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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
第13章 天魔大戦 滅びの未来編
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第18話 廃村マインツ村奪還作戦④

 弱点……。それを探してアタシは必死にマインツ村の広場を降り注ぐ瓦礫の雨を掻い潜り駆け抜けているところだ。



 そのグリダリアはというと、さっきまでの子供の姿はどこへやら……超巨大ロボみたいな姿になっている。

 それに比べてアタシは豆粒程の大きさしかない。グリダリアが踏みつけようとしてくるたび、空から隕石が降ってくるみたいな光景――絶望的すぎる!



『右に飛べッ!』



 スコープの声が耳に響いた! 考えるよりも先に、右に飛び込む。すると頭上から迫っていたグリダリアの足が突然爆発し、軌道がズレる。



 ドォォォン!!



 地響きが大地を揺らす。間一髪、グリダリアの足をやり過ごす事が出来た……。ふぅ……。

 安心して汗を拭っていると――



『走れ走れ!』



 ですよねぇぇ!!

 キーパーの声に、アタシは立ち上がってグリダリアの足元から離れるため走る!



 こんなにデカいのに動きは機敏。試しにレーヴァテインと融合したクラフトアックスで通りすがりに足元を斬ってみるけど――こりゃダメだ。まるで爪楊枝で木の幹を叩くみたいで効いてる様子がない。



 純粋に硬いんだ……。これが【魔気】だけで構築された物だったら今ので両断できるはずだもん。

 相当、瓦礫を圧縮して汲み上げたみたいね。それもそうか、村の建物の殆どがグリダリアにくっついてるんだもんね。



「こんなのどうしろってのよ……」



 今まで【結界魔法】のグレイシアとか、魔獣化したカイゼルみたいな耐久力の高い奴らと戦ってきたけど、今回はそれとは比べ物にならない。

 正直かなりお手上げね……。力には自信あったんだけど悔しいわ!



『諦めるな! あれが魔法の一種なら、必ずゲストの力が届くはずだ! タネだ……タネを明かせば絶対勝てる!』


『そうだ! そのために俺達がついてきたんだからなぁ!』



 ガガガッ!

 スコープの狙撃した矢が数本グリダリアの体に突き刺さる。



『そいつを使え!』



 そういう事ね!

 アタシはスコープの意を汲み取って、矢が刺さった箇所に向かって駆け出した。次の攻撃が来るよりも早く動かないと、一方的にやられたい放題だからね!



 スコープがグリダリアの足の脛部分に突き刺した矢。それにアタシは飛び移る。

 さらに続けて何本も矢が上へと続くように突き刺さっていく。これを伝って登れってことだろう。



「よっしゃ! いきますか!」



 よっ! ほっ! はっ!

 矢を掴んでは飛び、掴んでは登っていく。だがグリダリアはそんなアタシに気付いたのか、瓦礫の巨椀でアタシを叩きつけようとしてくる!



「ちょいちょいちょぉぉぉい!!」



 逃げ場ないんですけどぉ!?



『問題ない!』


「キーパー!?」



 不意にアタシの体が浮遊感に包まれ、投げ出されるように空へ……キーパーの魔法!? ありがたい!



 グリダリアの攻撃が自らの足を砕き、瓦礫が地上に降り注ごうとした。が――瞬時に砕けた瓦礫を体に吸い寄せ、みるみるうちに再生していき、元通りだ。

 ちまちま攻撃しても無駄ってことね。なら決めるなら一撃。全力の攻撃を急所にブチ込む必要があるわね。



 まるで冒険者認定試験でのバエル戦だ。確かあの時も巨大化したゴーレムによじ登って、弱点のバエル本人を叩いたのよね……。



「懐かしい……。今回も同じって事ね」



 だったら弱点は魔法を使役してるグリダリア本体。それがどこに居るかは分かんないけど、きっとこのデカブツの中で一番装甲が分厚い部分――つまり!



「胸の中!」



 敵は心臓にあり! そうと決まれば――



「キーパー! アタシをこのままコイツの胸まで投げれる?」



 ブン! 

 アタシの体がさらに高く放り投げられる。

 胸まであと少し――



 途中、瓦礫がグリダリアの体の周りを回るようにアタシに迫るが――スコープがそれを一発ずつ矢を打ち込み爆破と共に撃ち落としていく。



『構うな!』


「ありがと!」



 2人のサポートを受けて、なんとか胸部まで到達できた!

 近くに刺さったボウガンの矢2本を引き抜き近くに突き刺す。それを足場にアタシはクラフトアックスを構える。



「これでトドメよ――」


「ッ!?!?――【接続!】」



 クラフトアックスを振るった瞬間、グリダリアの余裕のない声が聞こえた。

 何かしようっての!? でも遅いッ!

 【破山墜】をぶち込もうとしたが、ガチリと手が前に進まなくなった。

 なに!? クラフトアックスが急に重く――。



「残念ながら、お姉さんの武器は僕のものにしたよ!」


「なっ!」



 アタシの手からクラフトアックスが離れていく。まるで磁石がくっ付くようにグリダリアの体にガチリと吸い付いた。引き剥がそうとするが――完全にくっついて離れない!



「な、によ……これぇ!」



 ボロ……。

 グリダリアの装甲が少し欠けたのが見えた。ってそんな事より、クラフトアックスがなかなか回収できない方がヤバい! 諦めずに回収を試みたが――スコープの声が響いた。



『今すぐ飛び降りろっ!』


「え……。ブッ――」



 集中し過ぎて攻撃に対して反応が遅れたッ! 瓦礫の塊がアタシの小さな体を殴りつけ、空に放り出された!



 宙をぐるぐる回りながら体の状態を確認する……かなり痛みがあるけどなんとか動かせる……。折れてないみたいで良かった……。



『そのままジッとしてろ! 俺が降ろしてやる!』



 落下するアタシの体が、またもやキーパーの魔法でキャッチしてくれて、ゆっくりと地上に着地させてくれた。

 今のは完全に迂闊だったわね……。



「ごめん2人とも……アタシの武器、取られちゃった……」


『ああ、見てたぞ。こいつはまずいな……』



 スコープが舌打ちした。

 それほどヤバい状況……。ただでさえ硬くてデカい巨人なのに、武器もなしで倒せるのか? はっきり言って無理だろうね。

 そんなアタシをキーパーが励ます。



『無いもんは仕方ない……現状あるもので対処するしかないな』


「ごめん……」



 申し訳なさでいっぱいね。アタシがもっと警戒していればこんな事には――ん?



 ふと見ると、グリダリアの体から瓦礫が崩れ落ちているのが見えた。さっき上で見た時もそうだった。てっきり接着が甘いと思ってたけど……。

 それにしたって、今崩れてる部分はかなりの量だ。

 そんなに脆くなかったはずなのに、なんで今こうして崩れて――



「待って……そういやさっきアイツ、なんて唱えてたっけ……確か、接続って……」


『どうした?』



 キーパーが聞いてきた。



「いや。さっきアイツの詠唱を聞いたのよ……それが【接続】って言葉だったんだけど……」



 アタシの言葉を聞いたスコープが何やら考え始める。



『接続……そうか! そういうことか!』


「スコープ?」


『接続だ! あいつの魔法の正体が見えたぞ!』


「マジで!?」



 技術は遅れてても、やっぱり魔法技術の最先端な国出身なだけあるわね。



「で? なんの魔法なの!」


『説明より、今はその場から離れろ!』



 ふと気づけば、アタシの周りが一層暗くなっている……。空を見上げると巨大な拳が!



「やばばばば!」


『ちっ! ぶっつけ本番だが――間に合えッ!』



 スコープが放った矢が拳に3本突き刺さる。だけどなに!? 全く止まる気配ないんですけどぉ!



『ゲスト! 俺の矢に魔法をかけることができるか! ほらお前の……伸びるやつ!』



 【伸縮魔法】ね! 確かに【魔気】を宿してない矢なら、ここからでも発動できるけど……なんで今?



『考えてる暇はないぞ! やれ!』


「ええい! 分かったわよ! どうにでもなれぇーー!」



 手を伸ばし、アタシは矢に魔法をかける!

 すると矢が10メートルほど伸びる。だけど拳が止まることはない!



「意味ないじゃん! スコープのバカァ!」



 と叫んだ瞬間――拳に亀裂が入る。そこから砕けるように崩れて瓦解していく。

 降り注ぐ瓦礫の雨を躱す中……スコープが笑いながら言った。



『やっぱりな。接続って言葉からそうだと思ったが、予想通りだ』


「どういうこと!?」


『接続って言葉、そして同時に崩れる体……。つまり奴は、身に纏える物質に上限があるってことだ!』


『そうか! そういうことか!』



 キーパーまで気づいたの? ならアタシだけまだ気付いてないってこと……。



『そう難しく考えるな、ゲスト。お前、パソコンは知ってるか?』



 パソコン……たしかマロンとイデアの家にあった機械のことだよね。確かアレでクラフトアックスが作られたんだよね〜。懐かしい。



『パソコンにはデバイスを接続できる差し込み口があるんだが、そいつが全部埋まれば、新しくデバイスを繋げたい時どうする?』


「そりゃ……いらないやつを外して――って、まさか!」


『そのまさかだ。奴の魔法は物質と自身を【接続】する魔法だろうな。それと上限だがな、今のスコープとお前の合わせ技で答えは出たぞ』


「答え……」



 なんとなく分かるような……。



『答えは【魔気】だ。お前の武器を奴が接続した瞬間、そして今スコープの矢を接続してお前の【神気】を注いだ瞬間、瓦解した……。それが導き出す答えは――』


「なるほど……今のどデカい体が上限一杯で、新しく接続するなら何かを捨てなきゃいけないってことね」


『だよな? スコープ』


『ああ。しかも俺たち側からも強引に接続できるときた。完全な弱点だ』


「弱点……ね」



 だったら話は簡単。それに今の話を聞いてアタシは勝ちが見えたわよ。

 正直力押しじゃ勝ち筋がなったけど、ここにきてようやくアタシの魔法と相性が良いときた!

 

 

 さあ。行くわよ【伸縮魔法】!

 みんなから馬鹿にされた最弱の魔法で未知の魔法をぶっ飛ばしてやりましょ!

ここまで読んで頂きありがとうございます!

もし面白いと思って頂けたら

評価とブックマークをして頂けると励みになります。

よろしくお願いします!


次回! 時代遅れの収納魔法VS魔族の未知の魔法

ようやく来ました! みんなから馬鹿にされてきた【伸縮魔法】が輝く時!

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