助っ人現る
45話 助っ人現る
わたしは、会社へは行かずに朝からマンションの周りをうろちょろして聞き込みをした。
昼間っから、ゴスロリの娘を見ないかと。
あんな目立つ娘なら、すぐ見つかると思った。
が、コレが不思議と目撃者がいない。
「おーい、獄門島ちゃん。オハー」
仕事へ向う八ツ墓村さんと会った。
「黒ロリちゃん見つかってないみたいだね」
「ええ、捜すとね」
「あ、ロリっ子見つけ!」
「え、アレは」
カオルだ。
「彼女じゃ駄目なの?」
「う〜ん。わかりません」
「まあ、じっくり話してみたら。最近、社長が来るの遅いと、うるさいのよね。じゃ」
考えて見ると、わたしは友だちの為にタダ働きだ。まあしょうがないか。
あの娘をほっとくわけにはいかない。
「カオル、おはよー」
日傘をさし、白いロリータファションのカオルは涼しそーだ。
そして、あのヒラヒラの衣装。
ロリータって、夏に合うのだなぁと思った。
「愛さんおはようございます」
「何処行くのこんなトコで珍しい」
「愛さんトコの会社に呼ばれたの」
「え、こないだの仕事でウチの社員になった?」
「ソレはないわ。あたし自由がいいから」
「あ、そうだ。カオル、あなたと真逆な黒いロリータさぁ……」
「テマリさん?」
「見つからないのよ」
「あの娘ねぇ。なんでか、よく間違われるの。色違うのにね」
まあ、顔も違うが、二人ともロン毛。
あらためて見ると、どこか似てなくもない。
二人とも美人だし。まあカオルは美少女の方か。
「テマリさんと会って……」
「彼女捜してるの。連絡できる?」
「出来ないわ……。でも、会いたいと思ってれば現れるわよ」
それで。その場で思った。
「思ってるけど、現れない……」
そんな便利な話は、ないよね。
「ナニがあったんです? 愛さん」
わたしは、友だちのマリナのコトを話した。
「蛇女になっちゃたんですか……なるほど。それならあたしよりテマリさんね」
やはり。
「会えるよう願ってるわ、じゃ」
カオルのような異能力者なら、ともかく。
わたしが願って鬼首村手毬に会えるのなら、苦労しない。
「呼んだ?」
ええ、後ろから声が。
「テマリ!」
「お友だちの声がしたから」
マジ、ありえないがテマリが現れた。まさかコレはカオルの力ぞえ?
「あの……」
「愛さん、暑いからカフェでも行って冷たい物でも食べながら」
一番近い喫茶店を見つけて入った。
「ふ〜ん蛇体にねぇ」
テマリはクリームソーダのアイスを食べながら。
この店はアイスはソフトクリームだ。
わたしはアイスコーヒーにソフトが乗ったのを。わたしもソーダの方が良かったかな。
スカッとしそうだし。
「女神なんかじゃないわよね。蛇体の像」
「邪神の類いね……ティアマトのような女神もいなくはないけど……」
「友人を直せる?」
「無理!」
即答。
「あたしにはそういう邪悪なのと戦う力はないのよ……でも、あたしを頼ってくれたのは嬉しい」
「そうかぁダメかぁ……」
「あの人に頼んでみる……待ってて」
えっ、ウソ! 目の前の席に居たテマリが消えた。
待っててって、彼女は何処へ。
あの人とは、誰かしら。
コーヒーフロートを飲み終えてお昼近くに。
メニューを見るとモーニングセットがまだ間に合った。
この喫茶店、名古屋のようにモーニングセットが充実してた。
オーダーするとすぐに来た。
ピザトーストがコーヒーに付く。ポテトサラダ、そしてクッキーが2枚。
何処のかわからないが何処かのサブレだ。
なんかで見た。ネコ形サブレだ。
ピザトーストを食べ終えた頃、テマリが戻った。
隣の席には黒いパーカーのフードをかぶった少女も一緒だった。
「お待たせ、説得するのに半日かかっちゃったわ」
「半日! 30分もかかってないよ」
「戻る時に帰る時間も飛んだからな……。こいつは、上手く跳べるんだか跳べないんだか?」
「誰? この子」
ググッグ〜
「夕食前に来たから腹がへったぞ」
聞き覚えのある声だ。
しかし、小学生高学年の知り合いは、居ない。
「アンジェラ、奢ります。なんでも好きな物食べて」
と、テマリが、メニューを。
もしかして、アンジェラ・リー?
こんな子供じゃ。
「快盗魔女だったアンジェラ・リーよね?」
「あんたが、獄門島愛ね。一度会ってるよね……。ああ、博物館に居た探偵だったかな。私は、アレからイケメンモデル数人から精気を取りすぎて、若くなり過ぎた」
なるほど、それで。
「邪神に騙されたそうだな」
「わたしの友人が、足を取られ、脚が蛇体に」
「邪神ってほどじゃなさそうね。人を騙すなんて、おそらく妖魔の類いだろう。その、ネコの形した菓子をもらっていいか」
「ええ、どうぞ。友人を助けられます?」
「そうだな、まずその友人に会ってみよう。モグモグ美味いな、このサブレ」
つづく




