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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
第13章 天魔大戦 滅びの未来編 1
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第6話 未来での再会

 魔族との戦闘を終えたアタシ達は、ラングの街に戻ることとなった。

 さっきの活躍でめでたく疑いが晴れ――るわけもなく……。


 

「ほら。さっさと歩け、魔族」


「い、イタッ!」

 


 槍を渡してくれた騎士とはまた別の騎士が、アタシの手をロープでぐるぐるに巻き、犬のように引っ張ってくる。

 手首が締め上げられて、これが地味に痛い!

 


「ちょっと! アタシも一緒に戦ったんだからいい加減認めなさいよ! 魔族じゃなくて人・間だって! 見て分かんない? 黒塗りの面もトゲトゲした体もしてないでしょ! ノーラ、アンタも見てたでしょ? さっきのアタシの活躍を!」


「まあな。だが奴を殺して私達に取り入ろうとしている作戦の可能性もある。まだ完全に貴様を信用するわけにはいかん」


「むぅ……」


 

 信じる事が出来ないほど、今の状況が良くないんだろうけどさ……。

 こうも友達から拒絶されると、胸にくるものがあるんだよねぇ。

 


「団長! お疲れ様です! 勝利を収めたようで何よりです」

 


 外壁に近付くと、1人の若い騎士が敬礼し、エレオノーラに声を掛けてきた。

 こんな暗い世の中だというのに、爽やかな笑顔が眩しいナイスガイだ。

 そんな騎士の肩にエレオノーラは手を置き、微笑んで答える。

 


「ああ、ありがとうサム。異常は無かったか? 侵入者は?」


「侵入者は無しです! 虫1匹たりとも通してませんよ!」


「はっはっは! そうか。いつも警備を任せてすまないな……」


「いえ! これもみんなの為ですから!」


「そうか。そう言ってくれて助かるよ。ではな」


「はい!」


 

 肩をポンポンと叩き、エレオノーラは街の中へ入っていく。

 サムさん……見た目だけならアタシと同じか、少し上の年齢かな?

 


 サムさんの後ろ姿を歩きながら眺めていると、前を歩くエレオノーラが、なんとも言えない悲しげな顔で話しかけてきた。

 


「若いだろう? 歳だけなら貴様と同じぐらいだろう。彼は戦争で家族を失っていてな。精神的に余裕がないはずなのに、ああやって外勤から戻った仲間達を笑顔で労うのだ……。彼には私もかなり助けられてるよ」


「ふ〜ん……そうなんだ」

 


 そう語るけど、顔は暗い。若い彼を戦争に駆り立ててしまっているのが嫌なんだろうね。

 にしても魔族に戦争か……。まだ来て間もないし、目の前で起きたことをアタシなりに考えてはみてるけど。

 今がどんな状況か、ちゃんと知らないとね。

 


「着いたぞ」


 

 街に入ってすぐのところに、簡素な小屋があった。

 騎士2人が入り口に立っていることから、ここがエレオノーラ達の本拠地なんだろう。

 街はまだ道の先だ。どうやら完全に街に入る前に騎士達の詰め所を置いておくことで、緊急時にすぐ動けるようにしているみたいね。

 


「皆は一度休憩を取れ。第二班が引き継ぎ、外壁パトロールを担当させる。解散」


「「「はっ!」」」

 


 エレオノーラの指示で騎士達が一斉にこの場を離れていく。

 そんな騎士の中からアタシに近づいてくる人が1人。

 


「あっ。アンタは」


「魔族……いや、お嬢さんと呼ばせてもらおうかな。さっきは団長を助けてくれてありがとう」


「良いって良いって。あんな大変な状況を、ただ縛られて見てるだけなんて出来なかっただけだからさ」


「それでも感謝させてくれ。君がいなければ団長は……」


 

 そう言った騎士は浮かない様子だった。

 確かにあのままエレオノーラが戦ってたら、殺されてたかもしれない。それだけじゃない……奴ら、アタシと戦うと思わせて街に進軍しようとしてたし。きっと酷いことになってたはず。

 この人。それが分かって、許されないのにアタシを解放して武器を託してくれたんだ。


 

「でもアナタがアタシを信じてくれたおかげで、みんな無事に帰れたんだからさ。結果オーライだよ」


「はは。そう言ってもらえて助かるよ」


「そうだ。これ……ありがとね。ちょっと歪んじゃったけど……」


 

 アタシは槍を騎士に手渡した。

 全力で振るって無理させたからか、真ん中からぐにゃりとへし曲がっている。

 久しぶりにクラフトアックス以外の武器使ったけど……やっぱ軽いし柔らかすぎたね。

 マロンとイデアが作ったクラフトアックス……今更ながらかなりヤバめな武器じゃない?


 

「あー。これは酷いな……」


「もしかして……怒られる?」


「武器を破損させたことなら問題ないだろうな。怒られるとしたら――」

 


 騎士が小屋の方に目を向けると――

 


「おい! 魔族。それにフェイ! お前らはこっちだ」


 

 エレオノーラがアタシ達を手招きしていた。

 ……ってフェイ? フェイって……あの――


 

「フェイ!? アマンダおばさんの子供の!?」


「な、なんで母の名前を!?」

 


 どうやらこの騎士は、アタシの知ってるフェイの未来の姿らしい。あんな小さな子が……こんな逞しくなって……。

 


「まあね。それにしても……いやぁ〜。子供の成長は圧巻だね〜」


「なんでそう近所のおばさんみたいなこと言うのかな……。今日が初対面だろ?」

 


 ジトッとフェイがアタシを睨んでくる。

 にしてもフェイもアタシの姿を見て気付いてくれないどころか初対面って……。ここって未来なんだよね? なんでエレオノーラもフェイもアタシのこと覚えてないんだろ?

 


「聞いてるのか、早くしろ!」


「す、すいません! 早く行くぞ?」


「うん。はいはーい! 今行きまーす」

 


 アタシとフェイはエレオノーラの待つ小屋の中へと足を踏み入れた。

 そこでアタシは、今の大陸がどうなっているか聞くことになるんだけど――

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