仕事の展開
703話 仕事の展開
「公園で写真を……。何処で?」
「桜は、まだ早かったが、王寺のアスカ山公園に。たまたま、王寺の友だちんトコに行ったんでね。そのときに」
「相変わらずね。まだ写真撮ってるんだ。健ボー。あ、中三のときに撮った私のヌード、まだ持ってる」
「おい、健ちゃん。ソレは初耳だぞ、いつ撮ったんだ!」
「撮ってない!」
「佐倉井、冗談だよ。いくら私がナイスボディだったからと健ボーに裸、見せてないわよ。大分ぽっちゃりしたけど今なら見せてやるわよ。見る?」
戸辺島早紀はセーターに手をかけた。
ぽっちゃりとは言うが大きなおっぱいにくびれた腰、ちょっと大きい目のお尻だわ。
今でもそれなりのナイスボディなんじゃ。
「いいよ、やめろよ戸辺島。風邪引くぞ」
「あのさぁ〜いつまで外でぇナニをしてんのあんたたち!」
と、別の女性が出てきて。
「モナミ! なんでココに!」
え、萌南って。
なんと、わたしたちが訪ねた戸辺島早紀の家に太秦萌南が居た。
ナニ、この展開。
仕事終わりじゃない。
彼女の言葉で、わたしたちは戸辺島の家に入った。
広い応接間にとうされた。
壁に男同士が全裸で抱き合ってる大きな絵がかざってある。
こういう趣味なのか戸辺島早紀って。
「気に入った? 探偵さん」
絵を見てたら戸辺島が。
「え、あっ気に入ったとかじゃなく迫力のある絵だなぁと……」
「相撲じゃないわよ」
いや、わたしでもソレはわかる。それに全裸じゃ相撲は。
「大昔のレスリングかしら」
「イヤだなぁ探偵さん、ソレが取っ組み合いに見える?」
「違うのかい、私も古代のレスリングの絵だと」
「健ボーも。佐倉井はどう見える?」
「あ、俺は男同士が抱き合ってるのかと」
それは、わたしもはじめ。
「正解よ佐倉井!」
そうなんだ。やっぱり、そういう絵か。
「コレ、私の作品よ」
「そうなのか、戸辺島は絵も描くのか」
「あら、言ってなかった?! 私の仕事」
「知らんぞ、いつから画家やってんだ?」
「画家なんて、違うわ。イラストレーターなの。官能小説専門のね。ホラ、私さぁ小説家になったでしょ」
「新人賞とったよな」
「その雑誌って知ってた?」
「なんだっけ。知らねぇ」
「官能小説専門誌でさぁしばらくソコに書いてたのよ。編集の人に私の絵見られてさぁ〜。自分の小説に挿し絵描いてみてと。それが好評でさぁ〜。文章書くのやめてねイラストに。小説はあまり売れなかったのよね」
「確かに、早紀の小説は面白くなかったわね」
太秦萌南がお盆にお茶を乗せ応接間に。
「戸辺島、もしかして外で言ったモデルって」
「そうよ、佐倉井はゲイ雑誌のイラストのモデルにイイかなって、メール来たときに。佐倉井ってゲイにモテそうだから。ふんどし一丁で口に薔薇を咥えさせたかったわ」
「いや、そんな絵のモデルはゴメンだ!」
「残念ね早紀。あたしもイイと思ったけど」
応接間の真ん中に長方形のコタツが。
二人なのに大きくないかと。
父母や祖父母がよく来るので大きいのにしたそうだ。
そのコタツに入り。
「萌南は、いつからココに? ここならアスカ山公園は近いからな。ソレであそこに」
角田氏は公園で撮った写真をスマホに入れてて太秦萌南にスマホを見せた。
「こんな写真で、よくあたしと……」
「私はわからなかったんだ佐倉井がね、わかって」
「なるほど、高校のときと違うものね」
「モナミが、ウチに来たのは離婚してからよね」
「結婚してたのか」
「そりゃするわよ佐倉井だってしたんだから美人のモナミなら」
「あ、離婚って言ってもね……。旦那は亡くなったのよ、一人娘と一緒にね。で、イギリスから日本に戻って。早紀のトコに転がり込んだの」
「イギリス人と結婚してたのか。で、イギリスに。大学出たあと、探したんだ。見つからねぇわけだ。そうか、旦那が亡くなったのか、事故かなんかか、娘まで」
「おい佐倉井、そんなに詮索するなよ、泣いてるぞ萌南」
「あ、ちょっと思い出しちゃって。まだ九才で、翌日誕生日だったのあの子。アンというの、十才おめでとうって言ってあげたかった……。アン」
翌日、寿探偵社。
「そうなんですかぁ。早く終わって良かったですね人探し」
マドカちゃんが、3時におお茶を。
「ゴクモントーは、ついてっただけだな」
「そうね、モモコ。わたしが探したんじゃないみたいだったね」
「人探しは大変ですよね。昔と違い個人情報とかきびしくなってますからね。あの、獄門島さん。このファミレスの領収書は?」
「あ、昨日のお昼はみんなでファミレスに」
「に、しても多いですね九人で二万円以上なのは?」
「ああ、それね。お父さんお母さんとお祖母ちゃんお祖父ちゃんも一緒に行ったから」
「なるほど。でも、コレは個人費ですから捜査費には入りませんよ」
「ですよね~」
あのとき、なんでわたしが出したんだろう。太秦萌南をなぐさめるつもりだった?
いや、お祖母ちゃんがウチのお祖母ちゃんに似てたからついお祖母ちゃん孝行のつもりで。
つづく




