現場は酷いありさま
90話 現場は酷いありさま
わたしの祈りが通じたのか。
深夜2時30分頃、巨大生物の息がたえた。
死んだようだ。
報道番組のなんとか、という生物学者の言うことには、海から上がったのがネックになり、連日の熱帯夜で、だいぶ体が干からびたそうで。
あのオタマにとっては自殺行為だったようだ。
動かなくなった巨大生物から皮膚やら、なにやらを取り研究にはいったと。
朝方報じてた。
周りの連中の電話攻撃もあり、わたしは寝ないで、この巨大生物の報道番組を見続けていた。
徹夜してしまったわ。
今日は、仕事だ。
あ〜あ、行きたくないけど、行かなきゃ。
同じ建物内なのは幸いである。
トーストを食べて、会社に行くと。
オフィスでは、皆さんパソコンでネットニュースを見ていた。
珍しく青沼さんや等々力さんも居た。
「今日も30度こえの晴天だって。アレは干物になるだけならいいけど腐るよね」
と、田守くんが。
そこへ。
「おはよー。ふわぁ〜お大場で徹夜しちゃたわ」
八ツ墓村さんが、お大場から直、会社に来たようだ。なんだか、なにか臭う。
「最悪ぅ〜夜が明けたら、さらに温度が上がり、お大場周辺が最悪の腐敗臭で酷い事に……」
「周りの人が、ゲロゲロやって、ゲロ臭さも混じってもっと臭くなって、あのあたりは人が居るトコじゃないわ〜電車の中まで臭ってたわ」
しばらくして、ハルカからも同じような内容の電話が。
〘なるほど、ひどい悪臭ですね、腐敗したブロブモンスターがすぐに処分されるのも、うなずけます〙
マスクをして、外で、中継をしているUMA研究家が言っている映像が、みんなのモニターにながれてるのが見えた。
わたしは、面倒なので、田守くんのを見ている。
「獄門島ちゃん。私の服、臭うよね」
八ツ墓村さんが、わたしによってきた。
臭い。
「ええ、少し……」
「シャワー浴びてから服買いに行こーっと。獄門島ちゃん、下着とかも処分しちゃうから着替えを貸してくれない。獄門島ちゃんのサイズなら、合うでしょ。胸は、きつそうだけど」
「八ツ墓村さん、最後の一言は余計です。いま、部屋に行って取ってきますから」
怪獣の死体を後始末していた処理班は大変だったんだろうなぁ。
ふと、この前、配信で観た映画を思い出した。
真夏日が続いてる今年は最悪だ。
巨大生物から、悪い細菌とか出なければ、いいけど。
この巨大生物騒ぎは、陸に上がり暑さにまいったのか、動かなくなり死んでしまったのでお大場以外は、たいした被害もなくおさまった。
巨大生物は、やはり巨大なだけのオタマジャクシだったという研究結果が、大きくなった理由は、隕石によるものなのかは不明だった。
トゥルルル
〘アイ、ニュース見た?!〙
「いや、お店で、お昼食べてるとこだから」
〘海ほたるのあたりに、巨大なエビが出たって!〙
今度はエビ?!
『怪獣令嬢』の巻 おわり
つづく




