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アメ横のショップ

95話 アメ横のショップ


「いえ、母はもう年でしたから。呪いとかは……」

「これは、失礼。僧のわたしが……」 


 新風セツラのフィギュアは、無いと言われ寺を出た。


 気晴らしにアメ横を歩いてると、見慣れた派手な娘が。


「珍しいわねカオルもアメ横来るんだ」

「あら、愛さん。ごきげんよう。ええ、意外とこの通りの奥にロリータファションのショップがありますの。愛さんはナニをお探しに?」


「わたしは、気晴らしに寄っただけよ。べつに買物では」

「そうですか? でも、ナニかを探してますよね。ああ、ごめんなさいお仕事上探すのは当たり前ですよね」


 呪いの人形とかは、カオル。頼りになりそうだけど。

 そんな物は、わかれば先に言ってる娘だよね。


「そうなんだけど、今回は人ではなくて。あ、」


 細い曲がり角の所に「中古フィギュア」の文字がか書かれた看板が。

 アメ横内にもそんなショップが。


「どうしたんですか愛さん。急に……」


 と、言ってからカオルがわたしの目線の方を。


「中古フィギュアをお探しなんですね。愛さんって、そういう物が……あ、ごめんなさい。お仕事ですよね?」

「ええ、そうなんだけど。呪われたフィギュアなのよ」


 あ、言ってしまった。カオルだからいいか。

 いや、むしろカオルだから。このさい。


「呪われたフィギュア……ですか」


「カオルはアニメとかフィギュアなんかは興味ない?」

「なくはないですけど。ロリータの衣装着たキャラクターってけっこう多いし。たまに参考になるデザインも。あ、でもあたしは白にこだわってますから良いデザインでも白が無いものは。このあいだアキバでカワイイロリータのフィギュア見つけて、思わず」

「やっぱり、ロリータなら買ったりするんだ」

「アニメのデザインって、コチラのプロも思いつかないようなもの作りますから」


 ちょっとなにか考えたふうに。


「呪われたフィギュアって……聞いたことは、ありますけど」


「ずいぶんまえのアニメのキャラなんだけど『ライトニングライバーzero』という作品のヒロインで新風セツラって知ってる?」

「名前だけは……あたし、生まれてたかなぁアレ……。そのフィギュアが呪われているんですか」


「知らないのね」

「はい。そのフィギュアの写真とかあります?」


 わたしは資料にあった写真をスマホで撮ってたのを見せた。


「コレが……。なんで呪われたんです? 持ち主が亡くなったとかで?」

「そーゆーのじゃないの」


 その呪われたフィギュアの話を簡単に説明した。


「そんなぁ魂もない、アニメのキャラクターが呪うなんてありえません」

「わたしもそう思う。人が死んだり事故にあったりは偶然よね。都市伝説だしね。そういう物を欲しがる好事家が居るのよね」

「テレビで見ました。呪物蒐集家の人。なんでそんな忌まわしい物集めるのかしら」

「呪物とか、言って実は信じてないとか……」


「でも、本物もありますよ。だから愛さん、気をつけてください。その呪われたフィギュアって、話のとおりではなく人の呪いかもしれませんね。ちなみにあたしは祓い屋や陰陽師じゃないので呪われても頼らないでくださいね。お力になれませんので」


「あ、いや。そういう話じゃないから」


「では、お仕事頑張ってください」


 今日は曇りで陽も射してないのに日傘をさしたアメ横に不似合いなロリータは去って行った。


 ココにロリータ御用達のショップがあるのか。


 しかし、あの中古フィギュアの看板が、気になった。こういうときは行ってみる。


 靴屋の路地を曲がった奥にショップはあった。


 雑貨の店だ。

 ハロウィンが近いせいかハロウィングッズが並べられている。

 奥を覗くと箱に入ってないフィギュアが並んでいた。

 そこに、赤いショートヘアーの新風セツラがあった。やっぱりわたしのひらめきは。


 そのフィギュアの棚の横にレジが有り。そこには、白髪をお下げにした店員が。


 白髪だけど。お年寄り? 前髪が長くて顔がよく見えない。


「お嬢さん、フィギュアを探しに来たのかい」


 高い声、やはり女だ。ソレも若くわない声。


 でも、買いにではなく探しにって。


「あのぉコレってとって見ていいですか?」

「コレ付けて」


 白い軍手を渡された。


 わたしは軍手をして、セツラのフィギュアを持ち確認した。


 復刻版だ。

 残念。


「お嬢さん、ソレの初期物を探してるの?」


 やっぱ、わかるんだ。この筋のプロだろうか。


「それでもいいじゃない。なんら造形も変わってない。他の店だと一万円はするけど、ウチなら半額五千円でいいよ、箱がないからね」


「そうなんですか。でも、やっぱり初期のが欲しいんですけど……ないですか?」


「あんた、マニアかな? ソレの初期物は、なかなか出て来ないよ」


「ええ、知ってます」


「でも、少し前にウチにあった。2体」


「2体も! 本物ですよね」


「ああ、そこのみたいな復刻物はよく出るけど、ウチのは初期物だった。子供が二人で来て買っていったよ。最近の子はお金持ってるね……ソレの倍以上はしたのに。まあウチだから……」


「売れちゃたんですか……もうないですよね」


「ないね。でも、知り合いがアキバで店出しててな、そこに入ったと聞いたよ。行ってみるといい。まだあるかもしれないよ。でも、あんなもの持ってるといいことないよ。アレが、そこにあった頃売り上げが落ちたよ。噂は本当だった。祟りじゃ!」


 と、お婆ちゃん店員は、大声で言った。


「やめてください。そーゆーの」


              つづく

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