プレゼントの目星
92話 プレゼントの目星
映画は、毎度定番のいちゃつくカップルが殺されるパターンの殺人鬼ホラー。
そこが子供には毒というとこか。
首が飛んでもHしてるとか、アホらしいシーンで笑わせる安直なコメディチックなシーンも多々。
なんでもコレが各地の映画祭でいろいろ賞をとってるのだからわからない。
映画を観終わり。
まず、食事に連れて行き会話だ。
映画は渋屋のシネコンだったから、近くで入りやすいのは、やはりカフェ月光。
「いらしゃーい愛ちゃん、若い子とデート?」
女将は今日はカウンター席に。
まあいつもの場所だけど。
入口に一番近い席なので、入るとすぐ声がかかる。
「女将、違いますよ。先輩のお孫さんです」
「先輩……。このまえ一緒だった等々力さんの孫かい」
「そうです」
わたしたちは奥のテーブル席につき。
「ココ、オムライスが美味しいの。オムライス好き?」
「どちらかというとカレーライスの方が好きです」
と、いう彼はカツカレーを注文。
わたしは、オムカレーを。
「ねえ、今日の映画どうだった?」
彼は少し考え。
「裸の女の人が、たくさん出る映画でしたね。はじめて見ました。そーゆーのシアターで」
だろうな、この前まで小学生だったんだよね。
「そんな裸の女の人たちがモンスターにバラバラにされるシーンは妙に興奮しましたね」
やっぱ、思春期に見せる映画ではないよね。裸の女性が惨殺されるシーンに興奮したって大丈夫かしら。あの映画等々力さんとだと、等々力さんびっくりするかな?
アレ、わたしが選んだ映画ではないからね。
「見たい映画だったの?」
「はい、世界中のファンタスティック映画祭でグランプリをいくつもとった作品なんで」
「映画よく観るの?」
「はい、あの映画の原作は実は日本のラノベで、それがゲームになり。漫画になり、アニメ化になりで。そのアニメが元になりハリウッドか本気で実写化しました。で、ゲームで遊んでたので興味がありました」
「もとは日本のアニメと聞いては、いたけど……。イズミくんは子供の頃から、あんなエログロゲームしてたの?」
「いえ、ゲームの頃までは、あんなHな物ではなかったんですけど……何処でエロくなったのか。アニメかな……。原作ラノベはホラー色が強く……」
やはりオタクだ、あまりしゃべらないかと思えばべらべらと。
「そうなんだ、ゲームはよくするの?」
「はあ。まえはおじいちゃんに買ってもらってましたけど、最近はスマホで。ゲームアプリでやってます。でも、PS4のゲームソフトもプレイしてます。ボクは、どっちかってゆーとヒロインが活躍するのが好きなんです。今日の映画もヒロインで。ボク、あの女優さん好きなんで、あの人の作品、全部見てます」
ほお、なるほど。女優のファンか。で、PS4もやるのか。
プレゼントがしぼれてきたぞ。
「あのー獄門島さんって、仕事はナニを? ボク、おじいちゃんの仕事知らないんです」
「え、まあ雑用業とでも……」
「雑用業?」
「おねえちゃんたちは正義の味方なのよ。ね、愛ちゃん。はい、カツカレー。オムカレーは、もう少し待ってね。今、卵買ってきたから」
女将は、昭和のギャグを。
あ、いや正義の味方ってなんですか。
「正義の味方……おまわりさんですか? おじいちゃんは、昔、おまわりさんだと聞いたことが」
「いや、違います。警察ではありません。実はMIBなの」
「獄門島さん、子供扱いしないで下さい。おじいちゃんがMIBのわけないでしょ。いつもヨレヨレの背広着て仕事に行きます。刑事とか、の方が、まだらしいです。獄門島さんも地味な格好だし……」
中学生に地味とか、言われた。
「でも、その下縁メガネ、素敵です。髪型もなんとなく好きです。獄門島さんって、どこかアニメに出てきそうな人みたいですよね。フィギュアが出たらソク買います」
「そんなの出たって売れません……」
それは、わたしがマンガ顔なのか。
昔、誰かに言われた気がする。
フィギュアか、コレも候補に。
「アニメに、こういうメガネかけたコがよく出るって聞いたことがあるけど、コレはお婆ちゃんの形見よ。コレかけてるから老けて見えるってよく言われてるわ。わたし、アニメの登場人物みたいに目、大きくないし」
「はい、オムカレー。大丈夫よ、愛ちゃんは、私よりぜんぜん若くてキレイだから」
「女将さんに、くらべられても嬉しくないんですけど。でも、女将さん、わたしたちの会話を立ち聞きしないでください」
「そんなことないよ。偶然、聞こえちゃてるだけだよ」
そんな雑談をして店を出て別れた。
三日後に等々力和泉くんからラブレターが届いた。
おじいちゃんに。等々力さんに、持たせたんだ。
等々力さんは、映画のときのお礼だと言ってたが、中の文面は完全にラブレターだった。
つづく




