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憧れのロリータ

84話 憧れのロリータ


 わたしは、社長室に呼ばれた。


「あの、子南おばさんから電話があってね。ひと月以上たってもなんの進展もないのは探偵料のボッタクリかと」


「すみません。わたし、こういう普通の調査、なれてなくて……」


「まあねぇ獄門島ちゃんのせいじゃないから。僕もね、エースとか言っちゃたから……」


「社長、私なら娘の持ち物に盗聴器とか、仕掛けて」


「盗聴とか、やりたくないんだよ。ウチはクリーンな仕事を売りにしてるから……いいとこ盗み撮りだよ八ツ墓くん」


 意外とヘビースモーカーだった社長は、禁煙をはじめた、ポケットからガムを出し口に入れてから。


「で、考えたんだ。しばらくはウチのやり方で調査は進めて、ナニか進展があるまでは調査料はとらないと」


「すみません。わたしが無能なばかりに」


「獄門島ちゃん、生徒になりすまし潜入捜査とか」


「それも考えましたが、いくらなんでも中学生は……」


「八ツ墓くん、それは無理だよ……もし獄門島ちゃんが中学生に見えても探偵が調査で学校内には入れないよ」


「漫画だね……。漫画みたいに学校内。生徒に探偵まがいの生徒が居れば協力してもらい……」


「さすがに都内の中学生に知り合いはいませんしね……あ、彼女に頼めばすぐにわかるかも」


「彼女……病院坂ちゃんかな?」


「あのコなら、子南九里歌に近づけるし、あの異能で……」


「病院坂ちゃんさ、あれからウチの仕事受けてくれないんだよね。あたしの能力はお金儲けのためにあるんじゃないとか言ってたよ」


「あの娘、島では楽しそうだったわよね……」


「八ツ墓村さん、わたし実は彼女と連絡とれないいんです。社長はどうやって、薫と?」


「僕は知り合いに、そっち方面で凄い人いないか相談して彼女を紹介してもらってね。まああのときは、なんとかね……獄門島ちゃんを知りあいだったもんね、それもあって。彼女が協力してくれた理由の一つだったんだよ。親しいんだろ彼女と」


「いえ、それほど。あのコの能力と顔見知りな程度で八ツ墓村さんと、かわりません」


「私より好かれてるよね獄門島ちゃんは。LINEしてなかったっけ」


「むこうからは……こちらからの返信はほぼ皆無で」




 仕事を再開。

 確かにあのコが居ると仕事が進むだろうね。

 なんでLINEは無返信なのかしら。

 と、意味もなくスマホでニュースを見てると。


「獄門島さん、歩きスマホは危険ですわよ」


 ふと、顔を上げると。


「テマリ……あ、テマリさぁカオルと連絡とれる?」

「病院坂の? 残念ですわ、あたしたちそれ程親しくなくてよ」


「電話でファッション情報交換したりしないの?」

「してません。基本同じロリータでも、彼女のとは少し……でも、それもありかもしれませんね。このまえ会ったときにその話で少し盛り上がりましたから……」


 うわぁ! 


 テマリの後に見えるのは、子南九里歌じゃないの。


 どうしたの? 九里歌、急にコチラに走って来た。


「おねえさん! それ、ゴスロリファッションですよね?」

「そうよ」

「あのぉ写真撮らせてもらえませんか? わたしも、そういうファッション好きなんです」

「いいわよ」


 テマリは、石塀の前でファッションモデルのようにポーズをとり、子南九里歌がスマホで撮る。

 横や後からも、なんポーズか撮ると。


「ありがとうございます。わたしも自分でお金つくれるようになったらロリータファッションを着たいんです。とくにおねえさんのような黒いロリータファッション」


「そうなの、あなた中学生?」

「はい、まだ一年なんで、大分先なんですけど。やっぱり、そういう服は姙宿(はらじゅく)とかで買うんですか?」

「必ずじゃないけど、他にも大官山とか、の方面でも、意外と千葉でも帰るとこあるのよ」

「千葉ですか……。わたしは、この近辺だから都内ですね。写真撮影ありがとうございます」


 頭を下げ、わたしの前を通り過ぎて行った。

 テマリしか、目に入ってないようで助かった。


「あの子は三年後には、立派な黒ロリになってるかしら……。まあ、あたしみたいのじゃないなら……。でも、ちょっとあぶないかもねあの子」


「それは?」


「あの子……魔とかかわってるかも。カオルさんなら、見れたかもね……」


「そうなの、あ!」

「ナニ?!」


「あの、テマリ。魔術で彼氏とか作れる?」


「出来なくもないけど……、どうして? まさか、獄門島さん。魔法で男、作る気ですか?」


「違うわよぉアンジェラじゃあるまいし」

「ですよね」


                 つづく

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