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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
第13章 天魔大戦 滅びの未来編
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第12話 備蓄0

「そんな事があったんだね……」



 フェイに連れられてやって来たラングの街は、アタシの知っているものとは全く違っていた。

 煙突から煙が出ている建物は鍛冶工房ばかりで、ここが最前線だと嫌でも分からされる。



 行き交う人々は皆、騎士甲冑を身に付けた連合軍ばかりだ。

 工房で休まず働いているのは、獣耳が生えている人がいる分〈オーバード〉達だろう。

 鎖を繋がれていて、エレオノーラが言ったように、この世界ではアタシ達の世界と違って〈オーバード〉は奴隷の身分のままらしい。



 そんなアタシは今、連合軍の野外食堂である天幕の下で、フェイと机を囲んでいるところだ。

 そこで聞いたエレオノーラの過去……。

 アタシとモルトの死――敗走……そして帰還したエレオノーラ達に浴びせられた罵詈雑言の数々。



 ここはアタシが思っていた倍以上に酷い状況だった。

 こんな未来だなんて……。イデアが未来を変える為に奔走していた理由が、少し分かった気がする……。



「そう言えば、イデアとマロンはその後どうしたの?」


「お二人は期間後、団長と暫く共に過ごしたみたいですが……イデアさんが団長と馬が合わず離脱したみたいで……マロンさんはその8年後に……」


「散り散りになったんだね……」



 イデアにとって、多分モルトの死が一番受け入れ難いものだったんだろうね。あの子、モルトの事すんごい大好きだし。そんなモルトを守れず、アタシを見捨てたとエレオノーラを見たのかもね。



「でもマロンさんは、自分なりになんとかするって離脱したんで、団長とは――」


「分かってるよ。マロンの事だもん……。あの子、おちゃらけた感じの子だけど、人の感情に敏感で誰とでも仲良くあろうって考えてるもん。そんなマロンがノーラを何も考えずに一人にするわけないよ」


「フォルティナさん……」



 でも結果、エレオノーラ一人が残されたってわけだ。

 あの人はアタシの知っているノーラとは違うけど、やっぱり見て見ぬ振りできるほど知らない人でもないよ。

 一人で元の時代に帰る? 嫌だね……。

 アタシは今ここで出来ることをやるべきなはず!



 帝国でイデアは言ったんだもん。

 『未来を見て来い』って――なら、すぐに帰るわけにはいかない!

 ここに送られたのなら、全部見てやれるだけやって帰ってやる! 魔王? 魔族? そんなもん全部やっつけてやったって、帰ったらイデアに言ってやるんだから!



「決めた! やっぱアタシ帰らない!」


「えっ! どうして!」


「帰るアテはあるんでしょ? ならいつでも帰れるってことじゃん。それより、この状況をなんとかアタシはしたい! だってこれは未来のアタシが失敗したせいで起こったことでしょ?」


「でもそれは別の世界線のフォルティナさんがやった事で、貴方のせいじゃ――」


「いーや。アタシはアタシだもん。仮にここにいるアタシが失敗したとしても、未来のアタシは同じこと言うはずだよ? 自分のことだもん。誰よりも理解してるつもりよ」


「良いんですか……?」


「いいの! それに友達一人放っておけないしね」



 そうと決まれば腹ごしらえだ!

 机の上に置かれた具の少ないスープを手に取り、一気に喉に流し込む。

 舌にスープが触れた瞬間、拒否反応が起こる。

 味が――すんごく薄い!



「けほっけほっ」


「お口に合わないですよね……」


「そ、そんな事は――」


「誤魔化さないでください。ここのスープ、味が薄いでしょ? 私もまだ慣れなくて……。魔族が外を徘徊している以上、食料の調達が困難になって、残された材料を削りに削って作ったものなんですよ……」


「深刻なんだ……。食料はあとどれぐらい残ってるのかな?」


「この間、調理部の知り合いに聞いたところですと……3ヶ月分しか……」


「3ヶ月ですってぇッ!?!?」



 机を叩いて思わず立ち上がってしまった。

 食料が途絶えたら待っているのは飢え死にだ。それはとんでもないピンチって事なんじゃ――



「しーっ! フォルティナさん!」



 フェイに促されて、アタシは慌てて席に座り直す。

 周りの騎士達が訝しげにアタシ達を見てくるが、今の話はちゃんと聞こえていないらしく、各々食事や談笑に戻っていく。



「ごめん……ビックリしたもんだから」


「これは口止めされてるんですから、頼みますよ?」


「口止めって……」


「仕方ないじゃないですか。こんなの、みんなに知られたら士気が下がるどころか脱走兵まで出ちゃいますよ」


「なら対策は? なにか考えてるんだよね?」


「ええ……一応、団長は共和国周囲の農村を取り返そうと作戦を考えていますが――」


「が?」


「決定力が欠けていて……団長はラングから出られませんし……」



 エレオノーラ程の実力者はそうそう居ない。

 そんな彼女がこの街を出れば、魔族は一気に攻めてくるって考えてるんだろうね。

 魔王が知恵者なんだし、間違いなくそこを突いてくる。

 そうか……だから奴ら、兵糧攻めに持ち込んでるわけだ。



「戦争慣れしてるって、そう言うこと……。だったらアタシが出るわ! アタシだったら魔族の体をぶち抜けるし!」


「本当ですか! それは心強いですよ!」


「でしょ? まずは食料の確保だね。じゃあ早速、ノーラに話をつけに行かなきゃ!」


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