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マイブーム

697話 マイブーム


「白菜食べて、光当てられて、暗い中に閉じ込められたら大きくなる生物ってなんなのかしら」


 聞く事は聞いて子どもたちと別れたわたしたちは、コーヒーを飲みながらまだ『月光』に。


 カオルが言う。子どもに何者かが渡したカタツムリ。その何者かは? 


「地底人だと、したら」


「ブラックは、言ってた。グリーンは地底人のスパイで、ゴーグルソルジャーと敵対する地底の悪人をスパイしてたと。だから、地底人はゴーグルソルジャーの敵とは仲間ではない。地底人がモンスター攻略の生物を子どもに渡したとかないかしら」


「暗い蔵の中に置いといたら、成長して飛ぶようになって二階の窓から逃げた……」

「あのオバケカタツムリは地底の生物というコトかな。う〜ん。それなら、あのカタツムリをあの子どもに渡したのは」

「地底人の仕業かな……」


「どんな姿だったのかは見えなかったのカオル?」


「顔が見えなかったの、彼の視線がカタツムリに集中してて」


「まあはじめはソフトボール大だものね。ソレは見るは。チラとも見てなかったの? 渡した人物を」


「もう一度会えば、見えるかも……」


 わたしは椎名ミカンのスマホに電話して、もう一度華田少年に会えないか聞いた。


〘家、近いから案内するよ〙


 渋屋近辺とは思えない住宅地の真ん中あたりの大きな家で、周りに畑がある。


「華田の家ば昔からこの辺りで農業してた家なんだよ。コレでも小さくなったて、華田が」


 玄関でインターフォンを押すと。


「さっきの……。もう話すことはないよ」


 華田優(かだまさる)は小さな声で言った。


「華田くん、いいわよ。ナニも話さなくって、ちょっと顔を見せて」


 うわぁ あの天使のようなおねえさんがオレをじっと見つめてる。


「ナニ、オレは……」


〘アレが来るから、カタツムリを暗い所へ入れて〙


「あ、そうか……」

「どうしたのカオル?」


「キミ、記憶を消されたのね」

「え、なんのコト?」


「ありがとう。今日は、キミと話せて良かったわ」


 って、ええっ!

 おねえさんがオレのオデコにキスした!


「愛さん、帰りましょ」


「ミカン、ありがとね。もう暗くなってきたわね。気をつけて帰るのよ」


「ばいばーい」


 わたしたちは会社の方に。


「カオル、ナニがわかったの。あの子の記憶が消されてると」

「ええ、簡単な術で軽くね。だから、もらったコトとか、アレを蔵に入れたコトは……」

「蔵に入れたのは、たしかお母さんに気持ち悪いとか言われて」

「多分彼が無意識に入れたのに理由を付けたんだと。でも、無意識ではなく、カタツムリを渡された人に言われて入れたの。が、ソレを無意識だと彼は思って勝手に理由をつけたのよ。術が弱かったから彼の中に声の記憶だけ残ってたわ。声はあのカタツムリを蔵に入れろと」


「じゃあやはりカタツムリを成長させるために蔵の中に」

「記憶にはなかったけどエサとかも聞いてたんじゃないかしら」

「無意識にエサも……。そうすると、華田くんにアレをあずけたヤツは、はじめからオオウミガラスを食わそうと」



 アンジェラ邸。


「え、マンモスマイマイのエサ? そんな絶滅した生物のエサなんて知らないね。普通のカタツムリは野菜とか食うだろ、がヤツは普通じゃない。空も飛べるんだ、あのペンギンモンスターだって食っちまった。ヤツは雑食だったのかもな。で、ペンギン食ったら殻に閉じこもり動かなくなっただろ。もしかしたらペンギンの毒でも。血には塩分とかも混じってるからな……」


「なるほどね、雑食の可能性はあるわよね。あのカタツムリとペンギンの出所が同じで使用した目的が違ってたとか、同じ人造生物の可能性はあるわね」


「なくはないな。まあとにかく、ゴクモントーたちの世界はマンモスマイマイのおかげでペンギンモンスターの脅威から救われた。そして、私は最高の薬品の材料を手に入れた」


「ねぇ、今回のモンスター出現で一番得したのアンジェラじゃないの。アンジェラがペンギンモンスターをドコからか連れてきたとか、そして……」


「バカ言うな、テマリ。マンモスマイマイの出現は偶然だ。マンモスマイマイを呼ぶのなら好物を使う。なんでバケモノペンギンなんかを」


「アンジェラ、偶然はないのよ。ね、愛さん」


「え、あぁそうね。等々力かの口癖だから……。まあ偶然がおこってアンジェラが得してもイイんじゃないの。あ、ところでアンジェラ。オチンチンはとれた?」


「あぁ、一日遅れたけど薬は成功したよ」


「アンジェラ、一日遅れて、あせってたんだ。女にもどれなかったらどうしようって泣いてた」


「泣くか、モモッ! ウソを言うな」


「そうなんだ。でも、アンジェラ。なんでまだ黄色いジャージ着てんの?」


「テマリの方にはないのか、こういうジャージ着た映画のヒロイン」


「知らないわ」

「わたしは知ってるわよ。テマリは知らないの?」


「え、愛さんは知ってるの」

「ええ、青沼さんが部屋で見せてくれたの」


「男のときにジャージ着てたら楽だったからな、最近はジャージだ。テマリ」


「アンジェラ、ゴスロリやめたの?!」


「やめてはいない。最近のマイブームだ。ジャージは」


              つづく

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