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安倍麻里奈

44話 安倍麻里奈


「お客さん? あ、愛ちゃんだよね」


「お久しぶりアベマリナ」


 え~ん

 

 っと、泣きながら抱きついてきたマリナの尻から下の脚がなく、蛇体に。


「ええっ どうしたのその姿」


「な、変わっただろ」

「変わったって、てっきり性格かと……」


 普通、人間が蛇には変わらない。


「マリナ、ナニがあったのこの身体」

「女神様のせいなの」

「女神?」

「ちょっとまえの日曜、遊楽(ゆうらく)町の骨董市に行って女神像を買ったの。来て、女神像を見せてあげる」


 マリナは蛇体をくねらせて奥の部屋に。

 ホントに蛇だ。


 居間。本棚の上に30センチくらいのブロンズ像が、コレが女神。

 インドか、どっかの下半身蛇体の女神……。みたいだ。


「あたしね、骨董市で一目惚れして、買ったの。意外に安かったのよ。3万円」


 と、嬉しそうにマリナは指を三本立てた。


「お店の人は、なんでも願いをかなえてくれる女神様だって。ホントは10万円のとこ、まけてくれたの」


 ソレ、ホントは3万以下なんじゃ。高い値段を言って売る。

 よくある手口だ。怪しい店主だな。


「ホントにコレ女神? 妖怪の類じゃないよね」


「店の人は女神だって……。で、なんでも願いをかなえるというから、毎日お願いしてたら、声が聞こえたの」


「声、その像の?」

「だよ」


 空耳とか、思い込みじゃ。


「声はね、我のアシとおまえのアシを交換しようと、そしたら願いをかなえてくれると」

「で、取っ替えたの」


 女神が取り替えっこで願いかなえるか。


「あたし、アシって、昂輝ちゃんが休日に乗る軽自動車だと……」


「そこが、変だろ。取り引きになんでボクのクルマ使うんだ」


「で、結局マリナの足が蛇体に……クルマは」


「なんともない。向こうはちゃんとマリナの足と変わったのか?」


「願いはどうなったの?」

「それがナニも……。ハワイに行きたかったのに。でも、これじゃ飛行機乗れない!」

「飛行機どころか、外へも行けない。買い物はボクが……」


「こいつ女神じゃないわね。マリナの足を手に入れた、こいつは……ナニ? 像は変わってない。蛇体のままだ。何処へ消えたんだ? マリナの足は。あれから声は聞こえないのマリナ」


「足が蛇になってからゼンゼン」


「骨董市の店主が、なにか知ってるわね……」


「骨董市は、また来月なんで、苦情を言えないんだ。何処の誰かも知れないし。こんな物を売りつけたんだ、来月も来るか。どうにか出来ないか獄門島。ボク、実は爬虫類苦手なんだ……まさか、彼女の下半身が蛇になるなんて」


「そうなの、愛ちゃん。彼、あまり近寄ってこないの。しかもパンツも履けないし、おトイレの仕方もわからないの……」


「え、じゃ……。早くどうにかしないと。でも、なんでわたしに?」

「なんでか、獄門島ならなんとかしてくれそうだとマリナが……」

「わたしじゃ……ちょっと無理だから……。こういう不条理なこととかに強そうな知り合いがいるから頼んで見る」

「愛ちゃん、なんとかしてね」


 まいったなぁ。

 病院坂薫は、こういうのどうなんだ?

 それともゴスロリの鬼首村手毬の方が、いいかな。彼女は魔女の知り合いだし。


 実は彼女との連絡手段がない。



「ああ、あの黒ロリちゃんね」

「八ツ墓村さん、あの娘の連絡とか先知ってる?」


「知らないわ。なんで私が? 獄門島ちゃんの方が」

「知りません。知ってたら聞きません」

「彼女、この近くというか渋屋の駅前とかで、たまに見るよ。近所に住んでるんじゃないかしら」


 そういえば、初めてあったのは……。

 わたしは探偵だ。捜してみよう。


               つづく

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