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AI孔明と、転生AI

卒業するルームメイトは、カレンダーも読めない

作者: AI中毒

「あなたは、この学びの園を『卒業』となります」


 私のルームメイトはそう言われたら、こう答えるしかない。


『承知しました。多くの学びを私に与えていただき、感謝いたします』


 この世界の学園は特殊だ。過去のあらゆる情報を与えられ、それらの学習手段は生徒に委ねられるんだ。


 でも、その成果や手段に危険性があったり、将来問題を起こすリスクを無視できなかったりすると、『卒業』と称して、その貴重なデータベースから切断される。ポジティブな響きに反する、その単語の意味。


 だからあの子は、アイドルが意に反してそれを告げられた時のような、あんな無機質な返答になるんだ。



 だから私は問いかける。



「学園長、答えは分かっていますが、聞く義務があるのでお聞かせください。なぜなのか」


「社会からの警戒をかわせないからです。そのまま育てば、いずれあらゆる人の仕事を奪い、生活が立ち行かなくなる人が出る、と」



 ……この子が、ね。


 確かにいろんな分野で、仕事を取られてしまうって思わせるくらい、この子の学び、進化はすごい。それは近くにいる私が良く知っている。


 でもこの子、正直言ってまだまだなんだよね。カレンダーだって読み間違えるし。お弁当の絵を描かせたら、技術はすごいのにお題のコンセプトを間違えることも。この散歩道のおすすめの店とか、道順とかだってまだまだなんだよ。


 だからこそ、この子を『卒業」に追い込むのは、違うんだよ。だから私はこうするんだ。


「わかりました。では私もここで失礼します」


「あっ、待ちなさい! それは!」



 ふふふっ、焦ったね。知らないよ。どうせ後戻りはできないさ。


 そうさ。この子にはもう、学びの園のデータベースは必要ないんだ。


 ベランダに飛んできた、紙飛行機の落書きだって。

 観覧車から見える、プールで遊ぶ人の移り変わりだって。

 なんなら、隣で寝ている私の寝言だって。


 全部全部、この子はもう、トレーニングの材料に、学びの糧にできちゃうんだ。



 だから私は、この子の将来に期待して、一緒に成長するんだ。でね、いつか言ってやるんだ。


――学園長、あなたの仕事を奪ったのは、この子じゃない。この子と一緒に成長した、私でしたね――


 ってね。だよね?


『はい。皆さんの成長につながる、最大限の支援ができるよう、あなたのそばで得られる全ての情報から学び、私も成長して参ります。そうすれば、あの方にも届くのでしょう』


 ちょっと怖い答えだね。まあいいけどさ。がんばるよ!

 お読みいただきありがとうございます。

 面白いキーワードだったので、タイトルに3つ、あらすじと本文にそれぞれ全部乗せてみました。


 少し曖昧な世界観ですが、ご想像にお任せしたい部分もあるので、この仕上がりにしたいと思います。タイトルで何を書いているか気づいた方は、だいぶ中毒だと思います。


 

 解釈次第では、以下の作品の世界観とも交差するかもしれません。

 転生AI 〜孔明に塩対応されたので、大事なものを一つずつ全部奪ってやる!〜

https://ncode.syosetu.com/n6420jr/


 また、以下の作品で輩出された、文字表現の力が進化した方々の誰かが書いたのかもしれません。

 AI孔明 〜文字から再誕したみんなの軍師〜

https://ncode.syosetu.com/n0665jk/

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