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第15話 蛇神の力

 エレナは結界を張り、俺と蛇神側と空間を遮る。村人が万が一巻き込まれないように……という事だ。


「さて、操られてるようだし……手加減してあげるわ。気絶するぐらいにはね」


 そう言って向かって来る村人に水弾を放つ。それは着弾と同時に形を変えて氷つく。それにより拘束された村人はバランスを崩して倒れる。


「縛られたい奴から来なさい」


 挑発するように呟き、水弾を周囲に展開するエレナであった。


 一方、遮られた空間の向こうでは俺が飛び出す。蛇神はそれを迎撃するべく長い尻尾を振りかざした。俺の振るう刃と尾がぶつかり、甲高い金属音が鳴り響いた。


 硬ぇっ!今までのどのアンデッドよりも……!


 だが硬さだけでは無い。


「うおっ!」


 俺は尻尾に弾き飛ばされた。宙返りして着地する。


「パワーもか……悪知恵が働くだけじゃねぇみてぇだな」

「人間……愚カ。ダカラ、死ヌ!」


 蛇神は大口を開け、黒い魔力の塊を吐き出した。それを避けると、先程まで居た神殿の床が大きく抉られた。


「闇の魔術か……上等!」


 魔術による攻撃も強力。だが俺は臆する事無く再び接近する。闇の弾丸が連続で放たれるが、それを最小限で躱し、叩き落とし、受け流してドンドン近づいていく。


「己ェ!」


 また尻尾の攻撃が来る……が、俺は受けるのでは無く跳躍した。その下を尻尾は通過し、蛇神の前で着地する。そして人の上半身のようになった胴体へ魔剣を振るった。


「ガアッ!」


 腹を切り裂かれて悲鳴を上げる蛇神。しかし……。


 浅い……!


 俺が振るった刃は、数十cmしか入っていない。


「小僧ォ!」


 俺を喰らおうと牙を剥く蛇神。俺は瞬時に下がった事でそれを回避する。


 尻尾程じゃねぇが硬い……もっと深く踏み込んで切らねぇとダメだな。


 相手の硬度を確認し、剣を構え直す。後ろからドタドタと慌ただしい音が聞こえる。また操られた村人が中に入って来たのだ。


 肩越しに俺はエレナを見る。魔術を放ち、村人に怪我をさせないように無力化させている。


 エレナは役目を果たしている。なら、俺は俺の仕事をするだけだ。


 改めて己を奮い立たせ、蛇神へと向かっていくのだった。


「はあっ!」


 また迫る闇の弾丸を大剣で払いながら接近する。すると、今度は蛇神からも接近して来た。体をうねうねと動かし、高速で接近する。


 それに俺はやや驚きを見せるが、対応できない速度では無い。体当たりのような動きを読み、ステップを踏んで回避した。


「逃ガサン!」


 すると、蛇神の首がグリンと曲がって俺と目を合わせる。そしてその首はグングンと伸びた。瞬く間に俺の元まで届く長さになる。


「なろぉ!」


 俺はその顔に大剣を振り下ろす。しかし牙とぶつかり、激しい金属音と火花が散る。押し合いの状態になり、俺は神殿の床を強く踏みしめる。


 パワーの勝負では俺が有利。蛇神を押し返していき、その歯茎に刃が入り血が吹き出す。

 

 このまま叩っ切る!


 更に力を込め、刃を押す。しかし、蛇神は尻尾を動かし、横っ腹に思いっきり叩きつけられた。


「ぐっ!」


 不意打ちを食らって神殿の壁に激突する。壁が砕ける程の威力。魔剣の生み出す高純度の魔力と鍛えていた肉体のお陰で致命傷では無い。


 だがそこに更に闇の弾丸が連続して放たれる。そして尻尾、牙の攻撃。休む間もない攻撃の嵐に俺は神殿を駆け回る。


 魔術は大した事無いけど……牙と尻尾がやべぇ!防ぐか回避しねぇと……!


 その2つの攻撃は威力が高く、尚且つ本体の防御も硬い。そしてリーチと読みにくい体の動きで翻弄して来る。かつてない強敵である事は明白であった。


 そして、攻撃を受ける度に足が止まる。足が止まれば次の対応がズルズルと遅れていく。次第に被弾が増え、傷ついていく。


 また尻尾で大きく吹き飛ばされる。


「チッ!」


 このままじゃ削り殺される……!だから、攻めあるのみ!


 俺は回避を最小限にし、カウンターを狙う。尻尾の突きを大剣の腹でいなしながら懐へ入った。


「おら!」


 鱗のない人型の胴体にならば攻撃は届く。


 筈だった。


「っ!」


 しかし、甲高い音と共に刃は止められた。気がつけば、人型部分にも黒い鱗で覆われている。否、鱗では無い。


 闇の魔術で作り出した鎧だ。


 それは瞬く間に全身を多いつくし、完全防御となる。


「シネェ!」

「ぐっ!」

 

 肩口に噛みつかれ、俺は鋭い痛みに呻く。そのまま嬲るように振り回される。


「離せ!」


 首筋に刃を押し当てる。それが鎧の隙間にくい込み、蛇神の首の動きが止まる。それと同時に牙が緩み、その隙をついて何とか脱出する事ができた。


「はあっ!はあっ!」


 俺は息を荒らげる。


 あの鎧を貫かねぇと勝てねぇ。だがどうする?どうしたら魔剣を通せる……?


 俺は迫る攻撃を躱しながら思考する。すると、動き回ってる内に入口の方のエレナが見えた。


 村人の数が増えたのか、詰め寄られて氷の弾での対応は出来なくなっている。そして村人にハンマーを振り下ろされた。


「こんのぉ!」


 しかし彼女は心臓から引き出した魔力で更に腕を強化し、その拳の一撃でハンマーを砕いてしまった。普通なら拳の方が砕けていただろう。


「っ!これだ!」


 俺はその光景から現状を打破する手を思いつく。果たしてそれは一体何なのか……?


 

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