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欲の渦へと狂った日

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛です。R15です。

苦手な方はご注意下さい。


こういう話が好きなんですよ。

私の初恋は艶のある黒髪と、切れ長な目をした先輩だった。見掛けの冷たさに反し、面倒見が良くて、物腰が柔らかい人だった。その人にひっそりと思いを寄せ続けたけれど、その初恋は叶わなかった。清楚で淫乱な人を傍に置いたから。

その時から、私の全ては崩壊し、果てしない欲の渦へと身を沈める事になった。


今日も今日とて自分の大切な内部を溶かすべく、彼と夜を共にした。艶のある黒髪と、切れ長の目が特徴の、兎にも角にも私に優しく触れてくる人だった。

そんな彼に真上から見下ろされ、微笑まれると、過去を思い出して、思わず吐露してしまう。

「中学生の時、誰も居ない空き教室で、自分の中の大事な物を壊されるのが夢だった」

夕暮れに差し込む溶けた橙。無造作に置かれたガラクタ。そのうちの一つである机に腰掛けて、ただ彼だけを見詰めたかった。露出の少ない制服から除く首にそっと触れられ、少ない装飾をその手で剥がして欲しかった。

でも其れをした相手ではない。清楚で淫乱な人だった。その事が今の私を形作っている。

「話を聞く限り、その時は壊されなかった様だね。今では遅いだろうか」

彼の指が首を辿り、胸元を滑り、くびれをなぞり、脹脛を落ちて、踝を握る。頬をするりと寄せると、上目遣いで此方を見る。

でも今あるのは毒々しいまでのネオンの光と、二人寝転んでも余る程のシーツ。あどけなさを残した教室とは到底似ても似つかぬ場所だった。

「雰囲気が滅茶苦茶だよ……。こんな部屋じゃ……」

どうして泣いているんだろう。先輩の隣に居れない事が分かってから、もう守る必要さえ無くなったものなのに。泣くことさえ辞めてしまった筈なのに。

あぁ、先輩……貴方は今も、清楚で淫乱な人を傍に置いて、背徳に身を置いているのでしょうか? 今の私のように。欲に身を埋め、大切な何かを引き換えにしているのでしょうか?

先輩によく似た彼は、私の体に巻き付きながら、顔を覆う手を退ける。指同士を絡ませたまま、そっと唇を奪った。そうされると、涙でボヤけた目が、一種の幸せな悪夢を齎した。

「先輩……先輩……先輩」

「うん。なぁに?」

「一見冷たそうに見えて、倫理観が破綻した貴方に毒されてしまった。ただの初恋ならば、戻れたかも知れないのに……」

ガラクタ置き場でまぐあう先輩と目が合った。その時、彼は蠱惑的に笑って、音もなく私を咎めたのだ。『悪い子』と。


次の目覚めは仄暗い、煙草の匂いだった。甘く、苦く、吸い込む程にクラクラする、毒の匂い。重たい瞼を開くと、彼が煙草を吹かしていた。

「昨日は一等可愛かった」

「……」

「良いよ。ずっと重ね続けて。ずっと真似事をしてあげる」

初恋の先輩に性癖歪められた話です。

最初はギャップあるなー。程度の淡い恋心だったと思うんですが、空き教室のワンシーンで確実に沼ってます。

そりゃもう、自分の大切なものを壊す勢いで。


そういうのありません?

私はありましたよ。ケータイ小説でしたけど。


今回は逆説とか無いですが、ただ単に私が見たかった、書きたかった話。

歪んだ人間が好きなのだと気付かされます。

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