カフェ月光にて
67話 カフェ月光にて
「おはようございます。八ツ墓村さん、コーヒー、緑茶、紅茶。なんにします?」
「おは~金田一ちゃん。ダイエット・コーラある?」
「ありますよ。社長のグラスでもいいですか?」
「お願い」
「お待ちどうさまです」
「コレ、ビールジョッキ?」
「社長は、それでコーラを……」
「あ、どーも。ここは、なんでもあるよね。お店みたいだ。ウゴクッハァ〜暑い時は炭酸だわぁ」
「今なら、レディボーデンのバニラアイスを乗せてフロート作れますよ」
「え、早く言ってよぉ。コレに乗せられる?」
「ハイ」
社長、アイスも用意してたか。今度はソフトクリームマシンでも入れてもらうか。
「こんなんでイイですか八つ墓村さん」
金田一ちゃんは、ジョッキの上に普通のコーラフロートの三倍はあるだろうアイスの山を乗せてきた。
「ハイ、スプーンです」
「サンキュー」
一度給湯室に戻った金田一ちゃんは、小皿にアイスを乗せて戻ってきた。
「わたし、ココに入社して初めてレディボーデンのアイス食べました。他のとはちがいますね」
「だよねぇやっぱ百円以下のアイスとは違うよね。
あ、ところでさ田守くんのこと聞いた?」
「なんのコトです?」
「田守くんさぁ年上好みなんだって。あんたより、私の方が好みみたいよ」
「ええ、そうなんですかぁ」
「告ってもフラれたかもね、あ・な・た」
金田一ちゃんの顔が。
「あー。そんなに悲しい顔しない。私は童貞には、興味ないの。やっば、社長の方がね」
「あのぉ……。田守さんって獄門島さんに気があるですか? まえにお昼一緒したとき獄門島さんの話しばかりを……」
「田守くん、どーかな? 獄門島ちゃんは気がないのは、わかるよ」
「やっば、フラれるの覚悟で告ってみなさいよ年下だって、受け付けるかもよ。私の知り合いでも、いたわよ熟女好きと言ってた男が、いざ結婚したら年下の娘だったヤツ。何人も」
「そうなんですか……」
「熟女好きアルアルよねえ。結婚は若い娘がいいのよ。まああねさん女房が良いとか、言うけどね」
お昼。田守さんは、外食に出た。
わたしも、彼の後を追った。
「金田一さんも今日は外食ですか? お弁当は」
「あ、昨日買物忘れて」
「そう、じゃ一緒に食べよう。何がいいかな。洋食、和食、中華?」
「田守さんは?」
「コンビニ弁当のつもりだったけど……。君が一緒なら……カフェ月光へ行こうか? あそこならなんでもあるし……どうです」
ウチの会社の社員が昔からお世話になってるというカフェ月光。
ちょっとまえにUFO観察会の子どもたちと話した店だ。
田守さんも何度か来てると。
「ここのハンバーグランチは美味しいんだ、獄門島さんに聞いて食べたらホントに……」
獄門島さんが出た、まえは気にしていなかったけど八ツ墓村さんの話を聞いてからもっと気になった。
カランコロン
ドアのベルがなり、派手なんだか、地味なんだかわからない黒装束の女性が入ってきた。
「あれ、ロリータファッションっていうんだよね?」
「真っ黒いからゴスロリかしら……」
「キレイな人だな。年齢不詳って感じ。いくつかな、あの人」
「田守さん、あーゆーファッション好きなんですか。わたし本物のゴスロリ初めて見た」
「ボクもだよ」
ゴスロリの人は、わたしたちの横の席に座って。
「冷やし中華下さい」
ウプ、なんかアンバランス。
「金田一さん、笑っちゃ失礼だよ」
言わなければ、わからなかったのに。
彼女、こっちを見た。
「金田一さん? あなた、もしかして金田一江?」
「え、そういうあなたは?」
「あなたの家の隣に住んでた高梨マリエよ」
え、隣の地味だったマリエちゃん。
「マリエちゃんなの……そのメイクは……」
「わからないかな、このゴスメイクじゃ。金田、金田一って、結婚したの? 向かいの人、旦那さん?」
「あ、いや違うわ。この人は会社の……」
「それは、失礼しました。彼氏なのね。あたし以前、一江とお隣どうしだった高梨です」
「どーも田守盛太といいます。よかったら、こっちに」
「わたし結婚してないよ、本名は金田一コオっていうんだ」
「そうなの。ああ、遠慮しとくわ。二人の邪魔したら悪いでしょ」
「そんな、気をつかわなくても。べつにわたしたちは……」
カランコロン
「いらしゃいませ」
「あ、病院坂さん!」
今度もロリータファッションの人、今度は真っ白だ。
田守さんの知り合い?
「マリエさん?」
「薫さん!」
つづく




