UFO観察会動く
55話 UFO観察会動く
「庭からUFOを見たんですか?」
「違うわね。ウチの庭にUFOが着陸したの。そして宇宙人が降りてきて、お水を一杯いただけませんかと言ったの」
「宇宙人が日本語で言ったのかな……」
「あら、疑うの。私には日本語に聞こえたわ」
もしかして、金田一さんが言ってた危ない人かも。
「お水をあげたんですか。その宇宙人に」
タマちゃんがきいた。
「ええ、私は家の台所へ言ってコップにサーバーの冷えた水を、飲むと思ったから持ってて、渡したの。そしたら宇宙人はコップを持って、そのままUFOに乗り、飛んで行っちゃたのよ。コップを持っていかれたわ」
「コップと水を持ち帰って研究でもするつもりだったのかなぁ」
いまさら宇宙人が、とあたしは思ったけどタマちゃん。
「その宇宙人、宿題かなんかで地球に来たのかなぁ」
「続きがあるのよ。翌朝、お婆ちゃんが玄関に出たらコップが置いてあったのを見つけたの。ちゃんと返しに来たのね宇宙人」
なんだかマンガみたいな話だ。まあとりあえずメモっとこう。
そんな女の人の後に聞いたのが痩せた背の高いオジさん。
「すみません、夏休みの自由研究なんですインタビューいいですか?」
こう言うと、受けてくれる人が多くなる。
「なんだい」
「オジさんは、UFOを見たことありますか?」
「UFO……」
「未確認飛行物体です」
「なら、しょっちゅう見てるよ」
「え、そうなんですか!」
「ああ、飛んでるヤツが、なんだかわからないのだろう」
「はい」
未確認飛行物体だから間違いじゃない。
「どんなヤツを見るんです?」
「長い布が、ひらひら飛んでるヤツとか、人が肩車して飛んでたのとか……」
それ、まえに見たフライングヒューマノイドだ。
「巨大な魚やヘビ……ヘビは龍だったのかな……」
「すごいですね。夜空に動く星みたいのは、ないですか?」
「星……動く…。飛行機じゃないのそれ。あまり夜は出歩かないんだ僕は。夜に仕事してるから。実は僕はマンガ家なんだよ」
「マンガ家!」
あたしのあこがれの職業だ。
「どんな、マンガ描いてるんですか?」
「君たちの見るようなマンガじゃないよ。成人漫画雑誌の4コマだからね。大人向けの雑誌とかに広告マンガとかも描いてる。君たちが好きな物とは無縁の作品だよ」
そうなのか。まあマンガもいろいろあるからなぁ。
「君たちの言うUFOってヤツは空飛ぶ円盤ってヤツかな」
「そうですね……そう断定はしてませんけど」
と、タマちゃんはあたしを見た。
「UFOイコール空飛ぶ円盤になってるようでもあるけど、その言葉通りなら、なんだかわからない飛んでる物だよね」
「じゃ僕の見た物で間違いないよね」
あぶない人みたいだけど、この人が見たというヒラヒラ飛んでた布とか魚やヘビというのも面白い。
2時間ほどインタビュー活動をして獄門島さんたちが居るサシコー像前に行った。
駅前のスクランブル交差点を渡ってるとき。
向こうに野口さんたちが来るのが見えた。
「ダメです、あのCMの人は見ませんでした」
「こちらも、まあ違うけど面白い話をした人が居たけど」
「面白い? どんな」
「妖怪一反もめんみたいなのを見た人」
「一反もめんですか。UMA特集とかで画像や動画見ますよね。アレもUFOの中に入りますからね」
金田一が興味ありそうだ。
そういうの楽しいだろうけど、こちらの仕事は那智あけみの散策だ。
渋屋で、見たくらいじゃかんたんに見つからないか。
子供たちにお昼をご馳走するコトになってる。
いつものファミレスへ。
食事が終わる頃青沼さんが来た。
わたしたちの隣の席に着き。
「渋屋の知人から連絡が入った。那智に似た女が居るマンションを見つけたと」
さすが青沼さんだ。
つづく




