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なぜ助かった?

59話 なぜ助かった?


 私は、盆でも、実家でなく叔母さんの家に。

 とある事情で母や祖母の仏壇はコチラにあるし墓地も近いから。


 叔母の家で、テレビを見ていると朝のあのニュースが。


〘現場で失神してた女性警備員が、穴から怪物が飛び出したと……〙


〘穴を埋めるために、来たと思われる作業員の男性の下半身遺体が見つかり……〙


 うわぁあ。下半身だけなの。

 あの穴のあたり、かなりヤバいコトになってる。

 もしかして、もう一人は食べられた?


 そこへスマホの着信音が、鳴り確認。

 テマリが最寄りの駅に着いた。


 翌日の朝。


 わたしの叔母の家に泊まった鬼首村手毬と、散歩がてら穴のある林道へ来てみた。


 穴があった現場へは行けなかった。


 林道への道は封鎖されていた。


 入り口に立ってるのは警察官に数人の野次馬が。

 

「あ、昨日の!」


 ソコに居たのは昨日、怪物に襲われ失禁して腰をぬかしたあの女警備員だ。


「刑事さん、あの人が」


 自分が襲われた時、一緒に怪物を目撃した女性が居て、写真を撮ったと彼女は警察で話していた。

 

 ニュースを見て、現場にまた来るはずと林道入口で早朝から待ってたと。


 わたしは、パトカーに乗せられ最寄りの警察署へ連れて行かれた。


 付き添いとしてテマリもパトカーに乗った。


「愛さん、あたしパトカーに乗ったの初めてなんですぅ」

「わたしもだよ。テマリ、小さくてもやっぱり傘は閉じよう」


 ロリータたちは、何処へ行くのもロリータファッションだ、着替えもやはり。

 で、彼女は黒いロリータファションで靴や傘も黒だ。


 小さな黒い日傘はファッションの一部だが、連日の猛暑日では、やはり離せない。


 わたしのバケットハットとショルダーバッグも一緒だ。傘も持ってた。


 

 千葉県頭金市警察署。


「かなりボケてますね」


 わたしのスマホの画像を見て、刑事が。


「とっさに撮ったので」


「刑事さん、イノシシと見間違いじゃないでしょ」


 いくらボケボケの画像でもイノシシでは、ないのはわかる。


 警備員の女性は、イノシシか、逃げ出したペットの猛獣かの見間違いじゃないかと言われたそうだ。


 この千葉県にクマは居ない。他にも人を襲って喰らう猛獣なんて居るわけもない。

 イノシシは出るが人は食べない。

 まあ危険ではあるけど。


 犠牲者は、工事に来た二人。


 警備員の女性が救急車に乗せられて行った後の作業中に襲われたらしい。




 下半身だけ、残された人に、まったく影も形もなく残ってないもう一人は何処へ。


「おそらく怪物に食べられたのよ」


 警察からやっと開放された、わたしたちはファミレスで食事しながら。


「やめてくださいよ、食べながら……あの怪物に人が食われるの想像しちゃいます」


 女性警備員は、万城目淳(まきめじゅん)と。

 警備の仕事をしながらバンド活動をしているそうだ。歳はわたしより少し若い。


 前からは、わからないが後ろに編んでお団子にした三編みは金髪だ。

 はじめ会った時はヘルメットをかぶってたからわからなかったが前髪、頭半分はピンクで後は金。

 日焼けしてるのは、気にしないそうだ。

 趣味がサーフィンなのもあると。

 わたしは、しないが、このあたりから海まではクルマで三十分かからない。

 サーフィン目当てでこの町に移住する連中も多いと聞く。

 万城目淳も彩玉県からの移住者らしい。


「ねぇ、作業員二人が襲われたでしょ。あなたたちが助かったのはなぜ?」


 と、テマリが。


「それは……。私はバイクの音で逃げたと思ってますが……」

「あの怪物が、わたしのスクーターの音で逃げるとは思えないなぁ。大型バイクならともかく50CCよ」


「ですよね。冷静に考えて見ると……。スマホのシャッター音とかはないですよね」

「わたしのは、音しないように設定してあるから、ありえないわ」


 職業柄ね。


「恥ずかしがりやで、写真撮られたのが……って、ないですね」


 テマリは自分で言って笑った。



「下半身が、残されてたのは、なんでだろう……」


 万城目さんが真面目な顔で。


「まずかったからか、お腹いっぱいになったからじゃないかしら。怪物もグルメなのか、万城目さん作業員ってイケメン?」


「さあ、私は気を失ってたので顔は」


「テマリ、怪物が顔で食べ残すわけないわよ。ニュースで見たわ。二人共、普通のオジさんだったわ。たしか、ひとりはヒゲオヤジ……ヒゲで食べ残すのもないわね……」


「下半身が、嫌いだったとか」


「ないわ、テマリ。一人は、まるまる食われてるらしいのよ」


「あの下半身にナニかしら、ヤツの嫌いなものでもあったのかしらねポケットの中とか」


「万城目さんは、その下半身は」

「見てません。その頃は私は病院に」


「そうね。あいつがわたしたちを襲って来なかったのは何故かしら……」


 サイレンの音が聞こえた。あれはパトカー。


「あ、パトカーが」

 

 万城目さんが、窓の外の国道を行くパトカーを見て。


「また、何処かでアレが出たんだ!」


 テマリが立ち上がって外に。

 そしてすぐに戻ってきた。


「すぐ、ソコにパトカーが停まってる。見てくる!」


 意外とミーハーなのか、テマリ。


 わたしと万城目さんも残り少ない料理をたいらげ会計を済まして外に出た。


 500メートルほど先にパトカーが数台とまってるのが見えた。


               つづく

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