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妖精とソフトクリーム

318話 妖精とソフトクリーム


「愛さん、1度家に帰って調べたんだけど、ああいった、たち悪い妖精は、昔はキリスト教のエクソシストが。でも悪魔が彼女に取り付いたわけじゃないからねエクソシストは……。今回の話と似たような小説もあって、やはりキリスト教の神父に妖精はやられるんだけど、妖精に好かれた気の弱いヒロインも……。コレは、あまり参考にならなかったわ」


「そっち方面はわたし、よくわからないけど、アレをおっばらう方法はないかしら、カオルが言うには、やっぱり変態どスケベ妖精だって」


「そのカオルさんは?」


「せつかく狩井沢に来たからショップ見学にと、出かけたわ」


「買い物ですか?」

「さぁ、わたしも美味しいソフトクリームの店があると聞いたから椿さんが帰って来るまでに行こうかと、テマリ行く?」


「はい、愛さんとなら、どこへでも。でも狩井沢って土地勘ないから跳べませんよ」

「いいわよ、お店の名前はわかってるからタクシー呼びましょ。会社に経費で落とすから、お金の心配は、ないから」



 狩井沢プリンセスショピングプラザ。


 やっぱり、狩井沢にはロリータのショップはないか。

 もっとがんばって欲しいわ。ロリータ界。

 だから、東侠の流行りとか、言われちゃうのよ。

 妊宿みたいなショップもあったけど、本格的なロリータのショップはなかった。

 この格好で入ったら珍しがられるようじゃダメね。


 庭園で、ふと見かけた店でソフトクリームを買ってベンチで食べてると。


〘昨夜のお嬢さんだね、ボクが見えるかい〙


 あたしの足元に昨夜の老人妖精が、明るいとこで見るとボサボサの茶髪で長髪。途中から三つ編みしてる。のは、カワイイ。

 外国人の老人顔。体は三等身で顔が大きい小人。あたしの膝ぐらいしかない。

 昨夜は暗い部屋で、もっと不気味に見えた。


〘なんであんたはボクが見えるんだ?〙


「なんでと聞かれても、そういう体質というか、能力があるからかな……。普通の人には見えないものが見えるの」


〘そうか……。あんたの隣に座ってもいいか?〙


「いいけど、変なコトしないでよ」


〘しないさ、ボクは相手が、して、とか。お願い抱いてとか、言わない限り手を出さない〙


「紳士ですわね、でもそれを言わすためにあなたが言ってる言葉はセクハラよ」

〘セクハラ? ソレはなんだ〙


「セクシャルハラスメントよ。いやがる人に性的な言葉を使ったりしてからかったり、ときには体を触ったり」

〘ボクは許可が出るまで体に触れたりしない。ボクの言葉を……。彼女はいやがってると?〙


「そうよ、あんた。まだ幼い子供に変なコト、言い続けてきたんでしょ」


〘幼い……。もう子供が産めるようになってからだ〙

「それ、関係ないから。あんたの変態話にあの子は苦しんでたのよ」


〘そんなコトはない、ときにはソレはナニ? とか、興味をもって聞いてきた〙

「多分思春期の好奇心よ。彼女も年頃ってやつかな」


〘そうか、ならもう少しで〙


「あんた、自分の顔を見たことがある? 思春期の女の子が見たら失神するかもよ」


〘ボクはそんな醜くない!〙


「そうかしら、ホラ」


 あたしはメイク用のミラーを出して見せた。

 見えるかしら?


〘シブいイイ顔ではないか〙


 見えるんだ。


「そう思ってるのは自分だけよ。どう見たって。彼女のタイプじゃないわよ。ただのスケベジジィよ」

〘彼女のタイプって? 顔じゃないよ恋愛ってやつは〙


「ソレはわかるけど、一方的に攻めてもだめよ。あんな、みだらな言葉で何年もせめたら嫌われるだけよ。その顔見たら彼女は、教会に駆け込むわよ。バケモノを祓って下さいって」


〘教会、ソレはダメだ。あそこはボクが一番嫌いな場所だ!〙


「この辺て、結婚しようと教会におとずれるカップル多いの知らない? 教会も沢山有るわよ」

〘それらしい建物が有ったらなるべく避けていたからいくつ有るとは……。しかし、抱いてしまえば、彼女の心はボクのもの。顔なんか〙


「あんた、顔だけじゃないから人としてアンバランスだから……。あたしが彼女にその姿を……。もうすでに言ったわよ。この先何ヶ月、何年口説いても彼女はなびかないわよ。しかも、あんな事続けてたら、彼女はおかしくなっちゃうわよ。彼女、可哀相だと思わないの? あなたが愛した人が、あなたのせいでおかしくなって不幸になったら……」


〘彼女がボクに、なびけば一生幸せになれる。ボクは神だから……〙

「そんな一方的な愛し方では相手は不幸なのよ。嫌いな大金持ちと結婚したからって幸せとは限らないわ。恋愛ってそういうモノよ」


〘なるほど、でもボクはそうやって神のランクを上げてきた。あの人間が創った神が現れるまでは。奴は我ら古の神を汚れた者と堕としこんだ。人は誰も我らを神と認めなくなった。精霊なら、まだいい、モンスター扱いだ。妖精だって、言い方の違いだ。怪物とかわらない〙


「なんか、あんた。話が変わってない? 人の創った神と戦うなら勝手にやって。椿さんを解放してあげて、彼女はあんたなんか望んでないの。そのままやってれば婬魔、インキュバスと何も変わりはないわよ。長いだけに、もっとたち悪いわよ。卑猥な言葉でいたいけな少女をセクハラしてる変態悪魔よ、あんたわ。人間の創った神にモンスターに堕とされても仕方ないわね。いたずら者の変態妖精さん」


〘キミは酷い事を言うね。ボクは昔からそうしてきたんだ……〙


 あら、消えちゃた。


「あ、カオルだ。そのソフト美味しい?」


 あ、あいつと話してたら、とけちやたわ手が。


「愛さん、美味しいけど、とけちゃたわ、ソフト……。いま、アレと話してたのよ。思いっきりののしってやったわ」


『狩井沢奇譚』の巻 おわり


               つづく 

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