マンモスマイマイ
692話
「あのデカいでんでんむしが暴れたの?」
と、言ってパソコンの画面を見ると、アレっ。
「あの巨大カタツムリが一夜のうちに消えたんです。現場は大騒ぎです」
と、金田一が。
「アレのことだから飛んでっちゃったとか」
「それなら、そう騒ぐはずです」
「海が近いんだから、海に逃げたとか」
「獄門島さん、カタツムリもナメクジの仲間です、塩水の海に入るとは。現場の話では深夜に、こつ然と消えたと……」
「なら、あのカタツムリは異次元の世界に戻ったとか、あのオオウミガラスは地底人が作った人造生物で、それと違う巨大カタツムリはウミガラス食べちゃたでしょ。で、お腹いっぱいになって自分の世界に戻ったのよ」
「なるほど、それもありますね」
「きょうは何曜日だっけ?」
「水曜日です」
「じゃ学校ね」
「獄門島さん、でも祝日ですよ建国記念の日」
「マジ、金田一さん」
「はい」
「獄門島さん、ハッピーバースデー」
「蔵中さん、そうなんですか。獄門島さんの誕生日なのですね、おめでとうございます」
「あ〜蔵中さん、わたしに誕生日は無くなったんですよ」
「獄門島さん、バカなコトは言わないの。個人の大切な日なんだから素直に祝いなさい」
まあ、ソレは置いといて、わたしはスマホを出し電話を。
「あ、おはよう」
〘おはようございます獄門島さん。なにか?〙
「明菜さん、カタツムリのニュース見たよね」
〘はい、ペンギンみたいな大きな鳥を食べてしまい驚きました〙
「あの、カタツムリはドコからか、別次元から現れたんじゃないの?」
〘いえ、そんな報告はありませんでしたが、昨夜大きな次元移動があったとは。おそらくあのカタツムリだろうと、でも出現ときはナニも〙
「あのカタツムリは、元々はもっと小さかったから、わからなかったとか」
〘ソレは、あったかもしれませんね。が、あのカタツムリの消えた後には次元の切れ目もなく。で、コチラの監視からはナニも〙
「そう、ありがとう」
中国、シルクロードの砂漠。
ココはお昼頃かしら。
痛いほど太陽ギラギラね。
元のアンジェラの家があったあたり、地底人のスパイが自爆して吹っ飛んだ瓦礫ももう砂に埋まってほとんどないない。
あ、巨大カタツムリの殻から湯気が出てる。
アンジェラが言ったように砂漠で干からびちゃうのかしら。
空間に歪んた魔法円のひずみが現れて、中からアンジェラが現れた。
「ココに来るのも久しぶりね。ほぉ~殻から湯気が出てるね。いいぞテマリ。ここなら夜までにヤツは干からびるよ。そしたら家に持って帰ろう」
「あ、なんか変な臭いしません」
殻から本体を出したマンモスマイマイが
口らしい所から白い棒状の物を何本も吐いた。
あれって。
「オオウミガラスの骨だね、まだ溶かしきれなくて吐いたのか……」
吐き終わったカタツムリは身体中から湯気が出てよじれてる。
まるでアワビの踊り焼きみたいね。
「あ、殻に戻った」
「あとは時間の問題だ、ウチに帰って食事しようテマリ」
「見張ってなくて大丈夫かな」
「テマリ、ここで水無しで居る気か。大丈夫、この辺はめったに人は来ない。だから私の別荘を作ったんだ」
「お帰りなさいませご主人様、テマリ様」
「上手くいったかアンジェラ、テマリ」
「ああ、薬を作るときにはモモにも手伝ってもらうぞ」
「ねぇアンジェラ、あのマンモスマイマイからはどんな薬が、作れるの?」
「聞いて驚くなテマリ、ソレはなぁ男にも女にでもなれる妙薬だ。じつはな、男より女の精気の方が良質なんだ。若返りにはイイ」
「なるほど、アンジェラは男になりたいんだ、ソレでイイ女とヤリまくりたいのね」
「いや、そうではない。で、テマリではないから女に興味はない」
「アンジェラ、あたしノーマルよ」
「そうなのか?」
「モモコまで……」
「愛さん、愛さん、言ってるから、てっきりアタㇱもテマリは」
「あたしは親友として愛さんが大好きなんです。レズとかユリじゃありませ〜ん。男にもなりたくないわよ」
「人間は、大変ですね。私はパーツを変えればすぐに男でも女にでもなれます」
「ランラン、あなたと一緒にしないで。人間の身体は複雑なの」
「リンリンです」
「なんか久しぶりね、あなたの名はリンリン・ランランだから、どちらでもイイのよ。じゃリンリン、お腹すいたわ」
「はい、今、ご用意します」
寿探偵社。
午後になると、オーナーが会社に。
「おお、獄門島ちゃんは今日は暇か?」
「ええ、ペンギンの仕事もなくなりましたからね」
「ペンギン、あのオオウミガラスの事かな」
「オーナーの推測があたりましたね、あのゴーグルソルジャーもオオウミガラスと言っていたそうです」
「ほぉ~そうか、彼らも……」
つづく




