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歴史改編:南北戦争

 それではこれより、架空戦記に付きものの「歴史改編」を行っていきたいと思います。

 とはいえ、闇雲に改編しまくるのではなく、ちゃんと秩序立てて最低限の改編に収めないといけません。

 なぜなら、ゲームの基本が「1940年代の終わりに、ナチスドイツと大日本帝国がインドで戦う」というものであるからです。

 改編しすぎたことで「これはいったいどこの惑星の戦争なんだろう?」となってしまっては、架空戦記の本質から外れます。

 なもので、歴史改編に関しては、比較的抑制の効いたレベルで行いたいと思います。

 商業レベルの架空戦記において、歴史改編の中心となっているのは主にドイツと日本、そしてアメリカ合衆国です。

 当然ですね。

 史実で負けたドイツと日本を歴史改編しなければ「1940年代の終わりに、ナチスドイツと大日本帝国がインドで戦う」という状況を設定できませんし、合衆国というチート国家に足枷を付けないと、連中が参戦した途端に歴史改編のしようがなくなります。

 じゃあ、どのあたりから歴史改編するのが順当か、と考えますと、手垢が付いた設定で申し訳ないのですが、合衆国の内戦である「南北戦争」をスタートにするのが最適かな、という結論が出ます。

 「南北戦争」の結果、合衆国の南に「アメリカ連合国=南部連合」が誕生し、彼の国の国力が割れると同時に、その国家視点の多くが北米大陸内に集中することで架空戦記的問題の多くが解決したりします。

 プロの作家さんがこの選択に手を付ける(例:「侵攻作戦パシフィックストーム」「デュアル・パシフィックウォー」など)のも、十二分に頷ける内容です。

 ただ個人的には、この「南北戦争」の転回点を、有名な「ゲティスバーグ会戦」に持ってくるのはどうなのかな~とも思います。

 というのも、「ゲティスバーグ会戦」の起こった1863年7月の時点で南部連合の命運は「政治的に」ほぼ尽きてるんです。

 ミシシッピ川の封鎖(要衝であるヴィックスバーグが陥落したのが正に「ゲティスバーグ会戦」が終わった翌日)とウィリアム=シャーマン将軍によるチャタヌーガからアトランタへの突破をなんとかしないことには、会戦の勝敗を問わず、国家基盤が崩壊して戦争継続が不可能になるのが避けられなかったからです。

 そもそも論として、南部連合が合衆国に「軍事的な勝利」を収めるのは不可能です。

 どれだけ軍事的勝利を重ねようとも、戦い続ければ必ずいつかは敗れます。

 じゃあ南部連合にとっての「勝利」とは何かといいますと、それは「政治的な勝利」に他なりません。

 つまるところ、合衆国政府が「これ以上の戦争継続は、我が国にとって得策ではない」と判断して南部連合の分離独立を容認するか、はたまた外国が介入してきて「南部連合の独立を承認」し、戦争終結を仲介するかのどちらかというわけです。

 合衆国のリンカーン大統領はまさに有事の指導者であり、「勝つことがわかっている戦争」において前者の判断を下すような人物ではありませんでした。

 従って、南部連合が期待できるのは後者、欧州列強(というより大英帝国)に自国の独立を承認させ、合衆国相手の政治的介入を要請する、という選択のみになります。

 では、その可能性はどれぐらいあったのかというと、実は当時の大英帝国、フランスのナポレオン三世を抱き込んで承認やらかす寸前だったんです。

 そりゃまあそうです。

 この時期って、ボストン湾でお茶会が開かれてから、まだ一世紀も経ってないんですから。

 その上、カナダを巡っての軍事衝突があったばかりときている。

 憎っくき合衆国が弱体化する機会を、あのブリテンが見逃すはずなどまったくなく。

 でも、史実ではそうなりませんでした。

 なぜ?

 とある会戦の結果が、イギリスの目論見に「待った」を掛けたからです。

 その会戦の名を「アンティータム会戦」といいます。 

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