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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
第2章 観光都市ランブル編 憎悪を超える愛の歌
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第19話 残るは……

 2人は吐瀉物を洗い流す為、再び歴史資料館に訪れていた。男性トイレではモルトがスカジャンを念入りに洗い、ハンドドライヤーで乾燥し、女性トイレではフォルティナが口を濯いでいた。

 そしてお互いトイレから出くる。


「うげ〜……まだゲロの匂いがしやがる……気持ちわりぃ」


 スカジャンの裾の匂いを確かめながら顔を顰めボヤくモルトにフォルティナは謝りながら話す。


「ごめん! でもしょうがないじゃない! 初めてあんな光景を見て血の匂いで気持ち悪かったのに、あんなにアンタが揺らして叩くんだから! でもスッキリしたわ!」


 笑顔でそう話すフォルティナの顔はより一層輝いて見えた。


「そりゃそうだろうよ……朝飯分出てたんじゃねぇか?」


 落ち込みながら話すモルトは自身の招いた事故でもある為だけに強く反論出来なかった。

 そして軽く息を吐きモルトは話す。


「ふぅ……とりあえずついでに館内に変化がないかも見てから行くぞ?」

「分かったわ!」


 誰もいない館内を歩き回りモルトの【香水魔法】より強い匂いがないか、または変化がないかを見て回る。


「見た感じの変化は無し! モルトどう? 匂う?」

「いつもの【香水魔法】に テメェのゲロの香りが少ししか匂わねぇな……」


 拗ねたようにボヤくモルトにフォルティナが反論する。


「まだ言う!? 確かにアタシも悪かったけどもう済んだ事でしょ!」

「ケッ……クセェもんはクセェんだよ……」


 館内を確認し終えた2人は外に出て大通りへ向かう。

 広場へ入る道の入り口には保安官が居た為、報告をする。


「お待たせ! 倒してきたよ!」


 背後からのフォルティナの言葉に振り返る保安官は安心したようにフォルティナの体を見た。


「おぉ! 良かった……無事なようだね! 本当に倒してしまうなんて2人とも……ありがとうございます!」

「これぐらいはお安い御用よ! 報酬もまた協会から届くはずだしな!」

「えぇ! 少し多めに金額設定しておきましたからご安心下さい!」


 ほっとした様子で答える保安官にモルトは続けて報告する。


「あと……広場と館内を調べたが異常は無し……だが広場を囲む森林の中に魔獣と犬猫の大量の死骸がある 早めに処理した方がいいぞ? また新たに魔獣が来るかもしれんからな」

「そうなのですか!? まさか森の中がそんな事になっていたとは……おい! 本部に連絡を!」


 モルトの報告を聞いた保安官がもう1人の保安官にR.O.Dで死骸処理の為に増援要請をするよう伝え、連絡していた。


「何から何までありがとうございます!」

「良いって言っただろ? そうだ! お前らは1週間前ぐらいに街に来た香水売りの女を知ってるか?」


 モルトは保安官に尋ねるが保安官は首を振りながら答える。


「いや……我々は存じません……なにせこの街は観光客が多くそこまで一人一人を確認する事が正直なところ困難でして……申し訳ない……その女性が何か?」


 保安官が不思議そうにモルトに尋ねる。


「いや……もしかしたら今回の魔獣の出現はその女が売り捌いた香水の香りが原因かもしれねぇって考えてな……」

「まさか! たかが香水ですよ? 有り得ませんよ!」


 モルトの話しを冗談かのように反応する保安官にフォルティナが続いて話す。


「それが有り得るかもしれないの! 保安官さん達も気付かない? 最近街で喧嘩とか言い争いが多い事に?」


 そう言われた保安官はハッとした顔になり呟く。


「そう言われると……確かに1週間あたり前から以前より増えてるような気がします……観光地なのでよくある事なので特に気にならなかったですが」

「その女の人が売った香水とお香が原因でみんなイライラしやすくなってるかもしれないの! 魔獣もそのせいって考えたわけ!」

「それが本当だとしても我々だけの権限ではどうする事も出来ません……面目ない……」


 魔獣を討伐した2人を信頼しているが期待に応えられず無力さを嘆く保安官の肩に手を置きモルトが笑いながら話す。


「ははは! まあそこまで落ち込むな 俺様達がそう考えてるだけだって? ただ警戒はしておいた方がいいかもな……それだけ言っておきたかったんだ」

「分かりました 我々も警戒しておきます!」

「じゃあ俺様達は行くわ! お勤めご苦労さん!」

「じゃあね! お仕事頑張って!」


 モルトはそう言い場をさろうとする。 フォルティナも保安官に労いの言葉を残し後に続く。

 モルトは保安官に触れた手を鼻まで持ってきて匂う。


「この距離だと匂いは分かるだろうが……匂わねぇな……あの保安官は例の女商人について知らなかったし少なくとも保安局は安全かもな あの2人は大丈夫だ」

「良かったわ……なら残すは南ね……」


 北の〈共和国歴史資料館〉、西の〈結託の滝〉、東の〈住宅街〉、中央の〈大通り〉をこれまで巡り残すは南、最後の名所〈城塞跡地〉となった。


「そうだな 南は城塞跡地か……あそこは昔のこの場所ランジールだった時代の建築物だ 人もそれなりに多いはず 女商人が街から出た可能性も考えられるがここまでの事をしておきながら出て行く事は無いと俺様は考えてる……テメェも用心しやがれ」

「う……うん!」


 モルトはフォルティナに犯人がそこにいる可能性を伝え南の城塞跡地を目指す……

ここまで読んで頂きありがとうございます!

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