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無知な田舎娘は未知に憧れを抱く!  作者: ギトギトアブラーン
第1章 冒険者認定試験編
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第27話 おかえり!

 夕方……もうすぐ夜になる頃合いにフォルティナはアマンダとフェイの家の前まで戻って来ていた。


「アマンダおばさん! フェイ! ただいまー!」


 フォルティナが戻るとフェイが走って来た、その後からアマンダも玄関までやって来た。


「ティナおねえちゃん! おかえり!」

「ティナおかえり その様子だと無事 合格したようだね?」

「うん! ばっちし合格したよ! 応援に来てくれて2人ともありがとね!」

「あたしゃ途中から見てられなかったけど……最後はしっかりと見たよ……」


 アマンダはフォルティナを抱きしめながら


「あんたはよくやったよ!」

「えへへ」

「僕もずって見てたよ! おねえちゃんがピンチで困ってたから今度は僕がおねえちゃんを助けなきゃって応援したんだ!」

「聞こえたよ! フェイの応援がなかったらアタシ本当に負けてたかもしれない……ありがと! そうだ!忘れてた!」


 フォルティナはポケットにしまっていたフェイのR.O.Dを返す。


「応援してくれてた時に落としてたよ? でもこれのお陰で何とか勝てたから……またフェイに助けられちゃったね!」

「はは! おねえちゃんはほんと……! 僕がいないと何にも分かんなくてダメだね……」


 フェイは自分の応援がちゃんと役に立ちフォルティナを助けられた事に感極まった……

 フォルティナは2人にも明後日街を立つ事を伝える。


「アタシ明後日村に一旦帰るよ 協会からパートナーになる人の連絡が来るまでは待機らしいからその連絡が来る前に帰っとかなきゃだから……急にこんな事言ってごめんね……」

「えっ……」


 フォルティナの急な別れ話にフェイは固まる……


「そうかい……短い間だったけど娘が出来たみたいであたしゃ楽しかったよ! 明日まではまだこっちに居るんだろ? 食事たっくさん用意してるからね!」

「ありがと! アマンダおばさん! フェイ?」


 フェイの様子がおかしい事に気づき声をかける。


「急過ぎるよ……もう行っちゃうなんて……」

「フェイ……ごめんね」


 急な別れに動揺しているフェイにアマンダは優しく語りかける。


「フェイ……ティナはお前のお陰で冒険者になれたんだ……お前がそんな顔してたらティナが旅立ちづらくなるだろ? ここは笑顔で見送ってやんな? お前は賢い子だ分かるだろ?」

「分かるけど……」


 母の言葉は正しい自分でも理解はしているがどうしても心の準備が整わない……そんな様子からフォルティナは提案する。


「フェイ! 明日ブルーメのお父さんのとこ行くけどアタシ方向音痴だからさ! 道案内してくれると助かるんだけど……一緒に行かない?」


 本当は地図アプリを見れば迷うことは無いがフェイとの最後の1日は一緒に過ごした方が良いとフォルティナも思っての提案だった。


「うん! 行くよ! ほんとおねえちゃんは僕がいないと何にも分からないからしょうがないね!」


 涙は流れていたが明るくフェイはそう答えフォルティナに抱きつく! そんなフェイをアマンダおばさんは眺めフォルティナと目を合わせふふッと笑う。


「よし! 話が決まったなら夕飯にしよう! ティナも腹が減っただろ? たっくさん用意したから遠慮なく食べな!」

「ありがと! アマンダおばさん!」


 3人で食卓に着き夕食を食べる今日は肉料理が中心だった。 アマンダはフォルティナは合格で間違いない事を予想していたらしい。


 夕食を終え、フェイとラジオを聴きシャワーを浴びてベッドで眠る……


 流石に疲れたよ……でもなれたよ! アタシ冒険者に!


 ベッドの上で今日の出来事を思い出しながら合格の実感を感じて……気づけば眠っていた……


 朝になり3人と朝食を食べフォルティナはフェイと警備隊、ブルーメの家に向かう。


「じゃあ お母さん! 行ってくるね!」

「アマンダおばさん! 朝ごはんありがと! 行って来まーす!」

「あいよ! 夕飯作って待ってるからね〜」


 2人を見送りながらアマンダは考えていた。


 ティナが来てくれたお陰でフェイは成長したよ……友達も出来ない引っ込み思案だったあの子が……友達を作って……あの試験会場であたしたち皆がもうダメだ!って思う中であの子だけがあんなに大きな声で応援したんだ……

 この4日間とすごく短い間だったけどあたしたち親子はティナにたくさんの事を貰ったんだよ……ありがとうね?ティナ


 アマンダはそう見送りながら考え、気合を入れ直す。


「よし! ティナ達の為だ! 張り切って夕飯を作らなきゃね!」


 自分があの子達にしてあげられる事は夕飯をたらふく食べさせてあげ、フェイとフォルティナが笑顔で別れられるようにするだけだ そう考えながら家のキッチンにアマンダは向かうのだった。

ここまで読んで頂きありがとうございます!

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