48本目 邪神は救いの神
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「護さんは別格っすけど、見てわかる通り継承者の強さは人間とは比較にならんっす。なので、戦力増強の為にできるだけ探し出して欲しいっす」
『確かに居ると居ないでは大違いだが、見つかるのか?』
その昔、出来たばかりの地球に降り立ったクトー率いる宇宙移民船団は、その名が示す通り数百規模の集団であった。
その全てが生き残っているわけではないが、それでも地球にはまだかなりの数の神核継承者が自覚無自覚に潜んでいるのである。
ポテ子の言う仲間探しとは、このまだ発見されていない邪神達の捜索であった。
「探す? 迷子なの?」
「迷子ってわけじゃ無いんすよ。ほら、護さんみたいに記憶は戻ってないタイプとかあるんす」
「そういうのもあるのね」
神核の覚醒条件が条件だけに一生覚醒しない者も居るうえ、更に子孫を残さず消えていった者達も居る。
そういった者達は捜索が不可能なのである。
「あと、自分で言うのもなんすけど。ウチ等って基本自由な性格なんで、覚醒していても気にせず過ごしてる奴多いんすよね」
「じゃあ、どうやって探すのよ」
やれやれと護がため息をつく。
「探すというか、来るのを待つって感じっすね。ウチ等は引かれ合うようになってるんす、だから知らない内に近くに寄ってくると思うんす。それっぽい奴を見つけたら教えて欲しいっす」
「いっぱい、色んな人とお話したら良いんだね!」
「そういう事っす! ウチ等は外国を当たるんで、流々ちゃんは日本をお願いするっすね」
「うん、分かった!」
唯々諾々と了承する流々を見て、護も流々がそれを願うならばとポテ子の依頼を了承した。
「ポテ子お姉ちゃん、いつ迄に探したら良いの?」
「とにかく早くっす、特に十二家の内まだ見つかってない残り七家は急いで欲しいっす。ウチもそれらしい人を見つけ次第教えるんで、流々ちゃんに向かってもらう事もあると思うっす」
『全員とは言わん。が、三年以内に半数は必要だな』
「何で貴女が行かないのよ」
護は当然の疑問を投げかける。
当たり前だが流々や護が向かうよりも、色々と事情を知っているポテ子が向かう方が望ましい。
だがその言葉に対し、ポテ子は顔をヒクつかせながら明後日の方をを向いた。
「い、いやぁ〜・・・ウチ、昔色々とやってしまってっすね・・・」
『此奴は昔から悪戯が過ぎてな、ほぼ全員に嫌われているのだ』
「何やったのよ!?」
当時の事を思い出しているのか、酸っぱいものを食べた様な顔をしている。
「ま、まぁとにかく、頼んだっすよ!」
ポテ子は無理やり会話を終わらせた後、「ではドロンするっす!」と言って影の中に消えていった。
◆
ポテ子が去った後、入れ替わる様に丹波が部屋に入ってくる。
丹波は入ってすぐ誰かを探してキョロキョロしていた。
「あれ? ここにポテ子さんがいらっしゃると伺ったのですが・・・」
「ポ、ポテ子お姉ちゃんにご用事?」
「はい、近くの小学校から不審者の居るとの連絡がありまして、その人がポテ子さんに似ているとの報告が・・・」
『あ奴は・・・』
立てば不審者、座れば変態、歩く姿は犯罪者。
最強の邪神クトゥルフを呆れさせる女、それがポテ子である。
「今度会ったら、縛って引き渡すわ」
「よろしくお願いします」
ポテ子の捕縛が確実になったところで、丹波はそのまま流々の向かいの席に座った。どうやら丹波の用事はポテ子にだけではなかったようだ。
その視線の向かう先は、当然クトーである。
「さて、移動中の車内でしかお話出来ませんでしたが改めまして。私、流々さんと護さんのサポートをしております丹波 薫と申します」
『クトーだ、我はまぁ流々の義父とでも思ってくれ』
六車と対面した際、何も問題が無いとでも言う様に振る舞っていた丹波であったが、その実緊張で吐きそうであった。
それもその筈、丹波自身がクトーと初対面なのだ。
初対面の未確認生物を組織の重役に紹介せねばならなかったのだ、人物像というかそもそも人間ではないうえ、安全性も確保出来ていない。
勿論、流々と護は信用している。信用していなければ、車内という狭い空間に一緒に居ることなど出来ない。
しかし信用していても安全性に関しては話が別であり、丹波は寿命が縮む思いだった。
その後クトーが予想外に紳士で知的な神物であることを知った丹波は、会談後に流々達を明石探協に連れて戻り仔細を聞くことにしたのである。
「うぅ・・・本当ならダンジョンから戻ったら詳しい事情をきいて、上と相談してから報告書を上げるするつもりだったのに・・・」
「ご、ごめんなさい・・・」
「・・・悪かったわ」
『すまぬ、悪気は無かったのだ』
「知っています、知っています。でももっと早く教えて欲しかったです・・・」
丹波の胃は、クトーと六車のせいでボロボロになっていた。
「ぐすっ・・・それで、結局クトーさんは何なのですか?」
『話せぬことも多いが、それでも良いか?』
「お願いします、明石探協の威信にかかわるので」
それからクトーは、ルルイエに関わる以外の事を丹波に説明した。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・。
・・・。
「つまり、クトーさんはダンジョンに落ちた流々さんの命を助けて、その影響で彼女はこうなってしまったと」
『うむ、これに関しては我も予想外の出来事だったのだ』
「なるほど・・・ちなみにそれって他の、例えば怪我で引退したダイバーとかに使用はできますか?」
『今は無理だな、全ての力がこの子に移ってしまっている。仮にできたとしても、その者が人間のままでいられるとは限らぬ』
「なにそれ、怖すぎです」
流々や護とのやり取りから、クトーが決してモンスターや悪し者ではない事は理解できた丹波であったが、探協がそれで納得できたとしても世間はそうもいかない。
何とかクトーの有用性を示すべく、あれこれと情報を聞き出していた。
「何か、クトーさんの・・・あっ、クトーさんって色々ダンジョンの情報があるって六車会長におっしゃられてましたよね? それって一般公開しても大丈夫そうな内容ですか?」
『それなりに知っているつもりだが、良い内容かは貴様と相談せねばなるまい』
「事前相談っ、してくれるんですかっ⁉」
丹波はダンッと机に手を着き身を乗り出した、その表情は驚きに満ちている。
その様子にクトーは少し後退った。
『う、うむ。そうせねば良いも悪いも判断付くまい?』
「あぁ・・・常識人が、此処に常識人が居ます! 人じゃないけど、やっと・・・うぅ、お願いします。誰も事前の打ち合わせとかしてくれないんですううううっっっ!!」
『う、うむ、承った。そのなんだ、貴様も苦労しているのだな・・・』
何も告げずにふらりと居なくなったかと思えば、あちこちで不審者として報告が入るポテ子。
セーブが効かず様々な物を壊し、最近では妹が関わらないと全く動かなくなった護。
安全第一でしか動かないので、実力よりもかなり低いダンジョンでしか活動しない炎樹。
突然突拍子の無い行動に出るうえ、本人に自覚がない為注意し辛い流々。
更には打ち合わせをしない、打ち合わせ通りに動かないダイバー達。
日々そういった者達に振り回され続ける丹波には、常識的なクトーが救いの神に見えるのだった。
過去にちらりと出ましたが、十二家は以下の通り。
九冬家、虚柄家、蓮泰家、四方家、餺飥家、字家、狗藤家、手輿家、蔵木家、片乃家、右頭家
現在見つかっている家 → 九冬家(九冬 流々)、虚柄家(虚柄 護)、蓮泰家(蓮田 皇)
餺飥家(餺飥 愛) 、 ?家(なるほど☆ポテ子)
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最後まで読んで下さり、ありがとう御座いました!
また次の更新も宜しくお願い致しますm(_ _)m




