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地下鉄のロリータ2

80話 地下鉄のロリータ2


 今日は、東西線件下くだんした)から乗り。

 西船方面へ。


 けど、彼女千葉県内へ出るのだろうか。

 地下鉄のロリータ伝説は、都内だけだったのを思い出した。


 東洋町に着いて後ろの車両まで、歩き始めた。


 ボクの進行方向の車両に。白い人物が見えた。


 残念、バケットハットに白いワンピース。

 肩からかけた古い茶色いバッグにアヒルの頭の付いた傘を。

 下縁がべっ甲のメガネ。


 あれ、何処かで見た女だ。

 そうだ、田守と一緒に居た。年上の。


「あのぉこんにちは……」

「ん、誰? あなた。ナンパなら他でして」


「田守盛太の会社の人ですよね」

「ああ、いつだか背田谷で、会った田守くんのお友だちくんね」


 この人は病院坂薫と親しいと田守が。


「このまえは、失礼を言ってすみません」

「べつに気にしてないわ、あの場では一番年上だったし……あ、あなた田守くんが言ってたけど、フラれたのにまだ、薫を」


 あいつ、さり気なく聞いてくれと言ったのに……しゃべったのか。


「惚れた男は、そう簡単にあきらめきれない。まあ、女もね……。それで、あぶない人になっちゃたりするのよね。ストーカーとか」

「ボクはストーカー行為など、だってあのとき会ったきりなんですから」


「再会したらどうする気?」

「もう一度、アタックしてみます」


「そう。でも、無理だよ。あの娘まだ田守くんに惚れてるわ。でもねぇ田守くんは……」


「わかります、田守は、ああいった若い子は苦手なんです」


「あの……。地下鉄のロリータ伝説はご存知ですか?」

「知ってるわよ。でもロリータファッション趣味の人だって地下鉄乗るわよ。まあ目立つ格好だからねぇ」

「でも、頭から靴まで、傘も真っ白のロリータは……」


「なるほど、アレをカオルると思ってるのね。真っ白で、靴がピンクのコは見かけたけど……全身真っ白ねぇ。わたしもカオルしか見たことないわ。まあたまたまかもね。他にも居るんじゃない全身白いロリータって」


「そうですかね、あの手のコを見かける大官山とか姙宿等行きましたけど彼女みたいなコは……」


「そんなに会いたいのぉあんた。あの娘たちはさぁ会いたくなくても自然と会うのよね」

「あのコたち?」


「ああ、わたしもう一人。知ってるのよロリータの娘」

「そうなんですか、でどんなコですか」


「あ、ごめんね。わたしここで降りるから……もう一人は黒いの。じゃ」


 黒いロリータ……あのゴスロリでは?


 残念、手がかりが何もなかった。ホント、あの人は何も知らないようだ。

でも、黒のロリータも知り合いなのか。


 もしかしたら、あの人のそばに居たら会えるかも知れない。


 ところであの人の会社は何処なんだ。


 仕事は、なんなんだ田守。

 今日は日曜だから休みかな?

 昼間だから仕事中だとわるいか。


 なんて思いながらも電話してみた。


「ゴメン田守、仕事中?」

〘いや、今日は休みだ。たまたまだけど。いつも日曜が休みなわけじゃない〙

「そうか、じゃ今は大丈夫か?」

〘ああ、ナニ?〙

「おまえさぁなんの仕事してるの?」

〘なんだ突然。まあ……なんでも屋みたいな……〙


「なんでも屋」

〘頼まれて出来る事ならなんでも的な……〙

「そうなのか、なら病院坂薫を捜してくれるのか」

〘まあ人探しもするが……社員のボクが決めることじゃないから。おまえ、まだ捜してるのか彼女〙


「ああ、どうしても頭から離れないんだあのコ」

〘人捜しは高いぞ……〙

「だろうな。で、このまえの先輩の女性は会えるかな」


〘獄門島さんか〙

「そんな名前なのか彼女」

〘獄門島愛さんだ。まあ会社に居れば会えなくもない……まさかおまえ、病院坂さんと獄門島さんを。フタマタ惚れか?!〙


「そんなんじゃない! それにボクはおまえと違い年下好みだ。あのロリータをよく知るその獄門島さんとやらと、ゆっくり話したい」

〘そうなのか。でも、ボクがやった情報以上は聞けないと思うけど〙


 それは、知ってる。

 ボクの目的は……。


「あ、田守くんのお友だちだ!」


〘ん? どうした和戸村!〙


 ボクの横に真っ白いロリータが立ってた。


               つづく

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