黒いロリータ
37話 黒いロリータ
「八ツ墓村さん、アレは、薫じゃないです。背格好が違うし……」
こちらに黒い日傘をさした黒いロリータファッションの女が歩いてくる。
顔もだんだんハッキリしてきた。やはり、薫ではない。メイクが全然違うし。
あまりにわたしたちが見ているからか、その黒ロリが、わたしたちの横で止まった。
「こういうファッションしてるとジロジロ見られるのは、なれてるけど……。あなたたち見すぎよ」
「あ、ごめんなさい。知り合いかと思ってつい」
「お知り合いに、こういうファッションの方が?」
「ええ、あなたと違い白いロリータですけど」
「白……もしかして。その人はあなたたちのお友だち?」
「友だち……。名前は知ってるけど……」
カオルは友だちかな。
まあ最近は、まともな名前すら知らないで付き合ってる連中が多いと聞くし。
名前知ってれば、友だちとか。
「あたし、鬼首村手毬。よろしく。あなたたちは?」
「わたし、獄門島愛」
「私は八ツ墓村歩美。アユと呼んで」
「そう。愛さん、アユさん。あたしたち、コレでお友だちよ。またお会いしましょ」
行っちゃた。ナニ、アレ?
「獄門島ちゃん、アユって呼ばれた……」
それ、そんなに嬉しいの。
「カオルとは、ぜんぜん似てなかったでしょ。あの娘は、どこか少女ぽいっけど今の娘は、なんか大人の色気と少女ぽっさが同居したような不思議な魅力を感じたわ。ああいったカッコする人って、なんか違うわよね」
「普通の根性じゃあ、あの服着て歩けないわ」
根性って。
「根性って言えば社長が」
社長とナニが根性と、つながるの?
「獄門島ちゃんに仕事があるから、昼休み終わったら社長室に来てっつて」
八ツ墓村さんと、会社の近くの『カフェ月光』でコーヒー飲んでから、会社にもどった。
「ありがとうございます。八ツ墓村さん、コーヒー代まで」
「気にしない気にしない。社長のお金だから」
キャッシュカードを見せた。
ソレ、わたしも欲しい。
会社に帰り社長室のドアにノックをして。
「獄門島です」
秘書の八ツ墓村さんは、遠慮なくドアを開けたが、社長は居ない。
「ごめんね〜。まだ帰ってないんだ社長。今日は何処へ食べに行ったんだろ。帰るまで、待とう。 獄門島ちゃん、アイスキャンディーあるよ。ゴリゴリくん」
八ツ墓村さんが社長室の奥のカーテン開けると大きな冷蔵庫が。
「カップアイスもあるけど……」
ガチャ
「来てたんだ。獄門島ちゃん」
「社長、おかえり。アイス食べます?」
八ツ墓村さんの手にはゴリゴリくんが。
「あ、コーラ味ちょうだい。八ッ墓くん」
「獄門島ちゃんは?」
「ナニ味でも」
「じゃ減らないからドリアン味で」
って渡されたが、袋をあけたら臭うのかしらコレ、ドリアン味って食べたことない。
「獄門島ちゃん、凍ってる間は臭くないから早く食べてね」
やっぱり臭いのか。
食べたことないけど臭いというのは知ってる。
ドリアン。
溶ける前に食べてしまおう。
ガリガリ ガリ
「獄門島ちゃん、イイ食べっぷりだねぇ」
さすが、果物の王。味は悪くない。
わたしはドリアンバーを食べきり。
「社長、仕事と、いうのは」
「あ、ゴメン。コレ食べたら金田ちゃんに持って行かすから、デスクで待ってて。ホラ、八ツ墓くん、コレなんの形に見える」
社長は、起用にアイスキャンディーをこけしのような形に。
「あ〜社長ってばエッチぃ」
「え、ソレは、エッチな形なの」
まあ、どうでもいいや。
「じゃ、社長。待ってますから。ウップ」
ドリアンの臭い?
マイデスクで、待ってると十分くらいしてメイド姿の金田さんが来た。
「コレ、仕事の資料です」
「ありがとう」
「あ、獄門島さん、ドリアンバー食べました?」
「臭う?」
「少しです。気にするほどでは。あたしも食べさせられました。一箱買ったんで、なかなか減らないそうです」
そんなこと言っていたな八ツ墓村さん。
えーと仕事は。
資料ファイルを開けると。
《宇宙人による石碑》
ナニかしら?
つづく




