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トイレの美人さん

6話 トイレの美人さん


「あ、お帰りなさいませ。獄門島さん」


 金田一江かねだかずえは事務なんだけどメイドの姿。


 社長が秋葉薔薇でスカウトしてきたらしい。

 さすがにアキバのメイド服よりはシンプルだ。

 社長が言うには、OLではなくOМだと。

 ソレはオフィスメイドだと。


「獄門島さん。お客様が応接室でお待ちです」


 応接室へ行くと、待ってたのは渋屋の公園に居たオールバックのメガネ。

 わたしが部屋に入ると立ち上がりお辞儀をした。


 公園でいきなり銃を撃った男。


 意外に礼儀正しい。

 名刺を差し出された。

 中国語だ。

 

「え〜と……読めません」

「すみません。それ、地元用でした。コチラを」


 と、もう一枚。

 NO、英語だ。やっぱり読めない。

 と、困った顔をしたせいか。


「私、香港で探偵してます。ラウ・カーチャンといいます」

「母ちゃん……」

「その発音、日本語でマミーですよね。日本語の漢字読みは嫌いなもので国の読み方に。日本語にしたらそうなるんで、あまり言いたくないんです」


「ラウさんとお呼びしますから。あ、わたしは」

「知ってますゴクモントーアイさんですね」


 当然知ってるだろう。わたしの客なんだし。



 寿探偵社。社内トイレ。


「ほぉっ、3日ぶりかな……」


  ブシュ〜


 ウォシュレットのお湯が肛門に心地良い。


  ジャアアアア


 個室から出ると目の前に美女が。


「これは失礼。お待ちでしたか。あ、私のは臭くないですから薔薇の香りになる薬を飲んでますから……どうぞ」


 美女はニッコリとし、個室へ入った。


「臭くないでしょ」


 返事はない。


 しかし、美人だったな。誰かなぁ~。

 誰かの依頼人とか、かな。


 トイレから出ると事務の金田くんが。


「あ、金田くん。今、美人のお客さん来てる?」

「いえ、お客様は獄門島さんの。男の方だけです……社長」


「はっ、なんで男性トイレに美女が?!」


 僕はトイレに戻り個室の前に。


 ノックをした。

 応答がない。

 もう一度ノックした。

 やはり。


 僕はドアに耳を付け中の気配を。

 人が入っている気配がなかった。


 思い切ってドアに手を。

 開いた。


「ひいっ!」


              つづく

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