心霊写真の子
31話 心霊写真の子
「ホラ、見て。二宮金次郎像の台のトコから赤い服の子供が顔を出してる」
「ホントだ。私、心霊写真の実物を初めて見た」
「スマホの画像だけど……」
「愛さん、ソレ心霊写真じゃないわ。ほら見て」
と、カオルが二宮金次郎像の方を見て。
あ、そこにはスマホの画面に写る赤いワンピの子が居た。
アレ、人間よね。
「おいで、お菓子あげるよ」
と、カオルはトランクからポテチの袋を出した。
犬や猫じゃないんだから。
でも女の子はおそるおそる近づいてきた。
小学生……一、二年。
「アカネちゃん、島にあなたより若い子居るのね」
「あたいの知らない子だ、あんたちみたいな本島から来た子じゃないのか?」
「そうなの……」
女の子は、やっとここまで来てカオルのポテチを受け取った。
「お菓子好き?」
女の子はうなずいた。
「あなたは、島の子」
うなずいた。
「島の子らしいわよ」
「島の人間なら赤ちゃんだって、知ってるぞあたい。でも、おまえ知らない。どこの子だ?」
茜は、女の子の前にしゃがんだ。
「あたしもあんた知らない」
どういうコト?
二人とも島の子よね。
「そうか、おまえ名前は?」
「九郎田あかね」
「ソレは、あたいの名だ。なんで知ってんだよ?」
「あたしの名前よ」
「偶然同じってコトかしら」
「そんなわけない、島で九郎田は、ウチだけだ。茜も」
「そうなの。じゃこの子はアカネちゃんの妹かしら」
何処に同じトコに住んでて家族を知らない人間が居るのよカオル。
「わけのわからんコトを言うなよ。おい、お前の親の名は?」
「母さんは友子、父さんは太郎……」
「ウソ言うな! ウチと、同じじゃないか……おまえ、ウソつきか」
「ホントだよ」
「あかねちや〜ん」
校舎の裏からおばさんが出た。
「どっちの知り合い?」
「あたいは、あんなオバさん知らない」
「オバちゃーん」
小学生の方のあかねの知り合いらしい。
おばさんがここまで来て。小学生のアカネに。
「ダメじゃないあかねちゃん。洞窟から出ちゃ」
洞窟!
「あの、洞窟って言いましたよね」
「なんだ、あんたらは? 島の人間じゃねーな」
「あたいは地元だ。あんた、この子の親?」
「アカネちゃん、この子さっき、オバちゃんと」
「私はこの子の……」
「その子のナニよ?」
「あんたらには関係ない、戻ろうあかねちゃん」
つづく




