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お手上げの推理

52話 お手上げの推理


 わたしは、また那智あけみのタレント事務所に戻り彼女の履歴書を見せてもらった。


「無駄だよ、そこに書いてある事は、みなデタラメだ」


 彼女が失踪して、会社なりに捜したそうである。

 その時に履歴書の内容が全部ウソと。


 今度は彼女についていたマネージャーにもあった。いなくなる前は普通に仕事していたらしい。


 CM出演とか、彼女は半年前まで普通に仕事していたのは確かだ。


 CM制作会社へも行ってみた。 


「突然事務所をやめたと聞いて。売れだしたので、何処かの大手事務所にでも入ったんじゃないかと噂してたよ。引退して、実家に帰ったんだって。彼女」


 一時期とはいえ、全国的に有名になった1タレントが、消えて騒ぎにならなかったのも変だ。

 なにか事情があって実家に帰ったのなら、それなりの芸能レポーターも動くはず。


 宇宙人というキーワードがなければ、立派なタレント失踪事件だ。


「人気タレントの引退で、騒がれないのも変よねぇ」

「いろいろ、重要な人物が、ピカッとやられたのかも……」


「ピカッ?」

「本物のMIBが、記憶失くすヤツです」

「本物。 ソレは映画の本物じゃ」


「あ、そうですね。本物のMIBが、記憶消したという話を聞いてないわ。あの映画のせいでMIBは、UFO関係の記憶を消して歩いてると……」


「MIBの話は置いといて、消えた那智あけみは、何処へ行ったかよ」


 わたしと助手指名した金田一は、待ち合わせたファミレスで、昼食をとりながら。


 仕事なら、食事も経費でおとせるので、外食に。金田一は、いつもは母親の手作り弁当だが、今日は持って来てないというので誘った。


「MIBって、UFO目撃者の所に行って脅したりなんだかするそうで、中には拐われてしまう話も」

「あのねぇMIBは、置いといて」


 と、箱を動かすジェスチャーした時。


「拐われた可能性も……あるわ金田一さん」

「彼女は宇宙人としての使命に失敗したんですよね。仲間に拉致されてたとか」


「依頼人に彼女のコトを伝えに来た老婆は仲間の宇宙人……かもね。でも、拉致されたのに彼氏に別れを告げに行くかなぁ……やっぱり老婆は彼女の別の姿で、別れを告げに……」


「もし、那智あけみが本物の宇宙人なら、この仕事、無理です獄門島さん。それこそ、あたしたちがMIBに拐われちゃいます」


「ハア〜なんだかなぁこの仕事。毎度の手がかりゼロの人捜しだけど、今回は宇宙人って。どう捜せば……あ、手がかりが一つあったか似顔絵だ」


「新しい資料とか、ないんですか?」

「女が、那智あけみだったとわかった似顔絵が最後よ。よく考えたら、それは、本当に依頼人の彼女が那智だったかもわからない。タダ似ていたというコトね。偶然、那智が失踪したのなら、それは、また別の出来事よ」


「そういえば、地球に降りたった宇宙人は、はじめに見た地球人になるか、その姿を真似るかです。あ、コレもドラマや映画ですけど」


「そうね。依頼人の彼女、宇宙人が、あのカップ麺のCMを見て気に入って、那智そっくりに変身してたというパターンも考えられるわね」


「あ、獄門島さん」


 え、金田一が窓の方を。


 あのわたしたちの方を見て、窓を叩く子供は。


 UFO観察会のまる子、じゃない椎名ミカンだ。


               つづく

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