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カレワラの人

707話 カレワラの人


「その子ならあそこに、入ってくるとき見なかった?」

「あら、ホント気がつきませんでした。あたしメイドには興味ないもので」


「なら、なぜココにカオルさん」


「愛さんに会いに。わかるでしょ。テマリさん。あの、メガネのメイドさん。あなた6号におなりになったの」


「はい、なんでわかったの……」


 あまり、この人とは、しゃべらないけど。この人は妙な貫禄みたいなものが。

 見た目はあたしと変わらない、イヤ歳下に見えるのに。


「6号さん、ちなみにあたし愛人1号なのよ。ホラ」


 白ロリータはポシェットからカード出し見せた。


「カオルさん、ソレ持ってくれてるのね」


「テマリ、カオルにも送ってたのね。カオルが1号」


 不思議思ったけど、住所知ってるのかしらテマリは?


 まあそうなるのか、彼女と仕事したのは金田一より先だし、テマリよりも先に知り合った。

 たた、愛人っていうのは誤解される。

 わたしはべつにユリのハーレムを作りたいわけではないわ。


「あら、何かしら。モモコが中年のオバさんになにか。すみません、ちょっと行ってきます」


 彼女、フロワーチーフなのよね。

 なにかトラブルかしら。


「愛さん、あの女。警察よ。女の周りに警察官が見える」


 あら、来たのね。カオルには身分隠しても、わかるわね。



「あなたが、責任者じゃないでしょ店長さん呼んできて!」


 やはりモモコが子どもと。

 とりあえず、わたしも保護者みたいなもんだし行かないとハルカに迷惑を。


 事務室からハルカが。


「店長の女王蜂ですが、なにか?」


「店長さん。この子はいくつなの」


「16ですけど、なにか?」


「六才の間違えでは?!」

「六才のわけ、ないですよ。それじゃまずくありません? わざわざ子どもを稼ぎのために雇ったりはしません! この子はこう見えて子ども、小学生じゃないんです。ほら、顔をよく見てください小学生の顔ですか?」

「最近はモデルとかの小学生も居ますからね、ちょっと大人びた顔の子も。背はいくつかしら?」

「あなたは身長で歳を……。この子は可哀想な子で障害のせいで……。身分証明書もありますけど見ます?」

「見せていただくわ……。日本人ではないのね、コレはドコの国かしら、見たことない字だけど」


「カレワラという国です」


「あなたは?」

「獄門島といいます。モモコの保護者みたいなもんです。親戚なんです彼女」


「親戚? あなたは日本人よね」

「彼女は姪です。姉がカレワラの人と結婚しまして、日本が好きな彼女に、店長さんに短期でアルバイトを頼みました。店長はわたしの親友です」


「そう……。わかりました。この店に小学生メイドが働いてると聞いたものですから。失礼しました」


 警察のオバさんは、一礼して店から出ていった。


「うわぁ~アイ。来てたのね」

 

 どうしたのハルカ、抱きつくなんて。


「さっき、アイ。ワタシを親友と。ワタシ、親友なんて、よばれたの初めてだわ」


 お嬢様、そんなんで喜んでるの。


 それから、ひと月メイドとして働いたモモコが、わたしとテマリを店に呼んで。


「アタシのはじめての給料だ、今日はアタシの奢りだから、好きな物を食ってイイぞ」


 って、言われてもメイドカフェだからね。


「オムライスといちごクリームパフェで」

「あたしも愛さんと同じで」


「そう、遠慮しないで一番高いの食えよ。それからアタイは、バイトは今日でやめる。メイドもあきた」


 まあ、はじめは二週間だったんだから、もったほうだ。

 ひと月もやるとは思ってなかった。



 カート台に乗せて料理を運んできたのはハルカだ。


「アイ、彼女にもう少し働いてもらえないかな」


「そんなにモモコ、人気あるの?」


「そう、あっという間に一番の娘、ぬいちゃたのよ。けっこうモモコ目当てで来るのお客さん」


「べつにわたしはマネージャーとかじやないし、決めるのは彼女自身だから」


「ありがとう店長。楽しかったよ。アタイ帰らないといけないんだ」


「と、いうことよ。あきらめてハルカ」


「ええ、わかりました。あきらめます。そのかわりじゃあないんだけど、隣の鬼首村さんでしたっけ」


「ええそうよ」

「ワタシにも愛人カードくれない」


「はぁ、何いってんのあんた。そんな物もらっても、なんの特もないわよ」


「実はワタシ、学生時代からアイのファンだったの。ラブちゃんに見せられて、ワタシも欲しくなりました。番号なら、ホントは一番なんだけど七番目でいいわ鬼首村さん」


「わかりました7号の愛人カードを」

「あら、キスマークがないわよ」


「すみません、急なもので。キスマーク付きは、きらしてしまい。そうだ、愛さんコレでお願いします」

「あのねテマリ……。これは、黒い。ゴスロリの」

「ホントは1号さんだから特別です」


 なんだかんだと、わたしは黒いルージュでキスマークを。


 親友なんて一言で涙流した女王蜂遥を思って。


『モモコ、はじめてのお仕事』の巻 おわり


              つづく

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