香明
5話 香明
翌日、東海林奈波はお水と、いうコトで、そっち関係をまわることに。
『ひらめき』が、わたしを誘導し。
スクーターで銀坐を目指した。
「何か、手がかりがあったか?」
うそ、スクーターの荷台に背を向けて現れた男。
そいつは、サングラスのあの汚いヤツ。
しゃがみながら乗り、わたしに背を付けてる。
「あのー。コレ原チャリだから、そんな乗り方したら捕まりますから」
どんな乗り方でも、二人乗りは捕まる。
「大丈夫だ。俺は他人には見えない」
わたしも他人ですが。
この男は、あの世の人間?!
病院坂薫が、言ってたのは女だ。コイツではない。
「昨日撃たれましたよね」
「心配してくれたのかな。無問題。かすっただけだ」
「そうなんですか……」
肩を貫通したように見えたけど。
「香明。コノ中国名でクラブに居た。そう高くない店だった」
「東海林奈波がですか?」
「18才とか、言ってたがウソはみえみえだった」
「そーなんですね」
「じゃまたな」
と、姿を消した。
ホントに何者なんだろ。普通の人間じゃないのは確かだ。
銀坐のお店を何件かまわった。
「中国帰り……向こうでは香明の名で。 本名は東海林奈波。知らないねぇ」
「そうですか」
せめて写真があれば少しは。
「あっあんた、そのダサいメガネはずしてくれる」
「いいですけど」
その店の支配人は、わたしの帽子を取り。
「やっぱ、思った通りだ。あんた、ウチで働かないか? 興信所なんかより、あんたなら儲かるよ」
「あ、そーゆーの苦手なんで」
おそくなった。あの手の店は明るいうちは開いてないから。
会社に帰ると。
「お帰り獄門島ちゃん。あなたにお客さん、みえてるわよ。じゃお疲れぇ」
珍しい。こんなにおそく帰るなんて八ツ墓村歩美。
客? 誰かしら。
つづく




