆえお留守番。

 まあ仕方ない人選だよね。自分のせいだけど。

 文句を垂れるスコープにアタシは言ってやる。



「どうせ歩いても5日以上はかかる距離なんでしょ? だったらここにある船を使った方が圧倒的に速いわよ。仮に無かったら到着までの時間が1日伸びるだけよ」


「つまり最悪とほでこっから紅龍までってか?」


「そういうことになるわね」



 はぁ……。とうんざりしたようなスコープ。

 まあまあ。そう諦めなさんなって。



「絶対あるから。今回は自信あるわよ」


「まあいい。これも団長の命令だからな。取り敢えずお前の言う事は信じてやる」


「思ってもないこと言っちゃって……。まあ良いわ。早く行こ」



 そうして廃墟に入ると中もアタシの居た世界と全く同じ物だった。ボロボロの礼拝堂、奥に神様をもした石像が苔を生やした状態で佇んでいる。

 その石像の前に立って静かに手を触れると、アタシの【神気】に反応したのかゴゴゴと引き摺るようにスライドして地下へと続く階段が現れた。

 下は真っ暗で視界が悪いけど、まあR.O.Dのライトを使えば問題ないよね。



「ど〜よ。こんな仕掛けがあったのよ? アタシの話に信憑性が増してきたんじゃな〜い?」


「ふん。ほんのちょこっとだけだがな」



 強がっちゃって。この仕掛けがあったなら間違いなく方舟はあるわ。

 R.O.Dでライトを照らして階段を下るアタシとスコープ。5分ほど進むとひたすら真っ直ぐ続く洞窟のような通路が続いた。

 突き当たりまで進むと扉が見える。

 木製の年代物と思わせるようなデザインだ。



 ここまで来れば流石のスコープも信じ始めたらしく。辺りの光景に興味深そうに眺めては口笛を吹いていた。

 扉を開けると――やっぱりあった。【ノアの方舟】。



「本当にありやがった。菱形の船が」


「だから言ったじゃん。絶対あるって。性能も本部で言った通りのものだから楽しみにしてなさいよね」


「ほう。それは中々胸をときめかせてくれるな」



 方舟に手を触れる。確か唱えるんだよね――



「主よ……アタシに天翔ける翼を与えたまえ――だっけ?」



 リトゥンが王国の教会で唱えてたのこんな感じだった気がするけど……。

 自信なさげに唱えたアタシを訝しげにみてくるスコープが言った。


 

「なんだよその自信無さげな呪文は……。勘弁してくれよ? お前のド忘れでやっぱ動きませんでしたってオチは……」



 い、いやだなぁ。そんなことあるわけないじゃん……。ないよね? ないって信じさせてぇぇ!

 神に祈り今の言葉が合っていることを信じた。それはもう神様今後アタシ賢く生きるから! って真剣にね?

 その甲斐あってか、ブゥン……。と方舟が少し振動し、光を発し始めた。 



「よ、よかったぁ……。合ってたよぉ」


「はあ、ここでこんなドキドキさせられるとは思わなかったな。よし入るぞ」


「おっけ〜ってなんでアンタが先に入っていくのよ!」



 先先入っていくスコープの様子から興味が優ったって感じね。30代でも男は男ってことね。こういう謎のメカとか大好きだもんね〜。

 モルトもバイキンジャーロボ好きだったわけだし……。



 アタシもスコープの後に続いて中に入る。

 まあ中はアタシの知ってる構造とまんま同じでコクピット、真ん中に地図を表示するためのホログラム台。後部には人を乗せるためのシートが備わっている。 



 アタシはコクピットに座る。すると、船が持ち主の帰りを待っていたかのようにモニターやら機会が起動し始めた。



 『偽神スルトの搭乗を確認。おかえりなさいませ』


「おぉ……。世界が違ってもアタシの中の【神気】はちゃんとスルト認定されてるんだねぇ」



 まあいいや。アタシは以前軽くレクチャーを受けた通りに操作していくと目的地を設定する画面が開いた。

 空いた四角の枠の中に縦線がチカチカ点滅している。

 ここに文字を打ち込めってことだったよね。

 慣れない手つきでキーボードを叩き『紅龍』と入力する。 



 『目的地設定完了。紅龍までの飛行時間は1時間です』


「1時間だと!?」 



 アタシの後ろからスコープの驚愕の声が響いた。びっくりしたなぁもう。いきなりそんな声出さないでよ。

 そうアタシはスコープを睨んだが、彼は意にも介さず続ける。



「ここから紅龍まで1時間とかまじでなんなんだよこの船。しかも喋ってるし。こいつはガジェットの野郎が見たら飛びつくように興味を示すだろうな」



 ガジェットさんは魔具とか好きなんだね。まぁインカム作るぐらいなんだ。それもそうか。

 アタシはスコープを無視して方舟を動かす。

 目的地は設定したしあとは飛行させれば良いだけ。まあボタンを押すだけであとは自動なんだけどねっと。

 スイッチを押して方舟が揺れ始める。これで完全に動き始めたことがわかる。



「さあ座ってね。かなり揺れるからさ」


「了解だ。悪かったな信じてなくて」


「いいよ。アタシまだここで何も成せてないわけだし。それに1回失望させたわけだしね」



 村での行動はアタシ的には間違ってないと思ってる。魔族にも心はあるはず。話せばきっと分かり合える筈だって。でもそれはただの可能性の話で合って、あの場でトドメを刺さずに逃した事を恨まれても仕方ないとも分かってる。



 それほど酷い戦争状態なんだ。正直まだ実感は湧かないけど。エレオノーラは言った。紅龍に行けばこの戦争の悲惨さが理解できるって。 



 船の目の前の洞窟が開いて空が見えた。この世界に来てどれぐらいたったのだろうか。かなり時間は経った筈なのに未だ太陽は上がってこない。



「長い夜ね……」


「そうかお前は知らないんだったな」


「?」


「この世界に太陽はもう存在しない。いつからだか気づいた時にはあの明るさは失われていたな。それが魔族のせいか、太陽の寿命かは分からんが……」


「って事はもう朝日を拝む事はできないのね」


「そう言うことだ。っともう出発か?」


「そうね。ほら早くシートベルト閉めて」



 スコープが言われた通りシートベルトを装着する。と同時ガコンと大きく方舟が揺れた。スコープの察しの通り飛び立つのだ。アタシはスコープの正面に座ってシートベルトを閉める。

 1時間のフライトだ。ゆっくりこの世界について話を聞いておこう。

 方舟が加速して洞窟の中を突っ切って空へ飛び立つ。



 そう言えば紅龍に行くのって初めてだなぁ。

 出身の国だってのにアタシまだまだ知らない場所がいっぱいだ。

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