愛しのロリータ
77話 愛しのロリータ
「あら、田守くん。珍しいトコで、会うわね」
「そうですね獄門島さん。この辺ウチの近くなんです。仕事中ですか?」
「そう、まだ帰れないの。そっちはもう」
「はい、今日は」
「アレ、田守?」
「あ、和戸村じゃないか。久しぶり」
「おや、デート中だった? 邪魔してごめん!」
「違うよ、この人は会社の先輩で、たまたまココで会ったんだ」
「そうなんだ……。彼女思い切りおまえのタイプじゃないの。狙ってる?」
「バカ、ナニ言ってんだよ!」
「あ、田守くんのお友だちくん。思いっきり聞こえてますけど。わたしたちは、ただの会社の同僚よ」
「あ、聞こえました。こいつ、年増趣味で熟女好きなんですよ」
「知ってるわ、けど友だちくん。わたしは、たしかに田守くんより年上だけど、たいして離れてないわよ。年増だの熟女だの失礼じゃないかしら」
「あ、ごめんなさい。失礼しました」
「和戸村、彼女は地獄耳と言われる……」
「田守くん、わたしがデビルイヤーって、初耳よ」
「あ、そうでしたっけ。社長が言ってたのかなぁ」
「あー田守さんが愛さんと、こんなトコでデートしてる。しかも、もう一人男が。なに、三角関係?」
「うわっ、病院坂さんじゃないですか。突然現れて。いつもですけど。変な誤解しないでください。獄門島さんとは、今、ココで偶然会ったんです。こっちの男は学生時代の友人で、やっぱり偶然に……」
「おい、あの美少女は、何者だ田守。まさか、お前の……」
「なんだと思ってんだ。ただの知り合いだよ」
「だよな、どう見ても若い子だもんな。田守、あのめちゃカワイイ子にボクを紹介してくれ」
「そうよ、偶然にあったの。こんにちはカオル」
「偶然なんてないって、誰か言ってなかった。田守さんのお友だちさん、こんにちは。あたし、病院坂薫と、もうします。田守さんに、惚れてフラれた者です」
「ナニ、田守! こんなカワイイ子をフッたのか。なんて罪作りなヤツなんだ。ああ、こいつは年増が好みだからな。レンタルするAVは熟女物ばかりだし」
「和戸村、ウソを言うな!」
「病院坂薫……ちゃん。よかったらボクとお付き合いしてくれませんか。おにいさん薫ちゃんに一目惚れしちやたんだ」
「おい、和戸村。初対面の人に失礼だぞ」
「初対面だから、一目惚れなんだろ」
「おにいさん、お名前は?」
「和戸村猛です。どーぞよろしく」
「和戸村猛さま、残念ですけど、あたしは、あなたとお付き合いする気はありませんわ。おあきらめ下さい」
「和戸村おまえ、見事にフラれたな」
コレがボクと病院坂薫との出会いだ。
偶然出会ったので、彼女の家も何も知らない。
友人の田守盛太に聞いても、彼女のコトは何も、知らないと。
で、あのとき一緒だった先輩という女性が仲がいいと聞いたので、彼女のコトを聞いてもらったが、あのヒトも名前とロリータファッション趣味しか、知らないと。
謎すぎる。あの子はいったい何者なんだ。
出会ってそく、一目惚れ。
そして告れば、その場で即フラれた。
でもボクの頭の中は、謎すぎる彼女でいっぱい。
ところで、あの子はいくつなんだ? 中学生くらいに見えたが、童顔の高校生ということも。
二十歳はこえてないよな。
十三、四だと、ちょっとヤバい。でも、そうなら待つ。十八まで、手を出さない。
あ、ナニ考えてんだボクは。まだ、付き合っ
ても、いないのに。
とにかく再会したい。そしてもう一度アタック!
そんなとき、地下鉄のロリータの噂を聞いた。
地下鉄に白いロリータファッションの美少女が現れるという都市伝説めいた噂話。
年配者には、地下鉄の深キョンと呼ばれてる。
白いロリータとは、目撃談から病院坂薫ちゃんだろうと。
ボクは時間があれば地下鉄に乗った。
つづく




