ミス・テリ子
319話 ミス・テリ子
カオルと妖精の対談があって、わたしたちは二泊したが、妖精は現れなかった。
わたしたちは茂木林家から、ひきあげた。
その後何回かヤツが来たと椿さんから電話があったが、ヤツが変わったと。
誘惑をやめ、Hな話もしなくなり。
眠いから帰ってと言えば素直に帰ると。
そして、ひと月後には害のない友人になったと椿さんから電話で語った。
その後、依頼人の母親から依頼料が全額支払われたと。
とりあえず、この仕事は終わったが、わたしは椿さんにナニかあったら、いつでも電話してきてと。
言っといた。
テマリとカオルの助っ人料はいつものコトで、社長がボーナスを。
「コレで美味しい物でも食べてきなさい」
と、さてナニを食べに行こうか。
バカ高いスィーツか、何かの食べ放題もいいな。
ドコかのホテルでスィーツ食べ放題みたいのがあったよね。
田守くんに調べてもらおう。
「田守く〜ん」
「なんか、ご機嫌ですね獄門島さん」
「仕事が一つやっとかたづいたからね」
「獄門島さんの仕事はちょっとボクらとは違いますからね。あ、仕事と言えばコレ見て下さい」
え、ナニ? 田守くんがパソコンをカシャカシャと打ち画面に出たのは。
「ナニコレ? 『ミス・テリ子の奇妙な仕事』」
「昨夜、オススメサイトとして送られてきたサイトですが、一目見てダサいタイトルと思いましたよ。おばさんの作ったミステリーサイトだと思ったけど、ちょっとのぞいて見たんです。そしたら」
田守くんが『仕事』と、書かれたとこへ。
画面が変わり、横並びの字がなんかの軽快な音楽と共に並んだ。
「☆『彼女を探せ』☆『風邪薬をわたせ』☆『闇の人』☆『ゴスロリと怪盗魔女』☆『宇宙人を探せ』……ナニ、コレって」
「このサイトのミス・テリ子は普段はアルバイトで、メイドカフェのメイドをしてるが実は、ソレは仮の姿で本業は闇のミステリー探偵っていうマンガみたいな経歴が」
「あのね、☆の内容見ると、コレはわたしの仕事に似てるわね……。ドコからもれたのかしら。まさか、田守くんじゃ」
「そんなわけないじゃないですか、ボクか獄門島さんに紹介してるんですよ」
「ん~しかも会社の仕事以外は見事に書いてないわ」
「獄門島さんって、普段からナニか?」
「モンスターとか見てるの……」
「へえ~それはスゴイな。そういうの読みたいですね。じゃ獄門島さんは、このミス・テリ子の正体から外れますね」
「入れてたの田守くん!」
「やたらと獄門島さんの仕事似てますから、内容に詳しいんで会社の誰かかなと。しかも、この仕事はボクや青沼さん、等々力さんとは違いますからね。獄門島さんの仕事にやけに詳しい」
わたしたちはオフィスの蔵中さんを見た。
視線に気がついたのか蔵中さんは。
「何か?」
「いえ、ナニも……」
「私じゃないですよ!」
聞こえていたのね蔵中さん。
「蔵中さんとは、思えない。等々力さんや青沼さんは、わたしの仕事は知りませんから。テリ子は普段はメイドよね、だったら一人引っかかるのが」
「金田一さんですか……。でも、コレそういう連想させるための作りじゃないですかね。ボクは内部に詳しい八つ墓村さんとにらんでます」
「なるほど、この『ミス・テリ子』というダサいネーミングはあの人っぽいわね」
「聞いて見ます? 八つ墓村さんに。でも、ボクにはその度胸がありません」
「もしかして、わたしが……。その前に金田一さんに聞いとけば、あんがい彼女だったりして」
「お茶の時間です。おふたりさんコーヒーいかがですか?」
「ほら、丁度金田一さんが。あっ、わたし、青沼スペシャルを」
「ボクはカフェオレ頼める」
「ハイお待ちを。蔵中さんは」
「熱い緑茶を」
すぐに金田一がお茶と田守くんのカップとカップから白い渦巻がどんと見える青沼スペシャルをわたしのカップで持ってきた。
「獄門島さん、今日のはファザー牧場の濃厚ミルクですから濃いです」
ホントだ濃い! 美味しい!
「あのぉ金田一さん、コレ知ってる?」
「あ、ソレ見てるんですか? 田守さん」
「ああ、昨夜オススメで入ってね」
「コレは誰がやってるか、わかる?」
「ハイ、知ってます」
「知ってるんだ!」
わたしと田守くんが同時に。
「おふたりさんコレ、わたしがやってるとか思ってません。普段はメイドとか書いてあるし」
「ボクはカモフラージュだと……」
「さすが田守さん! まあ、わたしではないから。わたしもはじめ見てコレは会社の誰かだなぁと。で、わたし八つ墓村さんに聞きましたよ」
「聞いたの金田一さん」
それも、わたしと田守くんが同時に。
「ハイ、そしたら違うと。あの人も獄門島さん同様パソコンは苦手なんですって……。で、実はそれは………」
ためるな金田一。
しかし、パソコン苦手で秘書を。
「誰なんです」
今度は蔵中さんも一緒に。
「金田一さん、誰なんです?」
「え、蔵中さんも知りたいんですか?」
蔵中さんは、メガネを拭きながら。
「そのサイト、私も気になってたので……」
「それをやってるのは社長だったんです。その話を八つ墓村さんとしてたら、社長が『あ、ソレ僕がやってんの』と」
なるほど、ミス・テリ子は社長のセンスだ。
つづく




