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白馬の王子様?

86話 白馬の王子様?


「今の娘が、テマリが言っていた『魔』がかった子か?」


「ええ、どう思います?」


「『魔』というほどの魔気は感じられなかったぞ」

「そうなの、淫魔のたぐいでは、ないの?」


「淫魔なんて、某宗教団体が作り出した小悪魔だよ。本当の淫魔的ヤツは、教会のエクソシストなんかには祓えない。テマリは、まだまだ修業不足の駆け出しだから、あの程度の異気で、魔と感じたんだよ。あれは……」

「ホムンクルスとかじゃ……?」


「笑わすな、中学生が簡単にホムンクルスなど作れたら16世紀ヨーロッパの錬金術師は苦労しないわ」

「まあそうだと思う……じゃナニかしら」


 ホムンクルスとは、人が魔術で作る人造人間だ。金田一にも聞いたが。漫画でも。


「私が思うにアレは。オカルトではない、精神科にでも連れてった方がいいかもな」


「精神科? 心が病んでると。そうは、見えなかったけど、白いロリータがおっただろ、アレならわかると思う。あの娘の心の中に異物が存在している。おそらく、あの娘が作り出したモノだろう」


「あの、それって幼児期などに孤独な子供が作り出す。見えない友だちみたいな……」


「よく、聞く話だろ……」


「部屋で自分が作り出した彼氏と語ってたのを母親が聞き、彼氏と勘違いしたってコトかしら……」


「そういう友だちは、彼女の成長とともに消えていくんじゃないの」


「だったら、見張ってても彼氏なんか発見出来ないわね」


 あの豪邸の一人娘。

 両親からいろんな期待をかけられてプレッシャー感じていたあの子、心の中になんでも話せる彼氏を作り出したのか。


「あら、こんなトコで。愛さんこんにちは。今日は隠し子を連れてお散歩ですの」


「隠し子」

「誰が隠し子だ!? おまえ、テマリと居たときも隠し子と」


「あら、よく見れば、テマリさんの隠し子」


「テマリの隠し子でもないわ!」


「まあ口の悪いお子様だこと……」


「いいとこにカオル、ちょっと来て!」


 まだ、追いつくはず。

 わたしはカオルの手をとって、走った。


「なんです、愛さん。あたしの靴は走るのには、むいてないの!」


 何度か転びそうになったカオルの腕をわたしの腕でささえながら子南九里歌をおった。

 そして彼女の背中が見えた。


 わたしは立ち止まり。


「あの前を歩いている子を霊視して、何かおかしな物が見える」


「見える、愛さんと隠し子が……」


「え、それっておかしな物!? あの子の記憶でしょ」

「ちょっとまえに合ったのね、あの子に……中年のメガネおばさんとか、学校の先生かしら……」


「なにか、変わったモノは?」

「ん〜そばに行かないと」

「じゃ薫、一人であの子と話してきて」

「愛さんは?」

「わたしは顔がわれてるから」

「なに、仕事なの?」

「お願い、後でお礼はするから。あの子ね、ロリータに憧れてるから、お話ししてきて、黒いロリータの友達とか言って」

「テマリさんのお知り合い?」


 わたしが手を引くより、うまく走ってカオルはあの子のトコに。



 そして、九里歌と話したカオルを連れ、カフェ月光に。


「ホット、二つ」


 いつもの三編みのウエートレスが水を置いていった。


「で、どうだった。あの子に変わったとこなかった?」


「変わったとこ……あたしみたいなのよりゴスが好きって、ちょっとした、デビギャルに憧れてるそうよ、高校デビューするとか」


「ああっと、そーゆーのじゃなく、別の人格が隠れてたとか」


「あの子、多重人格者なの?」


「ちょっと違うんだけど、彼女が一人で語るような話し相手が、できる人格とかの存在とか」


「そういうことね、寝ていたけどやたらとキレイなイケメンくんが……なんか宝塚の男役みたいな。カッコイイマントの。夢見る女の子の中に居る白馬の王子様的な……。よく居るわよ、あの年頃の女の子には」


「白馬の王子様なんて、私は興味なかったな。わたしの知り合いで、二十歳すぎるまで、白馬の王子様を待っていたコがいたな。でもよ、実際に結婚した相手がラグビー選手で、ずんぐりむっくりのゴツいヤツだったの」


「あるあるね」


「でも、そんな心の中の王子様と会話が出来るのかしら」

「まれに居るみたいね。あまりに思う感情が強すぎて人格まで作り上げてしまうのよ」


「それほどの感情が……」


「ヒトの脳って思ってるよりスゴいそうよ」


 

 この結論をどう報告するか、社長に相談したら。


「なるほど、実在しない彼氏ね……。心の存在か。わかった僕が報告書にまとめて、依頼人に送っておく。娘の夜のひとり芝居みたいなもんだな、親が聞いたのは……」


 報告書を送ってからは、何も、言ってこないとか、とりあえず仕事は終わった。


 あ、しまった。また、カオルの連絡先また聞きそびれた。




 子南九里歌の部屋。

 そこには、人気の異世界アニメのフィギュアが何体も並んでいた。

 なかでも、主人公の王子でもある勇者と、その彼女的なヒロインの魔法少女は、種類も多い。

 魔法少女は、黒い衣装のロリータファッション。


 子南九里歌はヒロインの魔法少女のコスプレをし、並べた勇者の一番お気に入りのフィギュアを取り話しかけた。


「勇者さん、今夜はどんな異世界へ連れて行ってくれるのかしら」


『彼氏は、どこ』の巻 おわり


               つづく              

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