愛人は歳下
706話 愛人は歳下
モモコのコト、テマリとマナちゃんに頼んじゃたけど、やはり気になる。
とは、言うものの一度も見に行かず。
モモコの研修期間が過ぎた。が、遥は、ナニも言ってこない。
テマリもマナちゃんも、ナニも。
その間、わたしは浮気調査を2件と身辺調査を一つ終えた。
で、気になって、というか、たまたまアキバに来たのでメイドカフェ『ハニーにおまかせ!』に顔を出した。
「いらっしゃいませ、お嬢様」
「うわ、メイド? ゴスロリが。テマリじゃない、ナニやってんの」
「すみませんお客様、お戯れは」
メガネかけたマナちゃんが、テマリをさがらせて。
「いらっしゃいませお嬢様。コチラの席に」
と、マナちゃんに隅の席に。
わたしはテマリとテーブルに着いた。
「愛さん問題なく、モモコはメイドをやってますよ」
「そう、ならいいんだけど」
「ご注文はどういたします? 愛さん。モモコの様子を見に来られたのなら……」
マナちゃんがお冷を持ってきた。
「ナニか……。オススメは? マナちゃん」
「愛さん、店ではラブと。本名は言わないで下さい。個室ならイイですけど」
「ラブ……。愛って書くから? フフフ」
「可笑しいですか? アイだと、ダブってしまいます」
「いや、ラブはイイよね。ただ、叔母の家の猫と同じ名前なんで……」
「愛さん、ココのイチゴパフェおすすめです」
と、テマリが。
「じゃソレを」
「ハイ、イチゴパフェですねお嬢様、すぐに」
「アタイに、バナナチョコパフェをくれないか。ゴクモントーとテマリの分はアタイにつけておいて」
急に現れたモモコがわたしの席の隣に座って。
「休憩時間だ、大丈夫だよゴクモントー」
モモコは、休憩中なのでメイド服の上にジャンパーを着てる。
「ホントにモモコって、愛さんより歳上なのね。そうしてると貫禄あるわ。あ、ご注文のパフェ、すぐに」
マナちゃんは厨房の方に。
「モモコ、そんなコトまで、マナちゃんに言ったの」
「ああ、聞けばあの娘、アンジェラやテマリも知ってると。ゴクモントーのファンだとも言ってた」
「なら、彼女に」
テマリば、ポーチからカードを出して。
「渡そうかなコレ」
「ナニよソレ?!」
「へへへッ……」
「変な笑いしないの。だいたいわかるけど」
テマリがニヤニヤしてると。
「テマリ、ソレアタイにもくれ!」
「ダメよ、モモコは愛さんをゴクモントーと、アンジェラみたいに呼ぶからあげない」
「だって、ゴクモントーだろ。アタイは向こうの世界でも」
「でも、向こうのもうひとりの娘は獄門島さんと呼んでたわよ」
「もうひとり……。あ、ミュリネーか。あの娘はイイコだからね。が、アタイはゴクモントーより歳上で賢い」
「モモコ、実はねコノカードを持ってる娘たちはね皆、愛さんより歳下よ」
「テマリ、オーナーや社長は?」
「あの人たちのカードは別物よ。ホラ、あたしも持ってるけどプラ製よ。あたしのは紙だから、愛さん」
「そうなんだ……」
「おまちどうさま、お嬢様方。ご注文のパフェです。美味しくなる魔法かけますかぁ」
「あぁいいよ……。マナちゃん。あ、ゴメン。ラブちゃん」
「遠慮なさらずにお嬢様。では、かるく。美味しくなぁれ、トリンカ・ファイブ!」
と、マナちゃんは、パフェに両手をひろげて言った。
「あら、マナちゃん。それって美味しくする呪文じゃないわよ」
「そうなの、友だちが教えてくれたの。良いことがある呪文だと」
「そうね、確かにそういう呪文よ。でも、5回から8回は言わないとね。ジプシーが使う必要なお金が入る呪文と言われてるわ」
「テマリさん、詳しいですね。さすがゴスロリの教祖」
「ゴスロリだけど、教祖じゃないわよ。あ、マナちゃんにコレあげるわ」
「なんです? キスマークが……。獄門島愛の愛人カード」
「あ、かして。あなたは六号よ」
テマリはカードにボールペンで6と。
「へぇ~あたしの前に5人も居るんですね」
と、テマリとモモコを見るマナ。
「アタイは違うよ……」
「モモコ、ふてくされない。友だちなんだからイイじゃない」
「じゃ、アイ・ゴクモントーと、フレンド・カード作ってよ」
「モモコは、意外と子どもだな」
パフェ食べ終えてモモコは仕事に戻った。
「ラブちゃん、モモコを入れるときに店長は二週間の研修期間までとか言ってたんだけど」
「そうなんですか、モモコは覚えがいいから研修は一週間で。その後は普通に。ファンも何人かつきましたよ」
「ファン?!」
「ええ、個室のお客様に何度もご指名が。休日には写真撮影に並びますよ常連客が」
「なるほど、個室ならあまり目立たないよね。でも写真撮影とかは目立つでしょ」
「まあ、はじめは子どものメイドが居るとかで騒がれたときもありましたけど。彼女、説明上手で、すぐに納得をさせて。でも、ウチの店長大胆な人だから、まえにキャバレーまがいな制服大会とかやって、注意されたのよね。未成年の出入りする店だから」
「憶えてるわ、あのときソフトクリーム目当てに、わたし来たのココに。で、店長が知り合いと知ったのよ」
「それは和泉くんに。注意されたのがきっかけで警察の人がときどき身分隠してくるんです。客のフリをして」
「やはり愛さん。ココに」
「あらカオル。どうしてココに?」
「アキバに来たら2、3回見かけたの。仕事だと悪いと思って声かけなかったんですけど、この店の前を通ったら、出てきた人の頭の中に愛さんとテマリさんが見えたものだから」
「わたしたち二人がいたら遊んでると思ったの?」
「いえ、そういうわけでは。でも、テマリさんが一緒なら、ナニか面白い仕事かしらと」
「あ、お嬢様。すみません。店内では傘をおとじ下さい」
「あら、あなたは。まえとぜんぜん違う姿ですけど社長さんトコの旅行で」
カオルは傘を閉じながら。
「そうですね、愛さんとお二人が揃ったトコ、久しぶりに。もう一人小さいゴスロリさんが」
「あの人は向こうの人だから……。あの、三人に共通のピンク色の髪の小さなメイドさんが。彼女は何者かしら? アンジェラじゃないわよね」
つづく




