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ユニットデータ:水上艦艇(表)

 本作ではユニットデータの大半を計算式で導き出しています。

 歴史改編ばかりでもなんなので、シミュレーションゲームらしく、その計算式&各国の艦艇データを公開していきたいと思います。


 水上艦ユニットの記載数値は次のとおりになります。


・航空機運用力

・機雷敷設能力

・対空火力

・名称

・対艦火力

・耐久力

・スピードレベル


・砲撃レンジ

・索敵範囲

・就役コスト

・艦種記号+防御修正

・雷撃力

・対潜力

・航続距離


1.航空機運用力

 これは、史実における空母艦載機の搭載中隊・飛行隊編成を元に換算しました。

 艦載機ユニットには(のちのち解説しますが)1~3までの「機体規模」が設定されており、航空機運用力を持つ艦艇は、機体規模の合計が航空機運用力の数値を超えない範囲で航空機を搭載・運用することができるというわけです。

 ただし、空母艦載機の定数は編成によって定められているため、それを越える極端な搭載はできないようになっています。

 具体例を挙げますと、日本海軍の雲龍型航空母艦は12の航空機運用力を持ち、定数として

・旋風(ジェット艦上戦闘機:機体規模3)×2

・流星(艦上爆撃機:機体規模3)×1

・流星(艦上攻撃機:機体規模3)×1

 を搭載しています。

 この搭載機を

・陣風(艦上戦闘機:機体規模2)×3

・流星(艦上爆撃機:機体規模3)×2

 や

・旋風(ジェット艦上戦闘機:機体規模3)×4

 に変更したりすることができるわけですが、航空機運用力にかかわらず、定数として割り当てられたユニット数+1までしか搭載できないものとしています。

 つまり、上記の雲龍型航空母艦は定数として4ユニットの航空機を割り当てられているので、どれだけ機体規模と航空機運用力に余裕があろうとも、最大で5ユニットまでの航空機しか搭載・運用ができないということになるわけです。


2.機雷敷設能力

 これは、その艦艇ユニットが機雷敷設能力を持っているかどうかを表しています。

 機雷敷設能力は、機雷搭載数/100の平方根(四捨五入)で算出します。

 なおこの数値には、国籍により機雷搭載数に以下の修正が付きます。


独:×2

米:×3


 また駆逐隊のように複数の艦で構成されているユニットの場合、個艦で算出した数字を×2したものを四捨五入することで算出しています。


3.対空火力

 これは、その艦艇が持つ広域防空力を表す数字です。

 個艦防空に使用する30mmクラス以下の機関砲などは計算の対象に含まれてはいません。

 まず時限信管を使用する長距離対空砲に関して(門数×毎分の発射速度×口径の3乗/10万)×砲身長(口径)/40で計算します。

 この数字に対し、長距離対空砲の開発時期・性能に応じて


条約後:×1.3

戦間期:0

条約前:×0.7

仰角不足:×0.5


 の修正を乗じます。

 具体例を挙げますと、長10cm高角砲12門を搭載している大鳳型空母は、12(門数)×19(発射速度)×10(cm)の3乗×65(口径)/40/10万×1.3(開発時期:条約後)=4.816の対空火力を持っていることになります。

 この数字に中距離対空砲の対空火力を加えます。

 中距離対空砲とは、主に35mm以上の大口径機関砲など触発信管を使用する対空砲を意味します。

 つまり日本海軍が愛用した25mm機関砲は中距離対空砲として扱われず、米海軍が運用した40mm機関砲などがそれに当たります。

 数字は(門数×毎分の発射速度×口径×砲身長/100/4万)で算出します。

 具体例を挙げますと、40mm機関砲64門を搭載しているアイオワ級戦艦は、上記の高角砲火力に、64(門数)×160(発射速度)×40(mm)×56.3(砲身長)/100/4万=5.765の対空火力を加算することができるというわけです。

 艦艇ユニットの対空火力は、上記ふたつの合計に下記の修正を加えた上で四捨五入して求めます。


防空艦:×1.3


 防空艦とは、日本海軍の秋月型や米海軍のウースター級、イギリス海軍のダイドー級のような防空駆逐艦・防空巡洋艦を表します。

 多数の高角砲を搭載していても、米海軍のフレッチャー級のような汎用駆逐艦や水上打撃艦艇は防空艦に含んではいません。

 また算出した数字が小さい場合、四捨五入ではなく以下のような切り捨てを行っています。


2.6未満:2

1.7未満:1

0.8未満:0

0.6未満:-(なし)


 これらの計算は基本的に単艦のデータで行いますが、駆逐艦や護衛艦など複数の艦艇で構成されるユニットは×2(2隻分)で算出します。

 あと、本作では近接信管は実用化されてない設定になってます。

 近接信管自体は、実のところ技術的ブレイクスルーが必要な代物じゃないのでドイツどころか日本でだって作れるし使えるのですけど、じゃあそれを量産品として大量生産できるのかと問われたら、テストだけで何百万発も消費できた戦時中の合衆国じゃなきゃ無理だろうなという結論に達しました。


4.名称

 これは、巡洋艦以上なら個艦の名称、それ以外は艦級の名称を表しています。


5.対艦火力

 これは、水上艦艇の砲撃力を表しています。

 計算式は(砲弾重量×口径の平方根×(砲門数×毎分の発射速度)の平方根)/10)/45×砲身長で、これに以下の係数を掛け四捨五入した数字がゲーム上の対艦火力として扱われます。


砲弾係数:

米:1.2

英独伊:1.15

日仏:1.1

南:1.05


水中弾効果:

日:1.15

仏南:1.1

米英独伊:1


砲身精度:

条約後:1.2

戦間期:1.1

条約前:1


対空砲:0.5


 具体例を挙げます。

 日本の大和型戦艦は、14.6(単位100kg:砲弾重量)×√(18(砲口径:in))×√(9(砲門数)×1(発射速度))/10/45×45(砲身長)×1.1(砲弾係数)×1.15(水中弾効果)×1.2(砲身精度)=28.21を四捨五入した28の対艦火力を持っています。

 砲弾係数は、各陣営における砲弾貫通力を表しています。

 イタリアに英独と並ぶ数字を与えているのはヴィットリオ=ヴェネト級戦艦の主砲貫通力を評価したからなのですが、実際にはイタリアの砲弾は製品ロットごとに精度のバラツキが相当大きかったようなので、この数字はちょっとしたボーナスだと思っておいてください。

 余談ですが、史実の合衆国が戦後になって配備した16インチ砲弾mod6は、アイオワ級やモンタナ級の主砲で使用した場合、距離2万で大和型の垂直装甲をぶち抜きかねない貫通力を発揮します。

 アメリカ合衆国に最高の修正を与えているのには、ちゃんとした理由があるわけなんです。

 続いて水中弾効果ですが、これは各陣営における水中弾発生確率を考慮した上での係数です。

 正直な話、水中弾発生確率にここまで大きな変化があるとは思えないのですが、本作はあくまで「架空戦記」なので、砲弾による効果を意図して高く評価してあります。

 なお、架空国家であるアメリカ連合国はともかく、フランスが水中弾効果の修正を持つことに疑問を感じる方も多いでしょう。

 ですが、フランスが自国の戦艦砲弾に水中弾効果を狙った形状を与えたのは、実のところ日本の91式徹甲弾より先なのです。

 また、巡洋艦や駆逐艦にまで水中弾効果の係数を掛けるのはどうよ、とも思ったのですが、そのあたりは練度その他のさまざまな要素が絡んでのものと考えて頂けたら幸いです(単に日本艦艇へのボーナスとも)。

 あと発射速度に関してですが、カタログ値ではなく、自動砲以外はおおむね、戦艦級が1、重巡が3、軽巡が6か8(薬莢式)、フランスの大型駆逐艦などが8か10(薬莢式)、駆逐艦や護衛艦などが10か15(薬莢式)で算出しています。

 たまにある欠陥砲の場合、この数字に0.5を掛ける場合もあります。

 なお、算出した数字が小さい場合は、四捨五入ではなく以下のような切り捨てを行っています。 


1未満:0

0.75未満:-(なし)


 これらの計算は基本的に単艦のデータで行いますが、駆逐艦や護衛艦など複数の艦艇で構成されるユニットは×2(2隻分)で算出します。


6.耐久力

 耐久力は以下の計算式で出た数字を四捨五入して導きました。


戦艦:

基本値3+

基本設計:

条約明け:基準排水量×3.5

戦間期:基準排水量×3

条約以前:基準排水量×2.5

係数:

重防御艦:×1.1

巡洋戦艦:×0.9

軽防御艦:×0.8

米:×1.1

独:×1.2


航空母艦:

正規空母の場合

基本値1+

基本設計:

条約明け:基準排水量×2

戦間期:基準排水量×1.5

係数:

装甲空母:×1.25

日:×0.9

米:×1.1


改装空母の場合

基本値1+

基本設計:

軍艦改装:基準排水量×1

商船改装:基準排水量×0.25

係数:

日:×0.9

米:×1.1


巡洋艦:

基本値1+

基本設計:

条約明け:基準排水量×3

戦間期:基準排水量×2

条約以前:基準排水量×1

係数:

重防御艦:×1.2

軽防御艦:×0.6

無防御艦:×0.3


駆逐艦:

基準排水量2800t以上:5

基準排水量2800t未満:4

基準排水量2400t未満:3

基準排水量2000t未満:2

基準排水量1600t未満:1


護衛艦:

すべて:0


機雷敷設艦など:

巡洋艦に準じる。


 戦艦における具体例を挙げます。

 日本の大和型戦艦は、3+6.4(単位10000t:基準排水量)×3.5(基本設計:条約明け)×1.1(重防御艦)で27.64=28の耐久力を持ちます。

 基本設計における各項目は、主に起工時期を目処に決定してあります。

 重防御艦であるかどうかは、その艦が16インチ砲以上の対応防御か否かで判断しました。

 巡洋戦艦の係数は、攻防力に妥協して速度を優先した高速戦艦や条約明けの大型巡洋艦(史実の超甲巡やアラスカ級)に与えてあります。

 軽防御艦であるかどうかは、その艦が12インチ砲以下の対応防御か否かで判断しました。

 合衆国&ドイツ艦への修正に関しては、いわゆる間接防御力に対するボーナスです。

 ただし、あくまで架空戦記的イメージ重視の修正でありますので、(特にドイツ艦の場合)実際にそれだけの効果を得られる艦艇であったかどうかは、また別の問題だと思っておいてください。

 空母や巡洋艦も、戦艦とほぼ同様の計算式を使用しています。

 巡洋艦における軽防御の係数は、フランスの初期重巡や機雷敷設艦などの特務艦に与えてあります。

 これらの艦は、排水量の割りには装甲防御が皆無といったレベルのものばかりですので、単に軽防御の巡洋艦(日本の夕張型など)は軽防御艦には含まれません(装甲の無さは少ない排水量で表されています)。

 また駆逐艦の耐久力についてですが、以下の基準で算出しています。


基準排水量2800+:5

基準排水量2800-:4

基準排水量2400-:3

基準排水量2000-:2

基準排水量1600-:1


7.スピードレベル

 スピードレベルは、以下の基準で設定してあります。


戦艦(27kt+):5

戦艦(24kt+):4

戦艦(24kt-):3

高速戦艦:+1


空母(30kt+):7

空母(27kt+):6

空母(27kt-):5

護衛空母:-2


巡洋艦(35kt+):8

巡洋艦(30kt+):7

巡洋艦(30kt-):6


駆逐艦(35kt+):8

駆逐艦(30kt+):7

駆逐艦(30kt-):6


護衛艦(21kt+):4

護衛艦(18kt+):3

護衛艦(18kt-):2


 なお、スピードレベルは速度性能だけでなく、加速力や旋回性など広義の機動力を加味してあります。

 ですので、ゲーム上は速度性能に劣る高速戦艦(クイーン=エリザベス級や長門型など)というものが存在します。

 駆逐艦における「航洋性に難」とは、地中海を主戦場とするイタリア艦やカリブ海・メキシコ湾を主戦場とするCSA艦のための修正です。

 バルト海・北海を主戦場とするドイツ艦も、この傾向が強いです。

 これらの国の駆逐艦は、日米英(それと仏)における大型駆逐艦がいわば「小型の巡洋艦」であるのと違い、純粋な水雷艇駆逐艦、つまり「大型の水雷艇」であるのです。

 大洋での作戦行動を、あまり考えてないわけですね。

 このあたりを調べていると、各国の海軍戦略が見えてきて面白いです。


 次回は裏面のデータを説明していきます。

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